日曜日はシャンティー

いよいよダービーの枠順が発表されました。と言っても私の日記の場合、府中のことじやありません。海の向こう、今や「遠し」という感覚では全然ないフランスの話です。
今年はカレンダーの都合で、フランス・ダービーがイギリスよりも先に行われます。フランス・ダービー、正しいレース名は Prix du Jockey Club です。現地ではプリ・デュ・ジョッケ・クラブ と発音しているようです。ジョッキー・クラブ賞。

そもそもジョッキー・クラブとはなんじゃ、というと、これは英国の競馬を統括してきた団体です。今は制度が変わってしまいましたが、私が競馬に興味を持った頃はそうでした。それがなんでフランス最大のクラシック・レースの名前になったのかは良く知りません。
昔、日本の競馬新聞に勤めているベテラン記者と話していたとき、彼が、ジョッキー・クラブとは危険な職業である騎手たちが相互扶助のために設立した団体で、必要に応じて騎手を手配している団体だと勘違いしていたことに唖然としたことがあります。当時の日本の競馬サークルなんてそんなレベルだったんですよ。今でもそうだ、なんてことは決して言いませんけど。

ダービーの距離は、ヨーロッパでは伝統的に1マイル半です。フランスはメートル法の本家本元ですから、2400メートル。1マイル半より16メートルだったか短い。
ところが最近、距離短縮の傾向に負けたのか、2100メートルに変更されてしまいましたね。で、3000メートルだったパリ大賞典が2400メートルに短縮されています。ま、そのことはここでは詳しく触れません。
早速枠順

01 へロー・モーニング Hello Morning
02 チンチョン Chinchon
03 デモクレイト Democrate
04 ヴィジョン・デタ Vision D’etat
05 ハイ・ロック High Rock
06 ザック・ドリーム Zack Dream
07 プロスペクト・ウェルズ Prospect Wells
08 ザウェイユーアー Thewayyouare
09 アシル・アイランド Achill Island
10 メイウェザー Mayweather
11 ナタゴラ Natagora
12 モンマルトル Montmartre
13 トリンコット Trincot
14 マガダン Magadan
15 スターリッシュ Starlish
16 トロワ・ロワ Trois Roi
17 フェイマス・ネイム Famous Name
18 サルサラヴィー Salsalavie
19 フル・オブ・ゴールド Full of Gold
20 ブルー・ブレジル Blue Bresil

ということです。ザット見て20頭の多頭数。というか、フル・ゲートですね。最近はコースの安全から最大20頭に出走頭数が制限されています。これによって出走除外された馬もいるのでしょう。

次に、話題のナタゴラが出てきたこと。牝馬ながら牡馬に挑戦します。1000ギニーでナタゴラに騎乗したクリストフ・ルメール騎手、馬主との契約関係から、今回は主力の1頭であるハイ・ロックに騎乗しなければなりません。ベイリー師は直前まで騎手の選定を伸ばしてきましたが、何と何と幸運なことにランフランコ・デットーリの騎乗が決定しました。
デットーリは当初、主戦であるイブン・カルダンに騎乗することになっていましたが、昨日の朝同馬が脚を痛め、急遽取り消しとなってしまいました。これによってデットーリが空き、ナタゴラに。デットーリは去年のローマン Lawman 、1992年のポリテン Polytain 、2005年のシャマーダル Shamaadal に続き4度目のフランス・ダービー制覇を目指します。

牝馬の仏ダービー制覇というと、1900年のラ・モリニエール La Moriniere 以来出ていないのですが、陣営はほとんど気にしていません。そもそも挑戦自体が少ないのですから、結果が伴わないのは当然、という次第。一番最近の牝馬挑戦は1994年のムーンライト・ダンス Moonlight Dance でしょ。50年前には名牝ベラ・パオラ Bella Paola が2着に健闘していますし、実力があれば制覇も夢ではありません。

実際、ルメール騎手は、ハイ・ロックの最大のライヴァルはナタゴラ、と断言してます。11番枠を引いたナタゴラ、絶好のレース運びが出来そうですし、出走メンバーの中で最も実績が優れているのはナタゴラですしね。

他では仏2000ギニー6着と好走し、距離が伸びて有利になるザウェイユーアー。アンドレ・ファーブルの期待です。ファーブル厩舎では、トライアルを勝ったプロスペクト・ウェルズも侮れないでしょう。

愛2000ギニーを良馬場を理由に取り消したフェイマス・ネイム、シャンティーはそれほど固くならない状況ですから、これも可能性充分。

オブライエン厩舎はたった1頭、アシル・アイランドで挑戦します。もちろん鞍上はジョニー・ムルタ。
多頭数と馬場状態がカギでしょうか、現地時間で日曜日の午後4時35分スタートです。結果はまたいずれ判明しましたら・・・。

 

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