チーム・ウェルドのインターナショナル3連覇
今週の日曜日、いよいよアイルランド・ダービーが行われます。クラシックに至る3日間、カラー競馬場はダービー・フェスティヴァルで盛り上がり、全部で7鞍のパターン・レースが組まれました。
その初日に当たる金曜日、去年まではパターン・レースはありませんでしたが、今年は新設や組み換えに伴い、インターナショナル・ステークス International S (GⅢ、3歳上、1マイル2ハロン)が初日に移行しました。
雨が降り続いて馬場は good to yielding 。その後も雨は止まない予想で、ダービーは相当に重い馬場が予測されています。
登録は僅かに5頭でしたが、重い馬場を理由に有力馬の1頭エルーシヴ・ピンパーネル Elusive Pimpernel が取り消し、4頭立ての寂しいレースになってしまいました。
4対5の1番人気に支持されたのは、一昨年のこのレースの覇者で、今シーズンは3戦2勝と好調のフェイマス・ネーム Fampus Name 。続いては前走ロイヤル・アスコットでソー・ユー・シンク So You Think のペースメーカーを務めたヤン・フェルメール Jan Vermeer が5対4の2番人気。
レースは、ヤン・フェルメールのペースメーカーとしてラスト・クルセード Last Crusade が引っ張る展開。ゴール前2ハロン、オブライエン父子のヤン・フェルメールが勝負に出ますが、3番手に付けた本命フェイマス・ネームのパット・スマーレン騎手がゴー・サインを出した所でレースは決着。
結局フェイマス・ネームがヤン・フェルメールに6馬身の決定的な差を付けて2年振り2度目の優勝を果たしました。3着は更に9馬身の大差が付いてミッド・モン・レディー Mid Mon Lady 。馬券ファンには何とも妙味の無い順当な結果に収まっています。
勝馬を調教するデルモット・ウェルド師と鞍上パット・スマーレンのコンビは、一昨年のフェイマス・ネームだけでなく去年もプレシャス・ジェム Precious Gem で制しており、インターナーショナルは3連覇。同じコンビは2005年にもムーンライト・ダンス Moonlight Dance で勝っており、同レース4勝目となります。
フェイマス・ネームはカーリッド・アブダッラーの所有馬。これまでGⅠ戦には5回挑戦して一度も勝っていません。2008年の仏ダービー2着、2009年のトトソルズ・ゴールド・カップ2着、同年のムーラン・ド・ロンシャンも2着、去年は愛チャンピオン6着、そして今年はトトソルズ・ゴールド・カップ3着がその全て。
2着を3度も経験しているだけに、GⅠ制覇が悲願。どのレースを狙ってくるか、陣営の動向に注目が集まっています。
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