脇役が大活躍の土曜日

昨日のアメリカもサラトガとデル・マーから。これまでスポットライトを浴び損ねていた馬たちの活躍をどうぞ。

サラトガ競馬場のダイアナ・ステークス Diana S (芝GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。1939年創設。レース名は馬の名前ではなく、神話の「女神」のこと。もちろん牝馬の女王決定戦という意味合いを籠めた命名だったのでしょう。このレースに勝った馬には自動的にブリーダーズ・カップ・フィリーズ・アンド・メア・ターフの出走権が与えられます。
今年の勝馬はザゴラ Zagora 。9頭立て。前半は5番手の内、4コーナー手前で外に出してスパートし、直線は外から良く伸びてアルーナ Aruna に1馬身半差を付けて快勝。フランスでGⅢに2勝していましたが、5戦目にしてアメリカ初勝利を記録しています。(フランスでの勝鞍の一つが、ドーヴィル初日のプシケ賞。時期もダイアナと全く同じでした)
名伯楽ボビー・フランケルの弟子にあたる調教師チャド・ブラウンは、GⅠ戦初勝利。騎手ハヴィエル・カステラノはザゴラに初騎乗。

もう一鞍のジム・ダンディー・ステークス Jim Dandy S (GⅡ、3歳、9ハロン)。1964年創設、1930年にサラトガ競馬場で「真夏のダービー」と呼ばれるトラヴァース・ステークスを勝ったジム・ダンディーに因んだレース名。
今年の勝馬はステイ・サースティー Stay Thirsty 。前半4番手、4コーナー手前で仕掛け直線先頭、追い込むカナダからの遠征馬ムーンシャイン・マーリン Moonshine Mullin に4馬身差を付けて優勝。同厩のアンクル・モーの副将格と見られてきましたが、ここで見事主役に躍り出ました。父ベルナルディーニ Bernardini と共にジム・ダンディー親子制覇。G戦勝利は3月初旬のガッサム以来のこと、ダービーは12着、ベルモントは2着でした。
トッド・プレッチャー調教師は、この日4勝の固め打ち。騎手ハヴィエル・カステラノは、ダイアナに続きグレード・レースのダブル達成。またオーナーにとっても土曜日のオーヴァードリヴンに続くサラトガでのG戦勝利で言う事なし。

デル・マー競馬場はサン・ディエゴ・ハンデキャップ San Diego H (GⅡ、3歳上、8.5ハロン)。1937年創設。同じコースで行われるパシフィック・クラシックのトライアルに位置付けられる一戦。レース名のサン・ディエゴは、もちろんカリフォルニア州の大都市から採ったもの。
今年の勝馬はトレ・ボラチョス Tres Borrachos 。8頭立て。前半は後ろから3つ目の内々に付け、直線入り口でも未だ4番手。直線中程でエンジンが掛かり、逃げ粘るケヴラー・キッド Kevlar Kid を1馬身4分の1捉えて優勝。何と2008年のスワップス・ステークス勝馬ですが、それからは成績もパッとせず、今シーズンもアローワンス戦で1戦のみ、それも3着に終わっていましたから、アッと驚きの復活劇と言えるでしょう。ところでトレ・ボラチョスとは、スペイン語で「3人の酔っ払い」の意味だそうな。
調教師マーチン・ジョーンズは、今シーズンから同馬を管理することになったばかり。騎手ラファエル・ベジャラノも同馬には初騎乗。

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