週末のGⅠ

前の日記で紹介したように、土曜日に行われる筈だったレパーズタウンの開催が日曜日にずれ込んで行われました。天候は劇的に好転したようですが、馬場が重いことには変わりなく、結局オブライエン師はデューク・オブ・マーマレイドを取り消してしまいました。その結果、
アイリッシュ・チャンピオン・ステークス(GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン)は8頭立て。デュークの取り消しで興味は半減してしまいましたが、8対13という圧倒的1番人気に支持されたニュー・アプローチ New Approach が期待に応えています。
レースはレッド・ロック・キャニオン Red Rock Canyon が速いペースで先行、ニュー・アプローチは2番手で進みます。最終コーナーで本命馬が先頭に立ちますが、どうも動きが今一つ。何とか追い込むトラフィック・ガード Traffic Guard を抑えましたが、半馬身差。トラフィック・ガードはさしたる実績も無い馬で、50対1という大穴。3着は1馬身4分の1でモア・ウェルズ More Wells 。セシル厩舎のマルチディメンジョナル Multidimensional は4着惨敗です。
ニュー・アプローチ、勝ってチャンピオンの面目は施しましたが、このレースの評価は割れていますね。ボルガー師によれば、この後凱旋門賞、チャンピオン・ステークス、ブリーダーズ・カップが視野に入り、このうち2レースに使うと言うことですが、本来の走りが復活するのか、それともこれが実力なのか。
レパーズタウンのもう一つのGⅠはメイトロン・ステークス(3歳上牝、1マイル)、2頭取り消して10頭立て。ここもボルガーさんが調教するラッシュ・ラッシズ Lush Lashes が9対4の本命。順当に強さをアピールしました。
2着とは首、3着は更に半馬身という接戦でしたが、2着はナフード Nahoodh 、3着がハーフウェイ・トゥー・へヴン Halfway To Heaven ですから評価を下げる内容じゃありません。ラッシュ・ラッシズはハイレヴェルの競馬で3勝目、宿敵ハーフウェイ・トゥー・へヴンにも雪辱を果たしたのですから、3歳牝馬のチャンピオンに近づきつつあることは間違いないでしょう。
この後はサン・チャリオット・ステークス、オペラ賞、香港カップ、ブリーダーズ・カップなどが予定に上がっていますが、来年も競走馬として留まる計画の由。古馬になってからの活躍こそ楽しみです。
さてフランスのロンシャン競馬場。いよいよ凱旋門ウィークを頂点とする秋競馬がスタートしたのですが、その第一弾はムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ、3歳上、1マイル)です。
ヘッド厩舎のタマヤズが参戦しなかったのを除けば、ヨーロッパのマイラー有力所が全て顔を揃え、質の高いレースが期待されました。11頭立て。
残念ながら降り続いた雨の影響で馬場が重く、本来の実力を出し切れなかった馬もありました。
その1頭がオブライエン厩舎のヘンリーザナヴィゲイター。良馬場で力を発揮できるタイプですから、オブライエンさんは最後まで出走させるべきか悩んだようです。枠順も大外の11番という不利。最初から運に見放されていた感があります。
前半は最後方を進み、勝負所で仕掛けましたが結局トップ・ギアに入ることはなく、5着に沈んでしまいました。ヘンリーの連勝は4で止まり、今シーズン初黒星。
で、勝ったのは、ヘッド厩舎のゴールディコヴァ Goldikova 。ドーヴィルでロッシルド賞を制していますからGⅠは2勝目。仏1000ギニー2着、仏オークス3着とザルカヴァには歯が立たなかったものの、初対戦の男馬を破っての快勝です。
2着は半馬身差で去年のムーラン覇者ダージナ Darjina 、3着はパコ・ボーイ Paco Boy という結果。
ヘッド厩舎は、タマヤズとマルシャン・ドールに加えゴールディコヴァの活躍で今シーズンのGⅠ勝ちが6勝目になりました。
オブライエン師はアイルランドとフランスでGⅠ総なめを狙っていましたが、この週は不発。GⅠ・19勝目はお預けでした。
なお、ムーランにはナタゴラ Natagora も出走していましたが、中断のまま伸びず6着惨敗。1000ギニー以後はパッとしません。ゴールディコヴァとの対戦も前回のジャック・ル・マロワ以上に差を付けられましたから、ナタゴラのスピード不足は決定的なようです。

 

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