2017年アイルランド平場G戦も開幕

ドバイのワールド・カップ・シリーズが終わると、愈々ヨーロッパにも本格的な蹄春が訪れます。3月26日、正にドバイの翌日にはアイルランドの平場G戦がスタートしました。

例年カラー競馬場で行われてきたアイルランド最初のG戦となるパーク・エクスプレス・ステークス Park Express S (GⅢ、3歳上、1マイル)ですが、今年はナース競馬場に移しての開催。soft to heavy 、所により soft の馬場に12頭が出走してきました。
日本とは違っていきなり3歳と古馬の混合戦となるGⅢ、3歳馬は4頭参戦し、7頭の4歳馬と1頭の5歳馬に戦いを挑みます。未だシーズン初戦とあって、唯1頭を除く11頭が全て今期(今年)のデビュー戦、各馬の仕上がり状態が勝負の分かれ目でしょう。

7対4の1番人気に支持されたサムハウ Somehow はメンバー中唯一のG戦勝馬で、去年の英愛オークスで夫々4・5着と入着を果たしたオブライエン厩舎の4歳馬。昨シーズンの締め括りとしてスノー・フェアリー・ステークス(GⅢ)に勝っているため、3ポンドのペナルティーを背負っていました。鞍上はドンナチャ・オブライエン。
レースは3歳馬で並んだ4番人気(8対1)のレジティムス Legitimus が逃げましたが、これを4番手で追走していた同じ4番人気のツァーボ Czabo が最後の1ハロンで捉えると、6番手から伸びる本命サムハウを半馬身抑えて優勝。7番手から伸びた2番人気(5対1)のフライング・フェアリーズ Flying Fairies が1馬身差の3着に入り、シーズン初めにしては順調な結果となりました。サムハウ破れたりとは言え、3ポンドのペナルティーで半馬身なら幸先良いシーズンを切ったと言えそうです。

これがG戦初勝利となるツァーボは、ミック・シャノン厩舎、元障害騎手のヴェテラングレアム・リーが騎乗した4歳馬。この馬だけが、2週前にサン=クルー競馬場に遠征してリステッド戦(アルティパン賞、1600メートル)に使われていた(7頭立て6着)という利点を持っていました。いわゆる「使われた強み」を活かしてのシーズン初勝利と言えるでしょう。
ツァーボは去年、愛1000ギニーに挑んで4着という実績があり、ロイヤル・アスコットのコロネーション・ステークス(GⅠ)は13頭立て13着としんがり負けしてシーズンを終えていました。愛ギニーとアスコットの間にドーヴィルに遠征して重馬場のリステッド戦(リラ賞、1600メートル)に勝ち、今回の勝利はそれ以来の4勝目となります。

 

 

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