ロイヤル・アスコット2011・2日目

今日はロイヤル・アスコット2日目のレポートです。馬よりも美人たちのファッションの方が気になったりして・・・。↓

http://gallery.sportinglife.com/Gallery_Detail/0,17732,13262_6990639,00.html

2日目の第1レースはジャージー・ステークス Jersey S (GⅢ、3歳、7ハロン)。馬場は昨日と同じ good です。
1頭取り消しがあり9頭立て。リステッド戦で2着、1着と成績を上げてきたコードマスター Codemaster が7対4の1番人気。

レースは初めてブリンカーを着用したアトレー Utley が他馬を大きく引き離して逃げましたが、好位追走のストロング・スート String Suit が抜け出し、追い込む本命コードマスターを半馬身抑えて優勝。1年ぶりの勝利を記録しました。
首差3着にはこれまで無敗のウエスタン・アリストクラート Western Aristocrat 。

優勝したストロング・スートはリチャード・ハノン厩舎、リチャード・ヒューズ騎手のコンビ、初日に続いて第1レース優勝です。
去年の日記を読めば判るように、ストロング・スートは1年前にここロイヤル・アスコットでコヴェントリー・ステークスを制していた馬。GⅡ勝ちのペナルティーとして5ポンドの負担があったためか、今回は11対1と人気を落としていました。

実は同馬、シーズン初戦のグリーナム・ステークスで凡走(6頭立て6着)、ヒューズ騎手の進言もあって精密検査したところ呼吸器に疾患があることが判明、手術後最初のレースという不安もありました。
久々の実戦ということでやや寄れる場面もありましたが、そこはヒューズ騎手の手綱捌きで修正、本来の実力が復活しました。この後はジャック・ル・マロワに向かい、マイルのGⅠ路線を歩む予定。

第2レースはウインザー・フォレスト・ステークス Windsor Forest S (GⅡ、4歳上牝、1マイル)。直線の1マイルで行われます。
13頭立てでしたが、スタートでハプニング。去年の1000ギニーで先頭、進路妨害で降着されたジャクリーン・クエスト Jacqueline Quest がレースを拒否してゲートから出ません。波乱のスタート。

レースは10対3の1番人気に支持されたゴドルフィンのサージャー Sajihaa が逃げ切りを図りましたが後続に捉まり、結局11対1のロリー・フォー・ドリー Lolly For Dolly がスタンド側のラチ沿いに抜け出して快勝。
1馬身半差2着にチャチャマイディー Chachamaidee が飛び込み、更に1馬身差でファースト・シティー First City が3着。1番人気のサージャーは4着に沈みました。

サプライズを演出したロリー・フォー・ドリーはトミー・スタック厩舎、ウェイダン・ローダン騎乗で、ローダン騎手は嬉しいロイヤル・アスコット初優勝です。
彼女は去年のアスコットではサンドリンガム・ハンデに挑戦して4着でしたが、今シーズンは好調で、既にアイルランドでGⅢ戦に2勝しています(当ブログの日記参照)。これでGⅡも制覇、この後は休養を取り、レパーズタウンのGⅠ戦(メイトロン・ステークス)を目指す予定。

第3レースはこの日唯一のGⅠ戦、プリンス・オブ・ウェールズ・ステークス Prince of Wales’s S (GⅠ、4歳上、1マイル2ハロン)。
7頭立て。4対11の圧倒的1番人気には、今年2連勝中の豪州の怪物ソー・ユー・シンク So You Think が選ばれていました。2番人気にも今シーズン2連勝と絶好調のフランス馬プランテール Planteur 。

レースは去年のダービー1番人気、オブライエン厩舎のヤン・フェルメール Jan Vermeer がペースメーカーで引っ張るという贅沢な展開。直線入り口で早くも先頭に立ったソー・ユー・シンクでしたが、ムーア騎手の追い出しにも意外に反応が鈍く、差を広げられません。
その中から末脚を伸ばしてきたのが、前半は最後方に付けていたデットーリ騎乗、ゴドルフィンのリワイルディング Rewilding 。最後の100ヤードの叩き合いは、デットーリ曰く“アスコット史に残る死闘”。最後で首差抜けたデットーリはガッツポーズで喜びを表しました。もちろんフライング・ディスマウント。
3着は6馬身引き離されてスライ・プートラ Sri Putra が入り、2番人気のプランテールは4着。

