ハ長調の拘り

昨日のプロムスは、私の苦手な指揮者ハーディング指揮するマーラー・チェンバー・オケのコンサートでした。アナウンサーの実況で「ハ長調」作品を並べたプログラムであることに気が付きます。
と言えば、アレッと思い出したのですが、日本のプロムス版であるミューザのサマー・フェスタ、来月8日に登場するインキネン/日フィルのプログラムもオール・ハ長調ですよね。マイスタージンガーとモーツァルトのK467、それに幻想。
どこも考えることは同じの様で、チョッと微笑ましく思いました。

≪Prom 23≫
モーツァルト/フリーメーソンの葬送音楽
シューマン/交響曲第2番
     ~休憩~
モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番ハ長調K503
シベリウス/交響曲第7番
 マーラー室内管弦楽団
 指揮/ダニエル・ハーディング
 ポール・ルイス(ピアノ)

そう、最初の曲はハ長調じゃありませんね。でもこれはハ短調ですから、同名調ということで統一したのでしょう。葬送音楽のあとは拍手を挟まず、そのままシューマンのハ長調交響曲に流れ込む趣向。要するにモーツァルトは序奏という扱い。
ハーディングについては改めて紹介することも無いでしょう。新日フィルの会員には絶大な人気があるようですが、私は聴いたことはないし、聴く気も起きません。シューマンを聴いて納得。

モーツァルトのハ長調協奏曲は大きなK503の方。ルイスは初めて聴きましたが、第2楽章は遊び心も入れて中々楽しめました。特に60小節辺りの同じ音形が繰り返される所は、次第にインプロヴィゼーションを細かく加えて行って飽きさせません。ここを書かれた譜面通りやっちゃあ~面白くありませんからネ。

今やマーラー室内管の桂冠指揮者のハーディング、最後はシベリウスのハ長調で、こんなレパートリーもあるのかと思います。どんな楽器を使っているのかは判りませんが、ノン・ヴィブラートということでもなく至極真っ当なシベリウスでした。
ダイナミックな表現とは正反対で、弱音を丁寧にジックリ演奏。冒頭と最後は相当に遅いテンポで、こういうシベリウスは初めて聴いたように思います。それにしてもマーラー管がシベリウスを演奏するというのは皮肉でも込められているのでしょうか。

アンコールがあって、モーツァルトのジュピター交響曲からフィナーレ。もちろんハ長調の最大傑作、どこまでもハーディングの拘りが貫かれた演奏会でした。
中継の都合かも知れませんが、アンコールのモーツァルトの方がシベリウスより音量が大きく感じられます。実際にそうだったのか、モーツァルトの方が生き生きと演奏出来たということのなのかは不明。

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