雪のニューヨーク

今週のアメリカ、G戦は昨日の2場で2鞍のみ。ブリーダーズ・カップも終了し、後は年末までトーンダウンしながらもシーズンは続きます。

先ずはアケダクト競馬場のロング・アイランド・ハンデキャップ Long Island H (芝GⅢ、3歳上牝、12ハロン)から。映像で見ると、コースの脇には降り積もった雪が除けられ、芝コースが soft で行われたことが実感できましょう。ダートコースに変更された時のみ出走予定の1頭に加え、更に1頭が取り消しての8頭立て。G戦初勝利を目指してカナダから遠征してきたキッサブル Kissable が8対5の1番人気に支持されていました。夏のサラトガで一般ステークスに勝っており、遠征競馬は経験済みです。
レースは並んだ5番人気(8対1)の伏兵スターフォーマー Starformer の逃げ、これを前年の覇者ヒット・イット・リッチ Hit It Rich (7対2、並んだ2番人気)が追走し、キッサブルは徐々に3番手まで上がる流れ。しかし、インコースが悪いことを意識して1番枠スタートから外目に出して先行したスターフォーマー、直線でも内を大きく開けて逃げ込みを図り、そのインを衝いて伸びたミスティカル・スター Mystical Star (7対2、並んだ2番人気)を首差抑えての逃げ切り勝ちです。3着には最後方を進み、外から追い込んだエイク・マリン Aique Marine が半馬身差で続き、ハナ差4着にタンネリー Tannery 。この4頭は一団で入線する接戦でした。やや離れてヒット・イット・リッチが5着、本命キッサブルは重が響いたか伸び脚なく7着敗退に終わっています。
ウイリアム・モット厩舎、エドガー・プラード騎乗のスターフォーマーは、ジャドモント・ファーム(ハーリッド・アブダッラー)所有の4歳牝馬で、前走はそのジャドモントがスポンサーになっているスピンスター・ステークス(GⅠ)で4着。フランスで4戦した後、去年夏にアメリカに転じ、今年7月14日にデラウェア競馬場でロバート・G・ディック・メモリアル(芝GⅢ、11ハロン)を同じように逃げ切っていました。G戦は2勝目。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場からカーディナル・ハンデキャップ Cardinal H (芝GⅢ、3歳上牝、9ハロン)。こちらは天候には恵まれて firm の芝コース、予定通り9頭が出走してきました。9対5の1番人気は、前走フラワー・ボウル・インヴィテーショナル(芝GⅠ)では6着に終わったビジー・キャロライン Bizzy Caroline 。サラトガのグレンズ・フォールズ・ハンデ(芝GⅢ)は2着、春のチャーチル・ダウンズでミント・ジュレップ・ハンデ(芝GⅢ)に勝って以来の勝利を目指します。
レースは2番人気(2対1)デイジー・ディヴァイン Daisy Devine が先頭に立ち、向正面では2番手以下を6馬身も離す独り旅に持ち込みます。ビジー・キャロラインは2番手に付けていましたが、徐々に後退。替って4番手を追走した3番人気(6対1)のジュリーズ・ラヴ Julie’s Love が一気に差を詰め、直線では2頭の長い叩き合い。結局マッチレースを頭差で制したのは、逃げたデイジー・ディヴァインでした。3馬身4分の1差でラスト・フル・メジャー Last Full Measure が3着に食い込み、ビジー・キャロラインは5着敗退。
デイジー・ディヴァインはアンドルー・マッキーヴァー厩舎、カルヴィン・ボレル騎乗。前走キーンランドのファースト・レディー・ステークス(芝GⅠ)は2着、優勝は4月14日、同じキーンランドのジェニー・ワイリー・ステークス(芝GⅠ)以来のこと。勝たれて見ればGⅠ馬の貫録勝ちということでしょうか。

以上二つの芝戦、共通するのは共に逃げ切りだったことと、本命馬が着外に敗退したこと。典型的なアメリカ競馬のパターンになっていましたね。

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