2009クラシック馬のプロフィール(10)
クラシック馬のプロフィール、今年の10頭目はアイルランド・ダービーを圧勝したフェイム・アンド・グローリー Fame And Glory です。
今日のニュースでは、夏場は休みを取りアイリッシュ・チャンピオンから凱旋門賞を目指すという予定とか。現時点で凱旋門賞は、フランスの怪物牝馬スタチェリータ、久し振りに英国の2冠馬となったシー・ザ・スターズ、そして唯一の敗戦がダービー2着というフェイム・アンド・グローリーの三つ巴という人気になってるようです。
で、その3頭には血統面で共通項があるのが面白いところ。その辺を例によって牝系から探っていきましょう。
今年のクラシック馬にはドイツの牝系から出た馬が多いのが特徴。日本の牝馬2冠ブエナビスタ、フランス・ダービー馬ル・アーヴル、そして凱旋門賞に最も近いスタチェリータとシー・ザ・スターズはいずれもドイツ牝系と言って良い背景があるのです。
実はフェイム・アンド・グローリーもドイツ牝系が育んできた血脈が生んだ名馬。ドイツ畏るべし、というのが今年の傾向でしょう。
フェイム・アンド・グローリーは父モンジュー Montjeu 、母グライアダ Gryada 、母の父シャーリー・ハイツ Shirley Heights という血統。
母グライアダ自身は英国産。2歳の時にフォークストーンで7ハロンの未勝利戦に勝ち、ハンプトンでも1マイルの小レースに勝ちました。
しかし3歳は伸び悩み、結局は調教に失敗して繁殖に上がります。
グライアダの産駒では、アイルランドで1マイル2ハロンに勝ったヤミー・マミー Yummy Mummy 、イボア・ハンデで3着という実績のあるグランピアン Grampian がいる程度でしょうか。
グライアダの娘グアランダ Guaranda は2勝して繁殖に上がり、去年の3歳産駒グラヴィテーション Gravitation がグッドウッドでリリー・ラングトリー・ステークスという14ハロンのレースに勝って能力を証明しています。
さて、グライアダの母、つまりフェイム・アンド・グローリーの2代母がドイツ産馬のグリンポーラ Grimpola 。
この牝系はフェイム・アンド・グローリーの10代母に当たるグレナイズ Glenayes が初めてイギリスからドイツに輸入され、以下綿々とドイツ国内で牝系を繋いできたのですね。
9代母ガラオーバー Galaoper から数えて8代に亘る継承。
あまり古い記録に遡っても退屈ですから、2代母グリンポーラを少し詳しく見てみましょう。
グリンポーラの勝鞍は6ハロンから1マイルまで。1マイル半までに高い能力を発揮し、ドイツ1000ギニーに勝ち、ドイツオークスでも3着に入った立派なクラシック馬なのです。
グリンポーラの牡馬ではゴラン・ハイツ Golan Heights やゴンドリヤー Gondolier が活躍していますが、やはり注目されるのはその娘たちでしょう。
フェイム・アンド・グローリーの母になるグライアダの他に、ゴンファロン Gonfalon とグーンダ Goonda が注目。
ゴンファロンの娘ゴンバルタ Gonbarda はオイロパ大賞典などドイツのGⅠに2勝した名牝ですし、ドイツのパターン・レースに勝ったゴンラルゴ Gonlargo (牡馬)やイギリスのGⅢを制したゴンフィリア Gonfilia もゴンファロンの娘。
一方のグーンダはからは、やはりドイツのパターン・レース勝馬グローバル・ドリーム Global Dream も出ているという具合。
この牝系はブルース・ロウの分類では1号族i 。
ドイツの競走馬には母の名の頭文字を付けるのが伝統で(現在ではルール化されていると聞きましたが)、Glenayes から続くファミリーは、これまで見てきた通りずっと“G”をイニシャルにしてきました。
フェイム・アンド・グローリーの母になって漸くGの縛りから離れたことになります。
父モンジューについては紹介するまでもないでしょう。フランスとアイルランドのダービーに勝ち、凱旋門賞で頂点に立った馬。
その父サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells の代表産駒でもあります。
かつて“ダービー馬はダービー馬から”という格言? がありましたが、正に愛ダービー馬フェイム・アンド・グローリーは愛ダービー馬から生まれています。
これを更に“クラシック馬”と拡げて解釈すれば、愛2000ギニーのサドラーズ・ウェルズ、ケンタッキー・ダービー馬ノーザン・ダンサーと続くわけで、4代続くサイヤーラインにはケチの付け様もありません。
