グッドウッド2010・千秋楽

火曜日から続いたグローリアス・グッドウッド、最終日のパターン・レースはナッソー・ステークス(GⅠ、3歳上牝、1マイル2ハロン)だけです。

7頭が出走してきましたが、15対8の1番人気に支持されたのは去年の覇者ミッドディ Midday 、連覇を狙っての登場です。
去年は「グローリアス」とは名ばかりの大雨の中で行われ、重得意のミッドディが圧勝、1着から3着までを3歳馬が独占したのは既にレポートしたとおり。

今年の3歳勢は2頭で、その1頭フランスのGⅠ馬ロザナラ Rosanara の参戦が注目を集め、4対1の2番人気。フランスからはもう1頭の4歳GⅠ馬(去年の仏オークスなど)スタチェリータ Stacelita もドーヴァー海峡を越え、GⅠらしい豪華な顔ぶれになりました。

レースはバーシバ Barshiba が先手を取って逃げますが、ペースはスロー、直線だけの勝負になってしまいました。2番手をスタチェリータ、本命ミッドディが3番手を追走する展開。

直線で先に動いたのはスタチェリータ、一旦は3馬身の差を付けて逃げ込みを図ります。しかし最後の100ヤードでスタチェリータが末脚を爆発させてミッドディに並びかけ、そのまま差し切るかに見えました。
ここからがミッドディの真骨頂、トム・クィーリーの左ムチに応えて二の脚を使って差し返し、結局ゴールではスタチェリータに1馬身4分の1差を付けて2連覇を達成しました。
更に1馬身差3着は4番手を進んだアンタラ Antara 、2番人気のロザナラは終始後方のまま良い所なく7着シンガリの惨敗です。

最後の叩き合いで、トム・クィーリーは不注意騎乗の咎で2日間の騎乗停止処分を受けました。

ミッドディのヘンリー・セシル師は、この連覇を含めてこのレース7勝目。オーナーのカーリッド・アブダッラーにとって今シーズンは英仏ギニー、ダービー、エクリプスに続くビッグ・タイトル獲得となります。

この日は朝方霧雨が舞い、コースもパンパンの固い馬場にならなかったこともミッドディに幸いしました。この後はヨークシャー・オークスから、去年制したブリーダーズ・カップ(芝牝馬)を目指す予定。もちろん馬場が良馬場にならないことが条件ですが・・・。

これでグローリアス・グッドウッドは閉幕しましたが、同じ日、フランスはドーヴィル競馬場の夏開催がスタートしています。
その幕開けの一戦がプシケ賞(GⅢ、3歳牝、2000メートル)。ナッソー・ステークスと競合することになりますが、こちらにも6頭が登録してきました。

イーヴンの1番人気は、仏オークスで5着したザゴラ Zagora 。期待に応えての優勝です。
2着は半馬身差で英国から遠征したビキニ・ベイブ Bikini Babe が入り、更に4分の3馬身差3着にこれも英国勢のルムーシュ Rumoush の順。

イオリッツ・メンディザバル騎乗のザゴラ、直線で前が塞がり、こじ開けるように抜け出す時に他馬と接触するアクシデント。レースは審議になりましたが、最終的には着順通りで確定しました。
メンディザバルによれば、この不利がなければ5馬身差で勝っていた、と強気です。

ところでアイルランドから日本関連のニュースが伝わってきました。

彼の地では先週(月曜日から金曜日まで)ゴールウェイ・フェスティヴァルが行われていました。ゴールウェイ競馬場を舞台にした平場と障害の混合開催ですが、パターン・レースは一鞍もなく、当ブログではレポートの対象になっていません。

この最終日(7月30日)の最終レース(第7レース)、ギネス・レース(1マイル6ハロン)という一般戦で日本からアイルランドに転厩したポップロックが見事にヨーロッパ初勝利を飾りました。
アイルランドを本拠に開業した児玉敬(こだま・たかし)厩舎、フラン・ベリー騎乗。

現地では Pop Rock と表記されるポップロック、実はグッドウッド・カップにも登録があったのですが、経験豊かなフラット・コースのゴールウェイに回ってきたもの。
陣営ではアイルランド・セントレジャー(古馬にも開放されているGⅠ戦)を使う予定の由で、ヨーロッパでのパターン・レース初挑戦に期待しましょう。

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