今シーズン最初のGⅠ戦
土曜日、フロリダのガルフストリーム・パーク競馬場はサンシャイン・ミリオンズの競馬フェスティヴァルに沸きましたが、グレード・レースは組まれていません。代わって当カテゴリー初登場のテキサス州からサム・ヒューストン競馬場と、サンタ・アニタ競馬場からのレポートが届いています。
特にサンタ・アニタでは今年最初のGⅠ戦で、1月としては唯一のGⅠとなるサンタ・モニカ・ステークスが行われます。
先ずサンタ・アニタ競馬場からはサンタ・イザベル・ステークス Santa Ysabel S (GⅢ、3歳牝、8.5ハロン)。1968年創設の3歳牝馬クラシック戦線のスタートに位置するレース。GⅢに格付けされたのは1998年からのこと。サンタ・アニタ・オークスに向かう馬の重要なステップとなります。
今年の勝馬はウィラ・ビー・オウサム Willa B Awesome 。5頭立て。スタートで先手を奪うと、あれよあれよの一人旅で11対1の最低人気からの逆転劇を演じました。ハリウッド・スターレット(GⅠ)勝馬の2番人気(3対1)キラー・グレイシス Killer Graces が直線で漸く2番手に上がりましたが、3馬身半の差を付けられています。イーヴンの1番人気に支持されたチャーム・ザ・メイカー Charm the Maker (ハリウッド・スターレットでは半馬身差2着だった馬)も最後方から追走しましたが4着がやっと。ウィラ・ビー・オウサムは2歳の9月に一般ステークスに勝っていましたが、G戦は初勝利となります。
調教師はワルター・ソリス、騎手はマーチン・ペドローザ。
そしてサンタ・モニカ・ステークス Santa Monica S (GⅠ、4歳上牝、7ハロン)。去年は結果だけのレポートでしたから、最初に歴史的経緯。1957年に創設された時は牡馬にも開放されたレースでしたが、1960年以降は牝馬限定戦に変更されて現在に至っています。1973年にグレード制が導入された当時はサンタ・モニカ・ハンデで、GⅡの格付け。その後GⅢとGⅡの上下を繰り返してきましたが、1990年に初めてGⅠに格上げされました。
今年の勝馬はホーム・スイート・アスペン Home Sweet Aspen 。7頭立て。こちらも好スタートからの逃げ切りでしたが、一人旅と言う訳には行きませんでした。直ぐにルーマー Rumor に競り掛けられ、直線でも外からシュガーインザモーニング Sugarinthemorning に一旦は交わされながら、再び内ラチ沿い一杯を通って差し返し、首差先着しての激勝でした。5対1の4番人気、これもG戦は初制覇となります。1番人気(2対1)はルーマーと前走ラ・ブレアに勝ったテディーズ・プロミス Teddy’s Promise が分け合っていましたが、夫々6、5着に敗退しています。テディーズ・プロミスが勝ったラ・ブレアではシュガーインザモーニングが2着、ホーム・スイート・アスペンは4着でしたが、今回は着順が入れ替わりました。
調教師はジョン・サドラー、騎手はジョエル・ロザリオ。調教師と騎手は、共に去年のスイッチ Switch に続きサンタ・モニカ2連覇達成。また、1・2着共にキャンディー・ライド Candy Ride 産駒というのも話題になるでしょう。
続いてサム・ヒューストン競馬場は、テキサス州ヒューストンにある競馬場。1994年4月に開場し、テキサスでは第一級の競馬場と言えるでしょう。競馬が開催されていない時期にはロック・コンサートの会場としても使われているのだそうな。グレード・レースに格付けされているのは、ジョン・B.コナリー・ターフ・カップ John B. Connally Turf Cup (芝GⅢ、4歳上、9ハロン)の1レースのみ。このレースの詳しい歴史等については現在のところ不詳です。
今年の勝馬はパパウ・ボウディー Papaw Bodie 。7頭立て。2番枠からスタートし、前半は先行馬を見ながら徐々に外に出す展開。出入りの激しい競馬で終始4~5番手に付けていましたが、第4コーナー入口で思い切って内を衝き、先行2頭の間を割って抜け出す快勝で鮮やかに1番人気(6対5)に応えました。外から追い込んだプロシード・ビー Proceed Bee に1馬身4分の3差を付けていました。これで4連勝、G戦は初勝利となります。
調教師はマイケル・メイカー、騎手はロージー・ナプラヴニク。
ところでテキサス州と日本との時間差は15時間。サム・ヒューストンは所謂ナイター競馬で、ジョン・B.コナリー・ターフ・カップは現地時間の夜10時!スタートでしたから、報告が届くのは日本時間の午後1時。このレポートがいつもより大幅に遅れたのはそのためです。
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