強者弱者(133)

電車の客

 ダリヤの花咲き初む。
 暑気漸くにして厳しく、人皆白地の単衣を着る。電車に乗る人、風を慕ひて運転台の方にのみ押し寄せ、車掌の制するを聴かず、日に向へる窓を厭ひて互に席を争ふ。辛うじて日蔭の席を占めたるが電車の回転と共にまた狼狽したるもをかし。

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特に解説を要しない話ですが、読んでいて思わず笑ってしまうもの。
これは明らかに山手線の情景。山手線は開通100年を迎えましたが、開通したばかりの頃にはこんなエピソードもあったでしょう。私など未だに同じような経験をします。

京浜東北線は午前と午後とで日射の角度が変わります。昼前後に席を探すときは要注意。

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