サルビアホール クァルテット・シリーズ第11回
昨日は鶴見のサルビアホールでクァルテット・シリーズを聴いてきました。感想はザクッとしたもので勘弁願います。
後で気が付いたのですが、当日受け取ったプルグラムには第12回という意味の「012」が明記されていました。待てよ、このシリーズは1シリーズ3回、今回は第4シリーズの2回目だから通算では11回になるのじゃないかな。確か前回は第10回だったはず。
帰宅してから気が付いたので確認していませんが、前回と今回の間にスペシャルとして第11回があったのでしょうか。回数など問題にすべきではないと思いますが、チョッと気になったので書いておきます。
さて公称第12回、個人的には11回目の体験となるプログラムは、
モーツァルト/弦楽四重奏曲第21番ニ長調K.575「プロシア王第1」
スメタナ/弦楽四重奏曲第2番ニ短調
~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第15番イ短調作品132
ブラジャーク・クァルテット
このチェコを代表する名団体については改めて紹介する必要もないでしょう。結成は1972年、世界中で演奏活動を続け、レコーディングも多数。今回が何回目の来日になるのかは知りませんが、恥ずかしながら私はナマでは初体験でした。
プログラムのプロフィールによると、2010年にファーストが交替し、現在はファーストがパヴェル・ヒューラ、セカンドはヴラスティミル・ホレク、ヴィオラがヨセフ・クルソニュ、チェロはミハル・カニュカというメンバー。もちろん黒づくめの中年男性4人による、如何にも伝統的チェコの弦という印象です。
開場時間になってもリハーサルが継続中、ホールのロビーでモニターを見ながら彼らのリハを見届けているうちに開場。
ネーム・バリューがある団体故か、鶴見には場違いなミーハー的ファンも約1名見受けられます。
今回は例の有楽町音楽祭にも出演していたようで、このあとも日本全国で公演が予定されているようです。他はどうか知りませんが、鶴見のプロは良く眺めると実に凝ったもの。
解説にもありましたが、3曲とも作曲家の死の前々年の作品で統一されているのですね。これには気が付かなかったなぁ~。
モーツァルトは有名なハイドン・セットからではなく、スメタナも渋い第2番。正に玄人受けのするプログラムと言えるでしょう。
なるほど演奏もこれを意識していたのでしょうか、モーツァルト、スメタナ、ベートーヴェンとも音楽のエッセンスのみに焦点を合わせているように感じられました。
特にモーツァルトの第2楽章、スメタナの第2楽章がその極み。モーツァルトでは3拍子は単なる3拍ではなく、一つ一つの拍に作曲家の息吹が籠められているよう。音楽の流れが自然であるのはもちろん、どんな音符にも作曲の本質が隠されているのでは、と思えるのでした。
スメタナも同じ。
アウフ・タクトのアクセントは、民族舞曲に替る直前で踏み止まり、カンタービレもメロディーになる寸前で躊躇ってしまう。作曲を構成する細胞だけで創られている、晩年にのみ達成可能な音楽のエッセンス。
ヴェテラン、ブラジャークのアプローチは、若い団体のように針の穴に糸を通すような完璧さを追い求めるのではなく、あくまでも作曲の意図を掬い取る様なアプローチと聴きました。
ベートーヴェンも然り。
アンコールは2曲あって、一つはハイドンの変ロ長調のメヌエット。たくさんあるハイドンのどの作品か特定することは出来ませんでした。(ハイドンの膨大なカタログを全部知っているわけじゃありません)
もう一つはボロディンのスペイン風セレナード。ロシアの作曲家4人が合作した弦楽四重奏の第3楽章だそうです。
これらアンコールは、ヴィオラのヨセフが曲名を簡単に告げたのですが、そのバリトンの声の魅力的だったこと・・・。
チェロのミハル、解放弦を弾くときの左手が変わっていましたね。時にダラリと下げたり、あるいは音楽に合わせてしなったり、と。これを見ているのも楽しいクァルテットでした。
まとめtyaiました【サルビアホール クァルテット・シリーズ第11回】
昨日は鶴見のサルビアホールでクァルテット・シリーズを聴いてきました。感想はザクッとしたもので勘弁願います。後で気が付いたのですが、当日受け取ったプルグラムには第12回と…