凱旋門賞まであと3週

昨日の日曜日は見逃せないレースの連発でした。詳しく触れていては書き切れなくなるので、要旨だけまとめましょう。
ロンシャン競馬場では凱旋門へ向けての重要なトライアルが三つ行われました。全て本番と同じ2400メートル。

4歳上古馬によるGⅡ戦・フォア賞は順当にマンデュロが圧勝しました。この馬はこれまで2000メートル路線で無敵でしたが、2400は初めて。しかし全く問題にならなかったですね。現時点では世界最強馬と評価されています。
2着はこれも順当にマンデシャ。2馬身半差は決定的でしょうか。
ところがレース後、大変な事態が発生します。マンデュロがレース後に右後足を跛行しているというのです。獣医がX線検査をしているようですが、凱旋門賞は無理でしょう。
陣営にとっては大きな痛手です。

次の3歳馬のみによるGⅡ戦・ニエル賞は、アイルランド・ダービー優勝以来久々となるソルジャー・オブ・フォーチュンがサガラの追い込みを1馬身半抑えて勝ちました。
対決が期待されたパリ大賞典以来のザンベジ・サンは3着敗退です。
愛ダービーは極端な重馬場だったのに対し、昨日のロンシャンは良馬場。どちらの馬場もこなせることが証明できたのは大きいですね。騎手はムルタくんです。
オブライエン調教師は後述のナショナル・ステークスのためアイルランドに留まっていましたが、これで凱旋門賞への強力な二枚看板(片やディラン・トーマス)が揃ったことになります。
特にニエル賞の勝ち馬は、ここ3年凱旋門を連覇していますから、縁起の良いトライアルではあります。

残る一つ、3歳上牝馬だけで争われるGⅠ戦のヴェルメイユ賞。オークスで人気になりながら8着惨敗、その後喉に病気が見つかって治療に専念してきたパッセージ・オブ・タイムの久々登場に注目が集まっていました。
結果は3着、調教するセシルさんは満足したようで、凱旋門はもちろん、この秋から来年の計画まで青写真を描き始めた様子です。
で、勝ったのはミセス・リンゼイ Mrs Lindsay 、これもムルタくんの騎乗で、ニエルとのダブルをやってのけました。凱旋門の伏兵出現でしょうか。
2着にはフランス・オークスのウエスト・ウインドが入りましたが、この馬の末脚も冴えていましたね。

ということでマンデュロ脱落、本番前3週の時点ではオーソライズドが1番人気に上がり、ソルジャー・オブ・フォーチュンが2番人気に支持されてきました。ことはスンナリ行くかどうか。

さてこの日はアイルランドのカラ競馬場でも大きなレースがありました。来年のクラシックを占うナショナル・ステークス。7ハロンのGⅠ戦です。
出走馬が揃いました。これまでこの日記・競馬ネタで紹介してきたグレート・バリア・リーフ、リザード・アイランド、マイボーイチャーリー、リオ・デ・ラプラタ、ニュー・アプローチ。
勝ったのはボルガー調教師が“第2のセクレタリアト”と豪語するニュー・アプローチ。2着は1馬身4分の3でリオ・デ・ラプラタ、3着も同じ着差でマイボーイチャーリー。これは本物の結果と捉えてよいでしょう。
オブライエン軍団は4頭が臨みましたが、リザード・アイランドが4着、グレート・バリア・リーフが5着と振るいませんでした。どうも今年のオブライエン2歳勢はパッとしませんね。

これで2歳馬の勢力地図がハッキリしてきました。ニュー・アプローチはデューハースト出ません。昨日のナショナルには現時点での第一線級は全部出てきましたから、屋上屋を重ねることはないでしょう。
ボルガーさん、去年のテオフィロは故障に泣きましたが、不運が無ければ来年のクラシックはニュー・アプローチを中心にして回っていくでしょう。この馬の名前、覚えておいてくださいね。
一つ不思議なこと。父の名馬ガリレオには文句ないんですが、ガリレオも母も鹿毛、なのにニャー・アプローチは栗毛なんです。ボルガーさんがセクレタリアトを引き合いに出しているのも毛色故なんでしょうが、チョッと解せないんですよ。この栗毛、どこから来たのかなぁ。

 

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