調教師もビックリ

この水曜日からドンカスター競馬場のセントレジャー開催がスタートしました。既にセント・レジャーの枠順も発表されましたが、それは稿を改めましょう。
初日はG戦が無いので、昨日二日目のレポートから入ります。

11日のG戦は2鞍、馬場は good to soft で、周回コースの一部は good という状態でした。最初はJRAが共催しているセプター・ステークス Sceptre S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。京都で行われるドンカスターカップと姉妹レースということでしょう。
1頭が取り消して15頭立て。古馬は僅かに2頭で、主力を占める3歳勢から上がり馬のブラッギング Bragging が15対8の1番人気に支持されていました。二マーケットとヨークのハンデ戦に連勝、G戦は初挑戦ですが、格上のここでも通用するという評価です。

レースは4歳馬インディグナント Indignant が逃げ、ブラッギングは中団待機。本命馬も良く伸びましたが、これを上回ったのが後方から鋭く追い上げた6番人気(11対1)のキヨシ Kiyoshi (あるいは「カイヨシ」か)。ブラッギングに1馬身4分の1差を付けていました。短頭差で7番人気(14対1)のアル・サキーラ Al Thahira が3着。
今シーズン限りで引退を発表したジェームス・スペンサー騎乗、チャーリー・ヒルズ厩舎のキヨシは、去年2歳時にロイヤル・アスコットでアルバニー・ステークス(GⅢ)を制した馬。そのあとモイグレア・スタッド、チーヴリー・パークと何れもGⅠ戦で3着してクラシック候補と目されましたが、春は病気のために戦列離脱を余儀なくされていました。
ロイヤル・アスコットのコロネーション・ステークス(GⅠ)で漸く復帰しましたが12頭立ての10着、その後もフォルマス6着と「終わった」感がありました。しかし夏のアスコットのリステッド戦2着で復調の兆しが見え、前走はドーヴィルのリューリー賞(GⅢ)4着。今回は初めてチークピースを装着したことも奏功し、久し振りの勝星です。勢いを取り戻したキヨシ、次はサン・チャリオット・ステークスでGⅠ制覇を目指します。これが引退するスペンサーへの餞になるでしょうか。

もう一鞍も牝馬のG戦で、パーク・ヒル・ステークス Park Hill S (GⅡ、3歳上牝、1マイル6ハロン132ヤード)。以前は牝馬のセント・レジャーと呼ばれていた一戦ですが、現在は古馬にも開放され、最早3歳牝馬ステイヤーの№1を決めるレースではなくなりました。
1頭が取り消して13頭立て。7対2の1番人気に支持されたシール・オブ・アプルーヴァル Seal of Approval は、去年のこのレースで絶好の走りをしていながら勝負所で落馬し涙を呑んだ5歳馬。去年はアスコットのGⅠ(ブリティッシュ・チャンピオン・フィリー・アンド・メア)で締め括り、今期は未勝利ながら前走ジェフリー・フリーア・ステークス(GⅢ)3着と徐々に調子を取り戻してきています。

レースはキャスキャディング Cascading が逃げ、最後まで良く粘りましたが、後続が一気に追い上げる展開。その中から抜群の脚で抜け出したのが、5番人気(8対1)の4歳馬シルク・サーリ Silk Sari 。何と最後方から伸びたブービー人気(40対1)グルーヴジェット Groovejet に5馬身差を付ける圧勝でした。更に1馬身4分の3差で4番人気(7対1)のクライテリア Criteria が3着、シール・オブ・アプルーヴァルは4着まで。2・3着馬は共に3歳馬です。
ルカ・クマニ厩舎、アンドレア・アトゼニ騎乗のシルク・サーリは、前走ニューバリーのリステッド戦に勝ったばかりで、G戦は初体験でした。クマニ師としては善戦を期待してはいたものの、まさか勝つとは、しかも5馬身差の圧勝は想定外だったことを正直に認めています。凱旋門ウィークには牝馬の長距離G戦(ロワイアリュー賞)も組まれており、渡仏の意向。その後はドバイで更なる成長を期待しているとのことでした。

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