今日のニュースでは、夏場は休みを取りアイリッシュ・チャンピオンから凱旋門賞を目指すという予定とか。現時点で凱旋門賞は、フランスの怪物牝馬スタチェリータ、久し振りに英国の2冠馬となったシー・ザ・スターズ、そして唯一の敗戦がダービー2着というフェイム・アンド・グローリーの三つ巴という人気になってるようです。
で、その3頭には血統面で共通項があるのが面白いところ。その辺を例によって牝系から探っていきましょう。
今年のクラシック馬にはドイツの牝系から出た馬が多いのが特徴。日本の牝馬2冠ブエナビスタ、フランス・ダービー馬ル・アーヴル、そして凱旋門賞に最も近いスタチェリータとシー・ザ・スターズはいずれもドイツ牝系と言って良い背景があるのです。
実はフェイム・アンド・グローリーもドイツ牝系が育んできた血脈が生んだ名馬。ドイツ畏るべし、というのが今年の傾向でしょう。
フェイム・アンド・グローリーは父モンジュー Montjeu 、母グライアダ Gryada 、母の父シャーリー・ハイツ Shirley Heights という血統。
母グライアダ自身は英国産。2歳の時にフォークストーンで7ハロンの未勝利戦に勝ち、ハンプトンでも1マイルの小レースに勝ちました。
しかし3歳は伸び悩み、結局は調教に失敗して繁殖に上がります。
グライアダの産駒では、アイルランドで1マイル2ハロンに勝ったヤミー・マミー Yummy Mummy 、イボア・ハンデで3着という実績のあるグランピアン Grampian がいる程度でしょうか。
グライアダの娘グアランダ Guaranda は2勝して繁殖に上がり、去年の3歳産駒グラヴィテーション Gravitation がグッドウッドでリリー・ラングトリー・ステークスという14ハロンのレースに勝って能力を証明しています。
さて、グライアダの母、つまりフェイム・アンド・グローリーの2代母がドイツ産馬のグリンポーラ Grimpola 。
この牝系はフェイム・アンド・グローリーの10代母に当たるグレナイズ Glenayes が初めてイギリスからドイツに輸入され、以下綿々とドイツ国内で牝系を繋いできたのですね。
9代母ガラオーバー Galaoper から数えて8代に亘る継承。
あまり古い記録に遡っても退屈ですから、2代母グリンポーラを少し詳しく見てみましょう。
グリンポーラの勝鞍は6ハロンから1マイルまで。1マイル半までに高い能力を発揮し、ドイツ1000ギニーに勝ち、ドイツオークスでも3着に入った立派なクラシック馬なのです。
グリンポーラの牡馬ではゴラン・ハイツ Golan Heights やゴンドリヤー Gondolier が活躍していますが、やはり注目されるのはその娘たちでしょう。
フェイム・アンド・グローリーの母になるグライアダの他に、ゴンファロン Gonfalon とグーンダ Goonda が注目。
ゴンファロンの娘ゴンバルタ Gonbarda はオイロパ大賞典などドイツのGⅠに2勝した名牝ですし、ドイツのパターン・レースに勝ったゴンラルゴ Gonlargo (牡馬)やイギリスのGⅢを制したゴンフィリア Gonfilia もゴンファロンの娘。
一方のグーンダはからは、やはりドイツのパターン・レース勝馬グローバル・ドリーム Global Dream も出ているという具合。
この牝系はブルース・ロウの分類では1号族i 。
ドイツの競走馬には母の名の頭文字を付けるのが伝統で(現在ではルール化されていると聞きましたが)、Glenayes から続くファミリーは、これまで見てきた通りずっと“G”をイニシャルにしてきました。
フェイム・アンド・グローリーの母になって漸くGの縛りから離れたことになります。
父モンジューについては紹介するまでもないでしょう。フランスとアイルランドのダービーに勝ち、凱旋門賞で頂点に立った馬。
その父サドラーズ・ウェルズ Sadler’s Wells の代表産駒でもあります。
かつて“ダービー馬はダービー馬から”という格言? がありましたが、正に愛ダービー馬フェイム・アンド・グローリーは愛ダービー馬から生まれています。
これを更に“クラシック馬”と拡げて解釈すれば、愛2000ギニーのサドラーズ・ウェルズ、ケンタッキー・ダービー馬ノーザン・ダンサーと続くわけで、4代続くサイヤーラインにはケチの付け様もありません。
ブエナビスタが札幌記念から始動ですね
凱旋門賞はもちろんその前のディープスカイとの対決も
本当に楽しみになってきました