今日の1枚(81)

今日は春分の日ですが、東京は雨。濡れて行くには強い降りになっています。
昨日に続いてフルトヴェングラーのブラームス、ライヴ録音による第4交響曲です。TOCE-3792

①ブラームス/交響曲第4番ホ短調作品98
②ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲作品56a

昨日の1枚と同じで、交響曲がベルリン・フィルとのライヴ録音、変奏曲はウィーン・フィルとの正規スタジオ録音です。
①1948年10月24日 ベルリン(会場不明)
②1943年12月18~23日 ウィーン、ムジークフェラインザール
①は第3交響曲と同様に会場ノイズが入っていますが、第3ほど酷くはありません。この程度なら普通のレコード鑑賞に堪えられるレベルでしょう。

演奏も素晴らしいもので、フルトヴェングラーの名演として代表的なもの。録音を聴いた限りでは、スコアに手を入れているような箇所は見当たりません。
この日のプログラムは、
バッハ/管弦楽組曲第3番
シューベルト/交響曲第8番「未完成」
ブラームス/交響曲第4番
というもの、24日から26日までの三日間公演でした。

②はスタジオ録音ですが、昨日の第3交響曲とカップリングされていた録音とは別物です。
解説(平林直哉)によると、ドイツ・エレクトローラへのSP録音ながら発売されずに放置されていたものの由。
録音された1943年12月と言えば戦争も末期。レコードを作って販売するような状況ではなかったことが想像されます。むしろレコーディングが行われたこと自体が不思議なほど。

現在聴いてみると、1949年の再録音以上に音質は悪く、ほとんど資料的な意味しかないと思われます。
これも繰り返しは全て実行して収録されています。
フルトヴェングラーはブラームスを大変得意にしていましたが、戦前・戦中を通じて正規に録音したのは、このハイドン変奏曲とハンガリー舞曲が2曲(1番と3番)あるだけでしょう。その意味では貴重な記録と言えましょうか。
本格的なブラームス録音が始まるのは戦後ですが、録音状態の良好なブラームスを残さずに他界したことは真に残念です。

参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.133
②ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.134

 

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