モランディに注目

長かったヨーロッパ平場シーズンも、遂に昨日フィナーレを迎えました。サン=クルー競馬場で行われたクリテリウム・ド・サン=クルー Criterium de Saint-Cloud (GⅠ、2歳牡牝、2000メートル)。実はアーミスティス・デイの日曜日に行われるのかと思っていましたが、前日でしたね。
シーズン最後のGⅠでもあるこのレースは、ヨーロッパでは最も長い距離で行われる2歳戦。シーズン末期とあって馬場は極端に重くなることが多く、出走馬にはスタミナが要求されることは間違いありません。当然ながらダービー候補の試金石となる一戦ですが、近年はクラシックに乗った馬が余り出ていないのが現実です。

ところが今年は期待出来そうな馬が出現しました。馬場は heavy 、8頭が出走し、7対10の圧倒的1番人気に支持されたのはモランディ Morandi 。10月21日にロンシャン競馬場でコンデ賞(GⅢ)を12馬身差で圧勝した馬で、プロフィールはその時のレポートで詳しく紹介しました。その時点でクリテリウムの本命が約束されていました、よね。

で、レースですが、ウインゲート Wingate の逃げを2番手でマークしたモランディ、直線でゴーサインが出ると、後は後続を離す一方。あれよあれよと2着に7馬身差を付け、前走に続く大差の圧勝劇です。その2着には英国(アン・ダッフィールド厩舎)から参戦した2戦無敗のウィリー・ザ・ホイッパー Willie the Whipper が入り、更に3馬身の差が開いてこれも英国馬(デヴィッド・シムコック厩舎)ミス・ユー・トゥー Miss You Too が3着。
2着のウィリー・ザ・ホイッパーはハミルトン競馬場で新馬勝ち、続くポンテフラクト競馬場のリステッド戦も連勝して今回がパターン戦の初挑戦。7対2の2番人気に支持され、今回の敗戦は決して不名誉なものではありません。勝った馬が強過ぎた、ということでしょう。

ラモンディはジャン=クロード・ルジェ厩舎、ロンシャンではグレゴリー・ブノアが騎乗していましたが、今回はマクシム・グィヨンとのコンビ。ゴール手前でグィヨンが馬の首を叩く余裕の勝利で、対戦相手の評価にもよりましょうが、久々にサン=クルーのクリテリウムを制した大物と言えましょうか。これで6戦4勝2着2回はやや使い過ぎ、という感じもしなくはありませんが、来年の長距離クラシックの注目株です。

以上で2012年ヨーロッパ平場シーズンが終了。このカテゴリーは、冬場の間は回顧シリーズに充て、また来年3月のサン=クルー競馬場から再開する予定です。

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