ダービー候補、ボンファイア
昨日はヨーク競馬場のダンテ・ミーティング2日目、開催のタイトルともなっているダンテ・ステークスが行われましたが、その前に。
この日もヨーク競馬場は good の馬場、ミドルトン・ステークス Middleton S (GⅡ、4歳上牝、1マイル2ハロン、88ヤード)からレポートしましょう。
2頭取り消して9頭立て。去年の2着馬でゴドルフィンのサジハー Sajihaa (9対2の2番人気)、去年ミッドデイ Midday で制したセシル厩舎のタイムピース Timepiece 、在位60年のエリザベス女王が所有するセット・トゥー・ミュージック Set To Music など多彩なメンバーが揃いましたが、7対2の1番人気に支持されたのは、前走ニューマーケットでダーリア・ステークス(GⅢ)に勝ったイッツィ・トップ Izzi Top 。前走の内容の良さからG戦連勝に期待がかかります。
レースはファロン騎乗のモヘディアン・レディー Mohedian Lady が逃げ、本命イッツィ・トップが2番手、これをマークするようにサジハーが3番手で進みます。
直線では先行した人気2頭の叩き合いとなり、ウイリアム・ビュイック騎乗のイッツィ・トップがデットーリ騎乗のサジハーに1馬身半差を付けて優勝、見事期待に応えました。3着は更に1馬身差で3番人気(6対1)のアイム・ア・ドリーマー I’m A Dreamer 、1着から3着まで人気通りの決着です。セット・トゥー・ミュージックは6着、タイムピースが8着。
勝馬を管理するジョン・ゴスデン師は、ウイリアム・ビュイック騎手共々初日にミュージドラ・ステークス(ザ・フューグ The Fugue)を含めダブルを達成しており、これが開催3勝目と絶好調。
イッツィ・トップはこれで今シーズンG戦に連勝、元々3歳時はオークスで3着した実績馬。オークスに先立つニューバリーのリステッド戦ではオークスを制したダンシング・レイン Dancing Rain を破っており、GⅠに勝つ素質は備わっていると言えましょう。ゴスデン師によれば、3歳から4歳にかけて急成長している由、今期はナッソー・ステークス、オペラ賞でGⅠ制覇を目指す青写真です。
ところでイッツィ・トップの母ジー・ジー・トップ Zee Zee Top も9年前(2003年)にミドルトンを制しており、母子制覇というドラマもありました。
そして愈々ダンテ・ステークス。近年のダービー・トライアルとしては最もダービーに近い一戦として注目されます。出走馬は7頭、1番人気(11対4)には未だ1戦のみの新星アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 。今年ダンダルク競馬場のデビュー戦を10馬身差で圧勝したガリレオ Galileo 産駒で、オブライエン厩舎、ジョセフ・オブライエン騎乗、言わば先物買いの1頭でしょうか。
同じく無敗(2戦2勝)のマンディーン Mandean は2歳時アンドレ・ファーブル厩舎に所属してクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)を制した馬で、今期はゴドルフィンに移籍しての初戦。2000ギニー6着のフェンシング Fencing (7対2、3番人気)、クリテリウム・インターナショナル3着馬ボンファイア Bonfire (3対1、2番人気)など既に実績を残している馬たちにもチャンスは充分でしょう。
レースはスタート良く飛び出したアーネスト・ヘミングウェイの逃げ、ペースは速く、各馬の実力が十分に発揮できる展開となりました。
直線、先ず飛ばしていたアーネスト・ヘミングウェイが後退、最後方を進んだ3勝(4戦)馬エクティハーム Ektihaam が果敢に仕掛けて先頭に並び掛けましたが、2番手に付けていたボンファイアが絶好の手応えで抜け出し、エクティハームを4分の3馬身退けての快勝。ジミー・フォーチュンが本気で仕掛ければ、差はもっと開いていたであろう余裕の勝利です。3着は4馬身の大差が付いてゴスデン/ビュイック・コンビのフェンシング。4着ドリーム・チューン Dream Tune までは更に10馬身の大差。マンディーンは6着、アーネスト・ヘミングウェイも追うのを止めて大差のシンガリに敗退しました。
アンドリュー・ボールディング師が管理するボンファイアは、先に記したように2戦目のクリテリウム・インターナショナル(GⅠ)で3着(勝ったのは2000ギニー2着のフレンチ・フィフティーン French Fifteen)、これが今期デビュー戦でした。近年のダンテ・ステークスからはシャーラスターニ Shahrastani 、リファレンス・ポイント Reference Point 、モティヴェイター Motivator 、オーソライズド Authorized とダービー馬が多く輩出しており、当然ながらボンファイアにも多くの期待が掛かります。最も高いオッズは6対1に上がりました。
また同馬のオーナーは、名馬ハービンジャー Harbinger で知られるハイクレア・シンジケート。この共同馬主組織はオークス候補ヴォウ Vow も所有しており、今年のエプサム・クラシックは大いに盛り上がるでしょう。更に父マンデュロ Manduro は凱旋門賞に最も近い存在ながら直前に故障して引退したステイヤー、今回は敗退したマンディーン共々その初産駒という期待もあります。
一方2着のエクティハーム陣営(ロジャー・ヴァリアン厩舎)、この馬にはダービー登録が無く、1マイル半は血統的に長いという見解。追加登録の道もありますが、元々登録のある仏ダービーに向かう可能性が高いようです。
まとめtyaiました【ダービー候補、ボンファイア】
昨日はヨーク競馬場のダンテ・ミーティング2日目、開催のタイトルともなっているダンテ・ステークスが行われましたが、その前に。この日もヨーク競馬場は good の馬場、ミドルトン・…