今日の1枚(105)

今朝はいやに冷え込みました。半袖で散歩に出ましたが、あまりの冷え込みにセーターを取りに戻ったほど。これで風邪を引く人が増えるかもしれませんね。
さていよいよフルトヴェングラーも最終回です。残るはデッカに正規スタジオ録音したフランク。それにプラスαが付いたもの。
日本盤。1997年に当時のポリグラム㈱から発売された POCL-4301(458 031-2) 。ウィーン・フィルのデッカ録音を纏めてシリーズ化したCDで、モノラルからステレオまで幅広い指揮者を集めています。確かフルトヴェングラーは2点ほど出ていたと思いますが、正規録音が入っているのはこれだけ。
①フランク/交響曲ニ短調
②シューマン/交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
共にウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏ですが、②はライヴ収録です。録音データは、
①1953年12月14・15日 ウィーン、ムジークフェラインザール
②1951年10月29日 ミュンヘン、コングレス・ザール
②はライヴなのでプロデューサー等の名前はありませんが、①はプロデューサーが Victor Olof 、エンジニアは Cyril Windebank 。
ヴィクトル・オロフは貴族的な趣味を持つプロデューサーで、デッカのモノラル時代を彩った名プロデューサーです。確かヴァイオリニストとしてスタートした人で、SP時代には自身で指揮をしたアルバムもあったと記憶しています。
後にEMIに移ってシューリヒトのブルックナーなどを手掛けていましたっけ。
①はそのオロフによるデッカの名録音 ffrr の代表盤。
と言いたい所なんですが、どうも当盤はデジタル・マスタリングがチャチで、本来の録音の素晴らしさ(の筈)が伝わってきません。
1997年当時、私はCDの音の悪さに閉口して、ほとんどのディスクを売り払ってしまった記憶があります。何故かこれは手元に残っていた1枚。
現在ではもっと良いマスタリングで出ているでしょうし、未だなら早急に善処して欲しいもの。
フルトヴェングラー独特の大きな構えでゆったりした演奏。但し推進力などには期待しない方が良いでしょう。
第3楽章後半で第2楽章の主題が高らかに再現する際のトランペット(300小節から)、その前の小節の3拍目に主題の頭を加筆する演奏が多く聴かれますが、フルトヴェングラーは意外にもスコア通りです。
②はウィーン・フィルのミュンヘン楽旅での収録。フランク1曲では格好がつかないので組み合わせたのでしょうか。ライヴ録音ですから限界があります。
演奏も第4楽章を除いて意外に大人しいもの。スコアに色々手を加えた演奏もありますが(マーラー版など)、フルトヴェングラーはほとんどオリジナルのまま演奏しているように聴こえます(録音が悪いので細部は明瞭に聴き取れません)。
第1楽章の繰り返しは省略。69小節にティンパニを加筆しているようです。
第3楽章の繰り返しは、スケルツォもトリオも実行。
第4楽章の繰り返しも実行。第1主題の歌わせ方が独特で、テンポ・ルバートを効かせてユーモラスな感じを出しています。
演奏会記録集によると、この日のプログラムは、
ベートーヴェン/「コリオラン」序曲
シューマン/交響曲第1番
ブルックナー/交響曲第4番
というもの。確か同じ日のブルックナーも当盤と同じシリーズで発売されていたように思います。
参照楽譜
①ペータース Nr.629
②オイレンブルク No.417
ところで区切り良く使用している機械の具合が悪くなってしまいました。他にもディスクを聴く手段はありますが、チャンと聴くには万全ではありません。
買い替えにせよ修理にせよお金が掛かりますから、暫く様子を見ることにしました。
ということでこのコーナーは無期限休載となります。

 

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