ガッティ指揮グスタフ・マーラー青年管弦楽団

プロムスも愈々残り2週間になりましたね。
前日のナッセン/BBC響はほとんど譜面を見ずに聴きましたが、8月26日のプロムスは反対にスコアのあるものばかり。睨めっこしながら聴いていました。

≪Prom 57≫
ワーグナー/楽劇「パルシファル」第3幕への前奏曲と聖金曜日の音楽
ベルク/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
R.シュトラウス/「ばらの騎士」組曲
ラヴェル/ラ・ヴァルス
 管弦楽/グスタフ・マーラー青年管弦楽団
 指揮/ダニエレ・ガッティ
 ヴァイオリン/フランク・ペーター・ツィンマーマン

ガッティはこのオケの「指揮者」を務めているそうです。首席とか客演とかじゃなく、ただ指揮者という肩書。アナウンスによるとヴァイオリンが40名と言っていましたから、余程大きな編成なのでしょうか。それとも聞き間違い?

ガッティはバイロイトでもずっとパルシファルを振っていて、冒頭は得意の曲目。第1幕の前奏曲と聖金曜日の音楽という組み合わせは定番ですが、今回は珍しく第3幕前奏曲です。
どういう具合に繋げるのかと全曲版と単独の「聖金曜日」を並べて待ち構えていると、先ず第3幕前奏曲がグルネマンツの登場直前まで演奏されます。オイレンブルク版(手元のものは昔出ていた版、新版については判りませんが)で言うと、練習番号213~217までです。この後、練習番号250の1小節前に飛び、グルネマンツやパルシファルの声楽パートは無視して練習番号252の「聖金曜日」の下りへ。あとはオイレンブルクの単独ピース冒頭に繋がって最後は完全終止するスタイルでした。
この形はCDなどでも珍しいでしょうから、聴かれる方は参考にして下さい。

続くベルクは日本でもファンの多いツィンマーマンのソロ。司会のアナウンスで聞き取れたのは、使用楽器は1711のストラディヴァリウスで、以前にフリッツ・クライスラーが使用していた名器だそうですね。
アンコールがあって、ベルクのあとには最適なバッハの無伴奏から、ソナタ第2番イ短調のアンダンテ。

後半は特に説明の必要もありません。シュトラウスはブージーからスコアが出版されている組曲で、アルトゥール・ロジンスキが編んだとされているもの。練習番号73の4小節前と2小節前にティンパニを加筆するのは、派手好みの指揮者の常套手段ですな。

最後のラヴェルは些か走り気味で、私は今一つ感心しませんでした。大喝采が起きたほどに良いとは思いませんでしたが、アンコールがあって、ワーグナーのマイスタージンガーから第3幕への前奏曲。

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