雨のサラトガ

昨日のアメリカはサラトガとデル・マー、G戦は計3鞍でした。

サラトガ競馬場は、先にGⅠレースのダイアナ・ステークス Diana S (芝GⅠ、3歳上牝、9ハロン)が行われています。雨が降って芝コースは good 、6頭が出走してきました。前年の勝馬ザゴラ Zagora 、前走ジャスト・ア・ゲーム・ステークス(芝GⅠ)を逃げ切ったタピッツフライ Tapitsfly を抑えて1番人気(8対5)に支持されたのは、ジャスト・ア・ゲームでタピッツフライを捉え切れなかったウインター・メモリーズ Winter Memories 。距離が1ハロン伸びるここでの逆転劇に期待がかかります。
レースは予想通りタピッツフライが逃げてスローに落としますが、今回は英国のリステッド戦勝馬ロー・オブ・ザ・レンジ Law of the Range が競り掛けたこともあって早目に失速、前回よりは積極的に4番手に付けていた本命ウインター・メモリーズが3コーナーから大外を衝いて追い上げ、2着ドリーム・ピース Dream Peace に1馬身半差を付けて期待に応えました。3馬身4分の1差でザゴラが3着、逃げたタピッツフライは4着。
ジェームス・トーナー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のウインター・メモリーズは、これでサラトガの芝コースは4戦3勝。やはりコーストの相性と、1ハロン伸びた距離がモノを言ったのでしょう。
一方2着に入ったフランス馬ドリーム・ピース、これがアメリカ・デビューで、4月にアレ・フランス賞4着、前走はシンガポール国際で8着だった馬。これを最後にロベール・コレ厩舎を離れ、今回3着のザゴラと同じチャド・ブラウン厩舎に移籍することが決まっています。

続いては、GⅡながらこの日のメインとなったジム・ダンディ・ステークス Jim Dandy S (GⅡ、3歳、9ハロン)。真夏のダービーと呼ばれるトラヴァース・ステークスのトライアルとなる一戦ですね。雨のためダート・コースは sloppy 、8頭が出走してきましたが、どれが勝ってもおかしくないレヴェルの高いメンバーが揃いました。
ドワイヤー・ステークスの1・2着馬ティース・オブ・ザ・ドッグ Teeth of the Dog とファスト・ファルコン Fast Falcon 、マット・ウイン・ステークスに勝ったネックン・ネック Neck’n Neck 、オハイオ・ダービーとタンパ・ベイ・ダービーのプロスペクティヴ Prospective 、ベルモント・ステークス3着馬アティガン Atigun 、アファームド・ハンデ2着、スワップス・ステークス3着のリエゾン Liaison 、一般ステークスに勝っているマイ・アドニス My Adonis 。その中で1番人気(9対5)に支持されたのは、ケンタッキー・ダービー以来となるアルファ Alpha でした。
レースは1番枠スタートのアルファが逃げ、馬場の所為もありましょうが、そのまま他馬を寄せ付けず逃げ切り勝ち。2馬身差で2着には3番手を進んだネックン・ネック。更に2馬身差にスタートで出遅れたリエゾンが追い込みました。リエゾンにとっては出遅れが響いたかも。
キアラン・マクローリン厩舎、ラモン・ドミンゲス騎乗のアルファは、1月にカウント・フリート・ステークス、2月にはウィザーズ・ステークス(GⅢ)にも勝ち、4月のウッド・メモリアル(GⅠ)で2着。ケンタッキー・ダービーは12着敗退、ベルモントは熱発で取り消しましたが、ここはダービー以来の実戦で復調を果たしました。実は同馬の父ベルナルディーニ Bernardini もジム・ダンティーに勝ってトラヴァースを制した馬。アルファも父に続いてサラトガのダブルを達成できるかどうか。

デル・マー競馬場からはサン・ディエゴ・ハンデキャップ San Diego H (GⅡ、3歳上、8.5ハロン、BC)。こちらはポリトラック・コースで、馬場は fast 、7頭が出走してきました。ここも混戦が予想され、僅かの差で1番人気(3対1)に推されたのは2009年のノーフォーク・ステークス(GⅠ)4着以来のステークス出走となるジョン・スコット John Scott 。前走6月28日のアローワンス戦(ハリウッド・パーク、同じ8.5ハロン)に勝った調子の良さが期待されていました。
そのジョン・スコットが逃げ、直線でも渋太く粘りましたが、その2番手をピッタリと外からマークしていた5番人気(9対2)の古豪レイル・トリップ Rail Trip が直線で交わし、ジョン・スコットに半馬身差を付けて優勝。更に半馬身差で2番人気(やはり3対1)のケトル・コーン Kettle Corn が3着。去年のこのレースの勝馬トレス・ボラショス Tres Borrachos はどん尻負け。
ロナルド・エリス厩舎、ホセ・ヴァルディヴィア騎乗のレイル・トリップは、既にGⅠに勝っている7歳せん馬。4歳の2009年にハリウッド・ゴールド・カップ(GⅠ)を制し、翌2010年にもメルヴィン・ルロイ(GⅡ)、カリフォルニアン(GⅡ)に優勝。そのあと東海岸のダトロウ厩舎に移籍しましたが故障を発症して休養。今年再びカリフォルニアのエリス厩舎に戻って再起を図っていました。
今期はこれが3戦目、前走は本命ジョン・スコットが勝ったアローワンス戦で2着しており、この優勝で8連敗に終止符を打ったことになります。2年振りの勝利。一度故障を経験しているだけに、この日のようなポリトラック・コースを選んで使われてきました。このあとは、8月26日のパシフィック・クラシックで昨日のクーガーⅡ世ステークス組みと対決することが予定されています。

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