来年の仏2Gはこの馬か?

凱旋門賞のあと最初のパターン・レースが、フランスのサン=クルー競馬場で行われました。トーマス・ブライアン賞 Prix Thomas Bryon (GⅢ、2歳、1600メートル)。馬場状態は good to soft 。
7頭が出走、牝馬の挑戦は1頭でした。地方競馬ながらリステッド戦を含めて4連勝中のフレンチ・フィフティーン French Fifteen が出走してきましたが、8対5の1番人気に支持されていたのはこれが未だ3戦目のアブタール Abtaal でした。

そのアブタールが直ぐに先頭を奪い、そのまま他馬を寄せ付けずに楽勝で期待に応えています。逃げ切りというより格が違うという内容。5連勝を目指したフレンチ・フィフティーンは3番手から追い込みましたが、勝馬とは3馬身差の2着がやっと。短首差3着にアイス・クール Ice Cool が入りました。

アブタールはジャン=クロード・ルジェ厩舎、マクシム・グィヨン騎乗。8月ドーヴィルのデビュー戦は2着でしたが、9月フォンテンブローの2戦目で初勝利(この時も2着に3馬身差)を挙げ、ここは3戦目でパターン・レース初挑戦でした。
デビュー戦で負けたソーファスト Sofast (4分の3馬身差)は先のジャン=リュック・ラガルデール賞(GⅠ)でダバーシム Dabirsim の4分の3馬身差2着でしたから、アブタールの能力も相当に高いと評価して間違いないでしょう。父はサンタ・アニタ・ハンデに勝ったロック・ハード・テン Rock Hard Ten (2代父はクリス・エス Kris S)。

トーマス・ブライアン賞はクリテリウム・サン=クルーやクリテリウム・インターナショナルのトライアルとして使われることの多いレースですが、陣営ではこれらを次走に選ぶか否かは未定のようです。むしろ狙いは来年のギニーでしょう。
1979年にトーマス・ブライアンを制したヌレエフ Nureyev は英2000ギニーに出走、1着で入線したものの進路妨害で降着になった馬。更に近年では1995年の勝馬アシュカラニ Ashkalani 、2008年のシルヴァー・フロスト Silver Frost が仏2000ギニーを制覇しています。
アブタールの勝ちっぷりの良さは、明らかにクラシックを目指す力を秘めたもの。仏2000ギニーの有力候補誕生と見て良いでしょう。

この日、グィヨン騎手はハットトリックを、ルジェ厩舎もダブルを達成しています。

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