クラシックの谷間で

今週のアメリカはケンタッキー・ダービーとプリークネス・ステークスとの谷間、全米を通してもG戦は土曜日の2鞍と、拍子抜けするほど静かな週末を迎えています。
で、昨日はベルモントとハリウッドからいずれも3歳のみのG戦。こんな結果が入ってきました。

最初はベルモント・パーク競馬場のピーター・パン・ステークス Peter Pan S (GⅡ、3歳、9ハロン)。ベルモント・ステークスのトライアルとして知られてきた伝統の一戦です。馬場は fast 。
2頭取り消して出走馬は10頭。ケンタッキー・ダービーに出ても勝ち負けになる存在と評されていたマーク・ヴァレスキ Mark Valeski が6対5のやや被った1番人気に支持されていました。
レースは全く人気の無い(47対1)ライト・トゥー・ヴォウト Right to Vote が逃げ、直線半ばまで先頭で粘り場内を沸かせましたが、スタート4番手から一旦下げた本命マーク・ヴァレスキが徐々に進出、直線では4頭分の外からジワジワと末脚を繰り出し、最後は粘るライト・トゥー・ヴォウトを1馬身4分の1差捻じ伏せて期待に応えました。3着は更に半馬身で最後方から追い込んだストリート・ライフ Street Life 。
マーク・ヴァレスキのオーナー=ブリーダーのブレレトン・ジョーンズ、ラリー・ジョーンズ調教師、女流騎手ロージー・ナプラヴニクは、先週ケンタッキー・オークスを制したビリーヴ・ユー・キャン Believe You Can と全く同じチーム。リズン・スター・ステークス(GⅡ)とルイジアナ・ダービー(GⅡ)を共に2着し、これがステークス初勝利となります。ケンタッキー・ダービーにも出走権はありましたが、事前の調教に今一つジョーンズ師が納得できずにパス。その決断が良かったようです。
当然ながらベルモント・ステークスで最後のクラシック制覇に賭けるでしょう。因みにピーター・パンからベルモントを制した馬は、1992年のエー・ピー・インディー A.P.Indy 以来出ていません。マーク・ヴァレスキや如何に。

もう一つ、ハリウッド・パーク競馬場の3歳戦、ラザロ・S・バレラ・メモリアル・ステークス Lazaro S. Barrera Memorial S (GⅢ、3歳、7ハロン)。こちらは短距離で、クラシックには縁の薄いメンバーによるG戦です。
この時期は多くがダメ元でもクラシックに挑戦するとあって、fast の馬場に出走馬は僅かに4頭。サンタ・アニタのサン・ヴィセンテ・ステークス(GⅡ、7ハロン)でハナ差の1・2着争いを演じたドリルDrill とアメリカン・アクト American Act の再戦が期待され、勝ったドリルが6対5の1番人気に支持されていました。
スタートで最も人気の無い(7対1)ブーンパ Boompa が出遅れ、早々と脱落。サン・ヴィセンテ同様アメリカン・アクトがハナに立って逃げ、2頭出しボブ・バファート厩舎のガン・ボート Gun Boat (8対5の2番人気)がこれを追走、同じバファート厩舎の本命ドリルは3番手に待機し、サン・ヴィセンテよりゆっくりと仕掛ける作戦。
アメリカン・アクトが先頭のまま直線。3番手を進んだドリルがアメリカン・アクトとガン・ボートの間を割って追い上げ、アメリカン・アクトを今回は半馬身捉えたところがゴール。同じく半馬身でガン・ボートも3着に食い下がっていました。ブーンパは7馬身4分の1離されてしんがり。
ドリルは7ハロン戦では3戦全勝。2歳時から1マイル以上の距離にも挑戦してきましたが、いずれも結果を出せずに終わっています。今後は7ハロンのスペシャリストとしての道を歩むことになるでしょう。勝利騎手はマーチン・ガルシア。

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