続々登場する期待の2歳馬たち

昨日はイギリスとフランスで注目の2歳戦が行われ、来年のクラシック候補たちが次々と名乗りを挙げています。

先ずイギリスは、エア Ayr 競馬場のファース・オブ・クライド・ステークス(GⅢ、2歳牝、6ハロン)。
14頭立ての多頭数で圧倒的1番人気(イーヴン)を集めたビヨンド・デザイア Beyond Desire は4着敗退。勝ったのは33対1という超大穴のディスティンクティヴ Distinctive でした。
2着はこれも人気薄のミッドナイト・マティーニ Midnight Martini が3馬身4分の3差で、3着に首差でアストロフィジカル・ジェット Astrophysical Jet の順。

トム・イーヴス厩舎の管理馬、ブライアン・スマートが騎乗していました。多頭数の混戦を圧倒的な末脚で差し切りましたが、厩舎サイドでは馬の能力には自信があり、結果も驚くほどのものではないと豪語。来年のクラシックも視野に入れているようです。

尚、この日エア競馬場では名物のハンデ戦であるエア・ゴールド・カップ(6ハロン)が行われ、26頭立ての混戦を見事にデットーリ騎乗のジミー・スタイルズ Jimmy Styles が制しています。
14対1という中穴でしたが、人気者デットーリくんにとってこのレースは初制覇。一般的にはこの話題が各スポーツ紙のトップを飾っていました。

ニューバリー競馬場ではパターン・レースが二鞍行われています。ミル・リーフ・ステークス(GⅡ、2歳、6ハロン8ヤード)は7頭立て。
このレースも1番人気(5対4)レイディオヘッド Radiohead が4着に終る波乱。

替って一躍来年のクラシック候補に登場したのが、11対4のオウザーン Awzaan 。2着は1馬身4分の1でエンジェルズ・パスート Angel’s Pursuit 、3着に1馬身でクォーレル Quarrel 。

マーク・ジョンストン厩舎所属のゴドルフィンの持馬で、リチャード・ヒルズが騎乗。これで3戦3勝の無敗となったオウザーンは、ゴドルフィン軍団のクラシック候補の一番手か。
取り敢えずは来月のミドル・パーク・ステークスが実力の試金石になるでしょう。

一方、本命で敗れたレイディオヘッド陣営は、この敗戦でクラシックを選ぶかスプリント路線を歩むか、その選択を迫られることになります。

ニューバリー競馬場ではもう一鞍、古馬のスプリント戦も行われました。
ワールド・トロフィー(GⅢ、3歳上、5ハロン34ヤード)は9頭立て。皮肉なことにこのレースも1番人気(5対4)トリプル・アスペクト Triple Aspect が4着に沈んでしまいます。

勝ったのは9対2のストライク・ザ・ディール Strike The Deal 。首差2着にトータル・ギャラリー Total Gallery 、半馬身3着にはお馴染み南アフリカ出身のジェイ・ジェイ・ザ・ジェット・プレーン J J The Jet Plane が入りました。

ジェレミー・ノセダ師の管理馬ですが、ここは何と言ってもキーレン・ファロン騎乗が話題の中心。
18ヶ月振りにレースに戻ってきたファロン、これで復帰後18勝目になりますが、パターン・レースの勝利はカムバック以後初。この点を質問された名手、“なに、まだほんのスタートに過ぎないよ” と余裕の受け答え。

実はストライク・ザ・ディールは先のドンカスター(9月9日のリステッド戦)でファロンとコンビを組んで勝ったばかり。これで2連勝と波に乗りました。
“鉄は熱いうちに打て” は、スプリンターにも当て嵌まる格言。9月に2連勝した同馬は来週アスコットで行われるダイアデム・ステークスでハットトリックを目指します。

最後にロンシャン競馬場の二つのパターン・レースに行きましょう。

プランス・ドランジュ賞(GⅢ、3歳、2000メートル)。要するにオレンジ公賞ですが、これも凱旋門賞トライアルの一つ。かつてアレッジドがここを足掛かりにして凱旋門を制したこともあります。

今年は8頭が出走。意外にも出走馬中唯1頭のせん馬であるシラス・デゼーグル Cirrus Des Aigles という馬が、1番人気(4対5)のワールド・ヘリテッジ World Heritage に4分の3差を付けて優勝、186対10という人気でした。
3着は1馬身でアリバー Allybar 。

勝ったシラス・デゼーグルはこれまで16戦というキャリアで、全て4着以内という超堅実。調教師はコリーヌ・バランド=バルブ夫人という女流調教師です。騎手はフランク・ブロンデルと言い、全フランスの騎手リーディングで5位につけている豪腕。
凱旋門賞に向かうのでしょうか?

一方、2歳によるシェーヌ賞(GⅢ、2歳、1600メートル)は英国から3頭が参戦、地元フランスの2頭と合わせて5頭立てで行われました。

結果は地元勢が強く、7対5の1番人気に支持されたアガ・カーン所有のべーカバド Behkabad が期待に応えて優勝。2着に4分の3馬身でもう1頭のフランス馬アラジン Arasin 、英国勢で最先着したエミレイツ・ドリーム Emirates Dream がやはり4分の3差で3着。

べーカバドはこれで3戦3勝と無傷。今シーズンはこれで休養に入り、来年のクラシックを狙う予定だそうです。同馬の動向に注目されたし!!

 

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