ダービーに新星、パート2

前日に引き続き、チェスター競馬場の3日目、フィナーレのレポートです。この日も馬場は最悪で、終日 good to soft だった模様。初日の固い馬場はウソのようです。

最終日もG戦は2鞍、先ずはこれまたダービー・トライアルの一つとなるディー・ステークス Dee S (GⅢ、3歳、1マイル2ハロン75ヤード)。1頭取り消しの5頭立て。
前日のルーラー・オブ・ザ・ワールド Rulewr Of The World に刺激されてか、ここでもエイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗のマジシャン Magician が13対8の1番人気に支持されていました。去年最後のキラヴュラン・ステークス(GⅢ)は7頭立て7着と期待を裏切りましたが、シーズン初戦、イギリス・デビューでもあります。

ガブリアルズ・カカ Gabrial’s Kaka の逃げを2番手で追走したマジシャン、残り2ハロンでより馬場の良いスタンド側に進路を取ると独走、最後方から伸びたコントリビューター Contributor に4馬身差を付けて期待に応えました。更に4馬身差で最低人気(25対1)のグレイシャル・エイジ Glacial Age が3着。

マジシャンはこれが2勝目。3戦目にカラー競馬場の未勝利戦に勝ち、初挑戦のG戦で惨敗、ここで復権となります。チェスター・ヴェーズとのダブルを達成したチーム・オブライエン、こちらのダービー・オッズは16対1が出され、続々と候補が名乗りを上げている状態。
昨日のルーラーが典型的な1マイル半タイプなのに対し、マジシャンは2000メートルに対応できるスピードのあるタイプとのこと。騎乗したムーア、レース後の笑みはマジシャンの方が大きかった、というのが競馬記者の意見でしたネ。

さてチェスター5月開催のフィナーレは、スタミナ勝負のオーモンド・ステークス Ormonde S (GⅢ、4歳上、1マイル5ハロン89ヤード)。予定の6頭が出走し、ここでもオブライエン/ムーア・コンビのメンフィス・テネシー Memphis Tennessee が6対5の1番人気、G戦ハットトリックに期待が掛かります。去年のこのレースの勝馬で、3歳時は愛ダービー3着、去年のロイヤル・アスコット以来11か月ぶりの実戦。

この馬場、逃げの手に出たメンフィス・テネシー、未だ数ハロンを残した時点で馬の手応えが無くなりズルズルと後退。こうなれば唯一の相手と見做されていた2番人気(11対8)マウント・アトス Mount Athos を阻む存在は無く、2着マッド・ムース Mad Moose に9馬身差を付ける圧勝です。2着馬は障害から転向した馬で、障害を飛ぶことを拒否して平場に出走せざるを得なかったほど。出走馬のレヴェルが判ろうというものでしょう。
3着は更に14馬身差でコミュニケイター Communicator 、メンフィス・テネシーは更に12馬身遅れの4着。その後も21馬身、81馬身という着差は、如何に馬場が悪かったかがこれでも証明されました。

ルカ・クマニ厩舎、ジェイミー・スペンサー騎乗のマウント・アトスは、去年ジェフリー・フリーア・ステークス(GⅢ)を含め3連勝、メルボルン・カップに挑戦して5着だった馬。これがシーズン初戦で、今年もメルボルン・カップが目標になります。
オーナーは次のヨーク開催にも使いたい意向のようですが、クマニ師はこれをキッパリと否定。もっと間を開け、丁寧に使って行くクラスの馬と、あくまでもメルボルンに照準を当てる覚悟です。

以上がチェスター・レポートですが、スポーティング・ライフ電子版のフォト・アルバムを見ていたら、初日のショットにこんな映像が。私はこちらは音痴ですが、流石にこの顔は知ってます。↓

http://www.sportinglife.com/racing/photos/gallery/13262/8699044/chester-day-one#!/photo/1

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