リワイルディングは17対2でしたが、去年のダービー3着馬。今シーズンはドバイのシーマ・クラシックに勝ってここが2戦目。勝たれてみればトップ・クラスの馬であることに気が付きます。
リワイルディングとソー・ユー・シンクの戦いは、ゴドルフィンとバリードイルの対決でもあります。デットーリに力が入ったのも頷けましょう。その所為か、デットーリは24回も叩いたムチの過剰使用を咎められ、9日間の騎乗停止を食らいました。エクリプス・ステークスとニューマーケットのジュライ・ミーティング初日を棒に振ることになります。
デットーリ騎手、今年のオークスでの騎乗停止処分がロイヤル・アスコットの最終2日間に有効。勝利の陰に辛酸も舐めたGⅠ制覇でした。

ゴドルフィンがロイヤル・アスコットで勝ったのは、意外にも2007年のラモンティ Ramonti (クイーン・アン・ステークス)以来のこと。前回はビン・スロール師の管理馬でしたから、今回のアル・ザローニ師にとってはロイヤル・アスコット初勝利となります。

一方敗れたソー・ユー・シンク、ヤン・フェルメールがペースを上げるのに少し時間が掛かり、その間引っ掛かり気味になったことも敗因の一つでしょうか。
しかしオブライエン師は、自らのミスを認め、調教がやや軽かったことを敗因に挙げました。これまでの2勝が余りに楽だったことで油断もあったようです。ソー・ユー・シンクにとっては今回が最も手強いメンバー、やはり完璧に仕上げなければ勝てないのがロイヤル・アスコットです。

両馬の再対決、次はキングジョージか凱旋門か。リワイルディングのキングジョージのオッズは9対2、凱旋門賞は両馬とも8対1のオッズが出されています。

第4レースはロイヤル・ハント・カップ Royal Hunt Cup (ハンデ、3歳上、1マイル)。直線のマイル戦。28頭立て。
1番人気はダンス・アンド・ダンス Dance And Dance (ムーア騎乗)でしたが、これを半馬身差破って優勝したのがジュリエナス Julienas 。ウォルター・スインバーン厩舎、エディー・エイハーン騎乗。
エイハーンは最後の叩き合いで2着馬に不利を与え2日間の騎乗停止となりましたが、着順の変更はありませんでした。

第5レースはクイーン・マリー・ステークス Queen Mary S (GⅡ、2歳牝、5ハロン)。
14頭立て。6対5の1番人気に支持されたシュムース Shumoos は、ヘイドック競馬場の新馬戦に勝って以来評判なっていた牝馬で、この時2着だったフレデリック・エンゲルス Frederick Engels が昨日のウインザー・キャッスル・ステークスに勝ったことも評価を高める要因になっていました。

しかし優勝は12対1の伏兵ベスト・タームズ Best Terms 、短頭差で本命シュムースは惜敗、更に頭差3着が100対1のカレドニア・レディー Caledonia Lady という接戦でした。

ベスト・タームズは2歳戦に定評あるリチャード・ハノン、リチャード・ヒューズのコンビ。ジャージー・ステークスに続きダブル達成です。ウインザー、ニューバリーと2連勝してきた逸材で、これで3戦負けなし。ヒューズ騎手によれば、気合い乗りが今一つだったのでキャンターで2度ムチを使って馬を本気にさせたのだとか。この辺りが名手と言われる所以でしょうか。

最終第6レースはサンドリンガム・ハンデキャップ Sandringham H (リステッド、3歳牝、1マイル)。これも直線の1マイルです。14頭立て。
優勝は8対1のリズム・オブ・ライト Rhythm of Light 。トム・ダスコウム調教師、リチャード・キングスコート騎手共々、ロイヤル・アスコット初勝利。

以上2日目は1番人気が全て勝てず。多くが2着惜敗でしたが、優勝馬の多くは人気薄で、ブックメーカーは少し安堵した結末でした。

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