5月最後のG戦

昨日で5月が終わり、ヨーロッパ競馬は実質3分の1が経過したことになります。6月からは夏競馬。
ということで昨日はイギリスとフランスで余り目立たないG戦が行われました。先ず英国から。

ヘイドック・パーク競馬場はG戦2鞍、馬場は good to soft 、所により good 。この所重い馬場が続いていましたが、漸くコースも乾いた地点が目立つようになってきた状況です。
ピナクル・ステークス Pinnacle S (GⅢ、4歳上牝、1マイル3ハロン200ヤード)は古馬牝馬の長距離戦で、11頭が出走してきました。前走ジョン・ポーター・ステークス(GⅢ)で牡馬相手に4着したアストニッシング Astonishing が11対4の1番人気。

スペシャル・ミーニング Special Meaning が逃げましたが、残り1ハロンで先行していた5番人気(9対1)のフリーダムズ・ライト Freedom’s Light が先頭に立って逃げ込みを図ります。そこへ後方から追い込んだのが7番人気(10対1)のサルタニーナ Sultanina 、写真判定の結果、サルタニーナが短頭差でフリーダムズ・ライトを差し切っていました。半馬身差で3番人気(7対1)のシルク・サーリ Silk Sari が入り、アストニッシングの6着を初めとして人気馬は総崩れの結果に終わりました。
勝ったサルタニーナと2着フリーダムズ・ライトは共にジョン・ゴスデン厩舎、師のワン・ツー・フィニッシュです。勝馬にはウイリアム・ビュイック、2着にはランフランコ・デットーリが騎乗していました。
サルタニーナは今期、4歳でソールズベリーの未勝利戦でデビュー勝ちしたばかり。無傷の2連勝となりましたが、中々仕上がらなかった馬。ゴスデン師が4歳になるまで現役に留めておいたということは、同馬の能力が相当なものと判断していたからでしょう。これからが楽しみな1頭です。

もう一鞍はジョン・オブ・ゴーント・ステークス John of Gaunt S (GⅢ、4歳上、7ハロン)、今年はタイムフォーム・ジュリー・ステークス Timeform Jury S と呼ばれます。9頭立て、去年のラ・フォレ賞(GⅠ)3着で、今期初戦のサンダウン・マイル5着で一叩きされたガースウッド Garswood が11対4の1番人気。

ドイツから遠征してきたエンパイア・ストーム Empire Storm が逃げましたが、これを追走したブービー人気(33対1)のペニテント Penitent が残り2ハロンで先頭に立ち、後方から追い込む4番人気(6対1)のブレトン・ロック Breton Rock を短頭差抑える番狂わせ。2馬身4分の1差で漸く2番人気(4対1)のイートン・フォーエヴァー Eaton Forever が3着に入り、人気のガースウッドは先行するも伸びを欠いて首差4着まで。
デヴィッド・オメーラ厩舎、ダニエル・タドホープ騎乗のペニテントは、当ブログでは常連の8歳馬。今期はドバイで1戦したあとサンダウン・マイルで3着、前走レパーズタウン競馬場のアメジスト・ステークス(GⅢ)は6着に終わっていました。人気が落ちていたのはそのためですが、2012年にはサンダウン・マイルに勝ち、秋のラ・フォーレ賞でも2着した実力の持ち主、8歳にしてなお健在ということでしょう。

最後は、フランスのロンシャン競馬場からパレ=ロワイアル賞 Prix Palais-Royal (GⅢ、3歳上、1400メートル)。馬場は soft 、10頭立て。ロンシャンの1400メートル戦を得意とするアメリカン・デヴィル American Devil が13対5の1番人気に支持されていました。

3番人気(18対5)のサワーニ― Thawaany が逃げ、先行したアメリカン・デヴィルがこれに並び掛けながら直線に入ると、同じく先行した2番人気(16対5)ソマーアーベント Sommerabend に1馬身半差を付け見事人気に応えました。首差でバーミヤン Bamiyan が3着。
ソマーアーベントはドイツ馬ながら、今期はフランスでエドモン・ブラン賞(GⅢ)、ミュゲ賞(GⅡ)と連勝して絶好調。それでも2番人気だったのは7番と外枠が懸念されたための様で、勝ったアメリカン・デヴィルが4番枠だったことが有利に作用したのでしょうか。

アメリカン・デヴィルはヨン・ファン・ハンデンホーヴェ厩舎からエリック・リボー厩舎に移籍しての初戦。ピエール=シャルル・ブードーが騎乗していました。去年の終戦としてラ・フォレ賞5着だった馬で、今期はロンシャンの条件戦(1400メートル)に勝っての連勝。ロンシャンの7ハロンは3勝目と、その適性を証明しました。
陣営ではロイヤル・アスコット挑戦を視野に入れているようで、ダイヤモンド・ジュビリー・ステークス(GⅠ)を目指すとのこと。ペースの速いイギリスの競馬の方がこの馬には合っていると計算していました。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください