レイク・ジョージの雪辱

土曜日には芝のGⅠ戦連発で沸いたアメリカ、昨日は3場でG戦一鞍づつという比較的静かな日曜日でした。アメリカ競馬が最高に盛り上がるのは土曜日ですからね。

最初にサラトガ競馬場のレイク・プラシッド・ステークス Lake Placid S (芝GⅡ、3歳牝、9ハロン)から行きましょう。芝コースは firm 、6頭が出走してきました。実はこれに先立ってサラトガでは7月25日に同じクラスのレイク・ジョージ・ステークス(芝GⅡ)が行われましたが、その時の3着馬(サミター Samitar)を除く1着から6着までの5頭が再戦してきました。1着から4着までが首・頭・頭だった前回、少なくとも4着までの3頭についてはどれが勝ってもおかしくない状況でしょう。1番人気(イーヴン)に支持されたステファニーズ・キッテン Stephanie’s Kitten は、前走はやや不利もあって4着だった馬。一方優勝したセンター・コート Center Court は3対1の2番人気です。
レースはレイク・ジョージ5着のメドリーナ Medolina が逃げ、センター・コートが2番手追走。この2頭をマークするように、1番枠スタートのステファニー・キッテンは内ラチ沿いに3番手を進みます。直線、残り100ヤードでセンター・コートが抜けますが、内に包まれながらも直線中程で内から外に出したステファニーズ・キッテンが、鮮やかな末脚を繰り出してセンター・コートを半馬身捉えてレイク・ジョージの雪辱を果たしました。4分の3馬身差3着にはレイク・ジョージ6着だったソマリ・レモネード Somali Lemonade が追い込み、逃げたメドリーナが4着。レイク・ジョージでは2着だったベター・ラッキー Better Lucky は5着に終わっています。
ウェイン・カタラーノ厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のステファニーズ・キッテンは、去年のBCジュヴェナイル・ターフ(GⅠ)の勝馬。今シーズンはアシュランド・ステークス(GⅠ)3着のあとチャーチル・ダウンズの一般ステークスに勝ち、前走4着を経て4戦2勝となります。もちろん今期もブリーダーズ・カップ参戦が目標でしょう。

続いてデル・マー競馬場からランチョ・ベルナルド・ハンデキャップ Racho Bernardo H (GⅢ、3歳上牝、6.5ハロン)。ポリトラックコースは fast 、7頭が出走してきました。7対5の1番人気に支持されたのは、未だこれが3戦目という出走馬中唯一の3歳馬ワインディング・ウェイ Winding Way 、ステークス初挑戦の試金石です。
ところが本命馬はスタートで大きく出遅れ、横を向いた時にゲートが開いたということで馬の若さがいきなり出てしまいました。レースは3番人気(4対1)のシュガーインザモーニング Sugarinthemorning の逃げで始まり、ワインディング・ウェイは10馬身以上も離されてしまいます。直線、シュガーインザモーニング楽勝かと思われましたが、馬5頭分の外から一気に差を詰めたワインディング・ウェイが信じられないような位置からの末脚炸裂。ゴールでは逃げ馬に半馬身差を付けていました。ただ直線入口で内に大きく切れ込み、同時にスパートしていた2番人気(3対1)のルーマー Rumor の進路をカット、ルーマーのマンデラ騎手は立ち上がるほどの不利となります。またもや馬の若さを露呈したアクシデント。当然審議になりましたが、最終的には不問。1馬身4分の1差3着はルーマーで確定しました。
カーラ・ゲインズ厩舎、ラファエル・ベハラノ騎乗のワインディング・ウェイは、アローワンス戦とクレーミング戦での着差合計が12馬身。デビューが遅かったこともあって全て古馬が対戦相手でした。彼女がBCで勝ち負けになるクラスの馬か、これからの動向に注目が集ましょう。

最後にエメラルド・ダウンズ競馬場のロングエイカーズ・マイル ハンデキャップ Longacres Mile H (GⅢ、3歳上、8ハロン)を紹介しましょう。こちらも馬場は fast 、出走すればレースのカギを握るはずだったグラッディング Gladding が取り消して10頭立て。去年のこのレースに勝ったオウサム・ジェム Awesome Gem の2連覇に期待がかかり2対1の1番人気に支持されていました。
レースはウイニング・マシーン Winning Machine が快調に飛ばして直線、3番手から2番手と徐々にポジションを上げた2番人気(5対2)のテイラー・セッド Taylor Said との一騎打ちとなり、最後は外を通ったテイラー・セッドが頭差ウイニング・マシーンを抑えて優勝。6番手から内を衝いて伸びた本命オウサム・ジェムは1馬身半届かず3着まで。
優勝したテイラー・セッドはマイケル・パヒッチ厩舎、マリオ・グティエレス騎乗で、調教師・騎手共にこのレース初勝利。勝馬は2月にゴールデン・ゲート競馬場で勝ってから、カナダのヘイスティングス競馬場で4連勝と快進撃、前走同競馬場でのブリティッシュ・コロンビア・カップ・クラシックに続いて6連勝を記録しました。13日前に行われたその前走では2着に6馬身4分の1差、トラック・レコードというオマケ付。新たなスター誕生となるでしょうか。

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