東京音楽大学創立100周年

東京音楽大学創立100周年を記念して、9月20日と21日に上野の東京文化会館でオペラ公演が行われました。私が出掛けたのは21日、金曜日の公演です。
開幕が6時ということで、定時まで会社に残っていては間に合いません。かと言って半日休んでは時間を持て余します。いい加減なことを言って早退しても構わないのですが、若い社員の気持ちに配慮して、ルール通り半日休暇としました。

で、時間潰し、いや暇潰しかな。アカデミアから楽譜入荷の案内が来ていたので、まずは本郷へ。今回はレーガーのセレナード1冊だけです。あれこれ他を物色しましたが、限が無いのでこれだけ。整理整頓中でもありますから1時間ほどで移動。

どうせ上野に行くので、文化会館4階の音楽資料室に踏み込みました。ここは入口までは行ったことがあるのですが、中を観察するのは初めて。受付で2年間有効の入室証を発行してもらいました。こんなこともあろうかと身分証明としてパスポートを忍ばせていたのです。こちとら運転免許証はトウの昔にお上に返上してしまいましたから、他に日本国民であることを証明できる手段が無いのですな。

音楽資料室の目当ては、ここ文化会館で行われたコンサートのプログラムを閲覧すること。最初なので勝手も蔵書内容も判らず、取り敢えず入館できる態勢を整えたわけ。
案内嬢は実に親切でした。古いプログラムは特定の公演を指定して初めて閲覧できる由。“1968年頃を見たいのですが”と相談すると、その年度を挟んだ5~6年間の演奏会一覧表を出してきてくれました。これ、眺めているだけで楽しいですね。「ウィルヘルム・ケンプ・リサイタル」、「マリオ・デル・モナコ特別公演」、「シュワルツコップ独唱会」等々。どれもプログラムを閲覧できます。

さしあたって日本フィルと読売日響の古い定期を閲覧しようと思うのですが、見る間に時間が経ち、今日はここまで。本格的な閲覧は機会を改めることにしました。

表題のオペラの開場時間になったので1階に降りると凄い人の列。当日券なし。まるでデル・モナコのリサイタルじゃないかとタイム・スリップしてしまいました。
時間潰しにスペース割き過ぎ。

今年創立100周年を迎える東京音楽大学のオペラ公演は「フィガロの結婚」。同校の出身で現在の指揮科教授である広上淳一氏の推薦、そして指揮によるものです。
付属幼稚園から大学院までの参加、初日は教員、二日目は卒業生を中心にしたキャストでした。オーケストラのメンバーは若干を除き、両日で入れ替わるという、広上教授としても大変な奉仕です。準備も大変だったでしょう、副指揮者が7人、東京音大の精鋭たちですが、十束尚宏氏の名前もあって感慨。

こういう公演ですから、通常のオペラ公演のような感想は書きません。書きませんが、素晴らしいオペラ公演だったことは大書したいですね。
“大学全体で作り上げるという我々の意気込みをお客様にも味わっていただきたい”という広上教授の願いは見事に伝わってきました。
オペラの頂点といわれるフィガロ。その作品の素晴らしさにこそ重点を置いた演奏を達成してくれた東京音大の皆様に感謝申し上げます。第3幕で泣いてしまったのはもちろんです。

関係諸氏の名前を記す余裕はありません。海野総監督によれば、“来年からは日本各地、再来年にはヨーロッパの主要都市へと演奏の場を広げてゆく”とのことです。
日本各地の皆様、そのときを楽しみに。

 

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