ユロフスキーのロマン派プログラム
ネット中継で聴くプロムス、17日の金曜日はジョン・ケージ特集でしたのでパスしました。日本からも演奏に参加がありましたが、残念ながらケージは私のレパートリーじゃありません。聴きましたよ、という報告だけなので次に飛びましょう。
8月18日は以下のプログラム。
≪Prom 48≫
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
マーラー/さすらう若人の歌
~休憩~
チャイコフスキー/マンフレッド交響曲
管弦楽/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮/ヴラディミール・ユロフスキー
メゾ・ソプラノ/アリス・クート
チョッと見ると何でもないプログラムで、強いて言えばロマン派名曲集とでも言いましょうか。ところが放送を聴いていると、司会者が3曲には関連があると言います。ユロフスキーもその趣旨でインタヴューに答えていました。
つまり3曲に共通するのは、ロマン派という以外に「魔」的なものが表現されているという点。ウェーバーはもちろんですが、チャイコフスキーもバイロンの題材。霊や亡霊が描かれます。
マーラーには特に悪魔的なものは描かれていませんが、根底には死があり、ウェーバーとマーラーは「3人のピント」という接点もあります。中々凝ったプログラムと言えるでしょう。聴き慣れた名曲にも新しい視点が見出されるのもプロムスの醍醐味かも。
マーラーで女性歌手が歌うのは珍しい部類でしょうか。クートは先日の「使徒たち」にも参加していました。人気のあることが聴衆の反応でも良く判ります。
ただ音質的には物足りないものがあるのは止むを得ません。特に最後の作品はオルガンの壮大な響きを考慮してマイクが遠目に置かれているようです。実際にホールで聴けば一層素晴らしく体験できたでしょうに。
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