ブラウン厩舎、2歳芝戦のダブル

本来なら10月7日に行われる予定だったベルモント・パーク競馬場の芝コースG戦2鞍、雨が続いたニューヨークでは早々と延期を決め、無事に昨日芝コースで行われました。それでも馬場は yielding と渋い状態。
いずれも芝の2歳戦、共にブリーダーズ・カップへの指定レースでもあります。

最初はピルグリム・ステークス Pilgrim S (芝GⅢ、2歳、8.5ハロン)。BCジュヴェナイル・ターフの対象レース。メインコースに変更された場合のみ出走を予定していた2頭の他に1頭が取り消して7頭立て。キャリアの浅い馬たちの中から1番人気(6対5)に支持されたのは、サラトガの芝で新馬勝ちしたばかりのノーブル・チューン Noble Tune です。
レースは最低人気(14対1)のスペシャル・スキルズ Special Skills が逃げ、ノーブル・チューンは後方2番手の待機策。直線、馬5頭分の大外を回ったスペシャル・チューン、桁違いの瞬発力で抜け出し、見事期待に応えました。2馬身半差で2着は同じく後方差しの3番人気(7対2)ナッタキャットバタラーマ Notacatbutallama 、更に2馬身4分の3差で逃げたスペシャル・スキルズが3着。2番人気(3対1)のカンジエーム・モナーク Quinzieme Monarque は4着。
これで2戦2勝、BCジュヴェナイル・ターフへの出走権を手にしたノーブル・チューンは、前日キーンランドのバーボン・ステークスで同じくBCジュヴェナイル・ターフの権利を得たバランス・ザ・ブックス Balance the Books と同じチャド・ブラウン師の管理馬。2歳芝コースの候補2頭を同時に管理するブラウン師、現時点ではどちらが上かは判断し難いとのこと。2戦続けてラモン・ドミンゲスが騎乗、新馬戦と全く同じ勝ち方をしたノーブル・チューンもバランス・ザ・ブックスと同じ追込み脚質のようです。

ベルモントのもう一鞍は、牝馬版のミス・グリロ・ステークス Miss Grillo S (芝GⅢ、2歳牝、8.5ハロン)。こちらはBCジュヴェナイル・フィリーズ・ターフが対象。様々なジャンルに設定されるようになったブリーダーズ・カップ、指定レースも膨らんで運営は相当なコストが掛かると思われますが、関係者の努力も相当なものでしょう。こちらは2頭が取り消して10頭立て、これまたチャド・ブラウン厩舎が送り出すワッツダチャンシズ Watsdachances が6対5の1番人気を集めていました。
こちらも伏兵(25対1、8番人気)マヌカ・ハネー Manuka Honey の逃げ、本命ワッツダチャンシズは後方3番手の待機策。直線に後方4番手で入った本命馬は、やや内を衝いて馬群を割り、瞬発力で抜け出す大人のレース振り。これも追い込みのサステインド Sustained に2馬身4分の1差を付けての快勝です。ピルグリムのノーブル・チューンと良く似たレース内容。3着に1馬身差で逃げたマヌカ・ハネーが粘った展開も、男版とソックリでした。
勝馬に騎乗したのはハヴィエル・カステラノでしたが、チャド・ブラウン厩舎はこの日のG戦総ざらい。前日の2歳芝戦も合わせてのハットトリック完成です。ワッツダチャンシズは、アイルランドでゲール・ライオンズ調教師自らが生産して調教していた馬。アイルランドで2戦(3着、1着)したところを現オーナーが見て惚れ込んで購入、アメリカに転厩してこれが2戦目。前走はサラトガの一般ステークス(P・G・ジョンソン・ステークス)優勝で、ヨーロッパ時代と合わせた通算成績は4戦3勝となります。もちろん次走はBCで、ブラウン師には楽しみなブリーダーズ・カップになってきましたね。

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