ウインター・メモリーズの豪脚

今週のアメリカ競馬は土日でG戦が3鞍と、落ち着いた週末になっています。北米でもカナダではブリーダーズ・カップの指定レースがいくつか行われて注目が集まっていますが、とてもカナダにまでは手が回りません。大人しくシカゴとニューヨークからのレポートに留めることにしましょう。

ということで、先ずアーリントン・パーク競馬場のパッカー・アップ・ステークス Pucker Up S (芝GⅢ、3歳牝、9ハロン)。1961年創設。シカゴで走った名牝パッカー・アップに因んで命名された一戦。パッカー・アップはシカゴで行われるアーリントン・メイトロン・ハンデとワシントン・パーク・ハンデに連勝し、ニューヨークに遠征してベルデイム・ハンデを制覇。その年(1957年)の全米古馬牝馬チャンピオンに選出されました。
今年の勝馬はマーケティング・ミックス Marketing Mix 。14頭立て。前半は終始内々の2~3番手、直線入口では逃げ馬を早目に捉え、直線では尾を何度も振りながら他馬を寄せ付けず、追い込むシー・レヴェル・ドライヴ Sea Level Drive に3馬身4分の1差を付ける圧勝。G戦初勝利で1番人気に応えました。カナダ産馬ということもあって、アメリカでデビューした後カナダの牝馬三冠に挑戦、三冠目のワンダー・ホエア Wonder Where を制して(他は3着、4着)いました。ここでその実力を改めて証明して見せた形です。
調教師はトーマス・プロクター、騎手はジュニアー・アルヴァラード。

土曜のもう一鞍は、ベルモント・パーク競馬場のガーデン・シティー・ハンデキャップ Garden City H (芝GⅠ、3歳牝、9ハロン)。1979年にレア・パフューム・ブリーダーズ・カップ Rare Perfume Breeder’s Cup として創設されたレースで、ここからブリーダーズ・カップ・ディスタッフやブリーダーズ・カップ・フィリー・アンド・メア・ターフに向かう牝馬も多くいます。
今年の勝馬はウインター・メモリーズ Winter Memories 。8頭立て。前半は4番手に付けていましたが、向正面で後ろから二つ目に後退。直線入口では最後方、前の馬が壁になって出られない場面もありましたが、大外に持ち出すと物凄い末脚を発揮。騎手はほとんど手綱を抑えたままでサイケンズ・セオリー Theykens’ Theory を首差捉えての優勝。鬼脚が目立ちました。今シーズン4つ目のG勝利ですが、GⅠは初勝利となります。
調教師はジェームス・トーナー、騎手ハヴィエル・カステラノは、ホセ・レズカノから乗り替わってのテン乗り、全米でも最強牝馬の1頭と太鼓判を押しました。

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