来年のダービーはこの馬?
日曜日のヨーロッパ競馬、タイトルの話題に入る前に、アスコット競馬場のセプテンバー・ミーティング3日目から行きましょう。この日のパターン・レースは二鞍。
カンバーランド・ロッジ・ステークス(GⅢ、3歳上、1マイル4ハロン)は1頭が取り消し、12頭立て。
4歳ながらこれが未だ7戦目というマワテーク Mawatheeq が1番人気(7対2)を集め、見事に期待に応えました。
2着は2馬身4分の1差でゴドルフィンのカンパノロジスト Campanologist 、3着に首差でキングダム・オブ・ファイア Kingdom of Fire の順。
調教師マーカス・トレゴーニングにとって、これはカンバーランド・ロッジ5勝目に当ります。即ち、2001年のナイェフ Nayef 、2003年と2004年を連覇したハイ・アコレード High Accolade 、そして2005年のマブテイカー Mubtaker 。
騎乗したリチャード・ヒルズはこの日3勝。即ちトレブル達成ですが、次に紹介するように、この日のパターン・レースは全てヒルズが制しています。
勝ったマワテークは、健康問題から2歳時は調教が出来ず、漸く3歳に到って競走馬としての訓練を開始した馬。今期2戦目の前走でドンカスター競馬場のハンデ戦を制して2連勝。秋になって本格化してきた感があります。
今年の1000ギニーに勝ったガナーティ Ghanaati の半兄という血統的裏付けも充分、現役に留まる来年が大いに楽しみでしょう。
おっと、マワテーク、今シーズンはこれで終りじゃありません。トレゴーニング師が2001年に制したナイェフが歩んだように、カンバーランド・ロッジからチャンピオン・ステークス優勝という夢が待っていますね。
ダイアデム・ステークス(GⅡ、3歳上、6ハロン)も1頭の取り消しがあって14頭立て。
今年のスプリント路線はかなり混戦で、ここでも1番人気(5対2)に支持されたハイ・スタンディング High Standing が4着敗退。
優勝は、前のレースでも触れたように、リチャード・ヒルズ騎乗のサイーフ Sayif (11対1)でした。
2着以下は大混戦。勝馬から2馬身半差に4頭が流れ込み、2着がタマジン Tamagin 、首差3着にマレイン Mullein 、以下ハナ差で本命ハイ・スタンディング、首差でプライム・ディフェンダー Prime Defender という結果。
チャップル=ハイアム師が管理するサイーフは、惜敗続きの3歳馬。2歳時はジュライ・ステークス2着、ヴィンテージ・ステークス3着、ミルリーフ・ステークス3着、ミドルパーク・ステークス2着の実力があり、今シーズンもベットフレッド・スプリント・カップで4着に食い込んでいます。本格化はこれからでしょう。
今回初めて騎乗したヒルズとの相性が良さそうですから、今後のスプリント路線で主役級に躍進してくる可能性大。
さてイギリスはこの辺にして、次はアイルランドに飛びます。カラー競馬場を舞台とする、来年のクラシックを占う重要なパターン・レース二鞍。
パーク・ステークス(GⅢ、2歳牝、7ハロン)は12頭が揃いましたが、半分の6頭は未勝利馬。2勝した馬が2頭で、残り4頭が1勝馬というメンバー構成です。
1番人気(7対4)は何と未勝利のピクチャー・パーフェクト Picture Perfect でしたが、6着敗退。恐らくムルタ騎手人気が先行してしまったのかも知れません。
勝ったのは25対1の大穴、1勝馬だったレディー・スプリングバンク Lady Springbank でした。
2着は半馬身で同じく1勝馬のビキニ・ベイブ Bikini Babe 、3着が1馬身4分の1差で2勝馬のコルコヴァダ Corcovada 。
調教師は未だ開業して日の浅いポール・ディーガン Paul Deegan という方。当然ながらこれまでで最も名誉ある勝利となりました。
騎乗したのはウイリー・サップル Willie Supple 。
レディー・スプリングバンクは、前走サンダウンのリステッド戦で6着に沈んでいたために人気を落としていたのでしょう。ローテーションはきつくなりますが、登録のある来週のチーヴリー・パーク・ステークスに向かう予定だそうです。
さていよいよ日記のタイトルでもあるべレスフォード・ステークス(GⅡ、2歳、1マイル)。このレースは去年シー・ザ・スターズが勝って、クラシックへのステップにしたレースとして注目されます。
今年は9頭が出走。2対5と圧倒的な本命に支持されたセント・ニコラス・アベイ St Nicholas Abbey が、期待通り大物振りを発揮して快勝しました。
2着は4分の3馬身差でレイヤリ・アル・アンダルス Layali Al Andalus 、3着に1馬身半差でパッション・フォー・ゴールド Passion For Gold が続きました。
セント・ニコラス・アベイは8月にカラーの新馬戦を勝っており、これで2戦2勝。エイダンオブライエン厩舎がクラシック・タイプと太鼓判を押す器で、もちろんジョニー・ムルタが騎乗していました。
父はモンジューですから距離的にはダービー狙いでしょう。各ブックメーカーも、この勝利を見て来年のダービーの1番人気に挙げています。
当面は来月のドンカスター、レーシング・ポスト・トロフィーを目標にするそうですが、ここを楽勝するようなら冬場のダービー本命に君臨するのは間違いなさそう。
果たして第2のシー・ザ・スターズに成長するか?
最近のコメント