強者弱者(125)

麦苅る頃

 淡竹、眞竹などの筍市に上る。
 麦秋、麦の黄ばみたる野の末に、青葉の森の茫蒼として暮れ行くを見たるはうれし。半ば刈り収められたる畑の面に藁たく烟のたゆたひて、夜の靄と連りたる更によし。そら豆、じゃが芋の花など鄙びたれども風情あり。
 此頃楓の病葉美し。燕子花の花盛りなり。

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時期は少し遅いような気がしますが、筍の話題です。淡竹(はちく)も眞竹(まだけ)も、筍(竹の子)は食料になります。

言うまでもないことですが、麦秋(ばくしゅう)は麦を取り入れる季節で、丁度今頃、初夏に当たります。もちろん季語は夏。

「烟」は「けぶり」。現在では「けむり」と発音しますが、古代には「けぶり」と言っていました。私はこの方が烟の感じが良く出ていて好きですね。

「病葉」は「わくらは」と読みます。意味は二通りあって、一つは若葉、もう一つは病気になった葉のこと。
ここでは当然ながら若葉の意味で使っています。

「燕子花」は「かきつばた」。

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