ベルモントとキーンランドが閉幕

今週のアメリカ競馬は、秋開催で賑ったベルモント競馬場とキーンランド競馬場がフィナーレを迎えます。二つの競馬場で行われた開催掉尾のG戦と、ブリーダーズ・カップ目前のサンタ・アニタ競馬場のG戦をレポートしましょう。

先ずはベルモント競馬場の2鞍から。開催そのものは10月27日がフィナーレですが、G戦は前日が最後となります。先ずはボールド・ルーラー・ハンデキャップ Bod Ruler H (GⅢ、3歳上、7ハロン)、fast の馬場に6頭のスプリンターが集い、フォアゴ・ステークス(GⅠ)を制したストラッピング・グルーム Strapping Groom が6対5の1番人気に支持されていました。
そのストラッピング・ゴールドはスタートから先手を奪い、他馬に絡まれることも無く先頭で直線。楽に逃げ切れる展開でしたが、何故か追われたから急速にバテて後退、4着に敗退してしまいます。優勝は早目に2番手に上がって本命を追走した3番人気(7対2)のクリアリー・ナウ Clearly Now 、3番手追走の2番人気(5対2)フォーティー・テイルズ Forty Tales に1馬身半差を付けていました。3着は更に4馬身4分の3差でサタデイズ・チャーム Saturday’s Charm 。
ブライアン・リンチ厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のクリアリー・ナウは超堅実な3歳スプリンター、勝鞍は3月2日のスウェイル・ステークス(GⅡ)以来7か月ぶりですが、その間ステークスに走り続け、ここ4戦は何れも入着。今一歩の所で勝を逃してきた存在です。

今年のベルモント最後のG戦は、ターンバック・ジ・アラーム・ハンデキャップ Turnback the Alarm H (GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)。8頭が出走し、ニューヨークのGⅠでここ3戦続けて入着しているセントリング Centring がイーヴンの1番人気。GⅠで良い勝負をして来た馬がGⅢでは負けられない所でしょう。
そのセントリングは後方2番手からの追い込み策。直線で大外から鋭く追い上げましたが、5番手の内から徐々にポジションを挙げ、直線で先に抜け出したブービー人気(21対1)スタンウィック Stanwyck を頭差捉え切れず又しても2着惜敗です。4馬身4分の1差でファンタジー・オブ・フライト Fantasy of Flight が3着。
ジョン・シレフス厩舎、アレックス・ソリス騎乗のスタンウィックは、7月末にサラトガの芝コースで行われたアローワンス戦5着以来となる3ヶ月ぶりのレースで、ステークスは初出走。本来は芝コースを得意としてきた馬で、丁度1年と1日前にサンタ・アニタで勝って以来のダート・コースでの競馬でした。

 
続いて、この日が開催フィナーレとなるキーンランド競馬場。最後のG戦ファイエット・ステークス Fayette S (GⅡ、3歳上、9ハロン)は fast の馬場、9頭立てで行われました。ワシントン・パーク・ハンデ(GⅢ)勝馬で、前走ダートに変更されたシャドウェル・ターフ・マイル(GⅠ)でも3着に健闘したウィルコックス・イン Willcox Inn が5対2の1番人気。
レースはセット・ザ・セイル Set the Sail が逃げましたが、前半は一旦後方2番手まで下がった伏兵(11対1、7番人気)ニッキズ・サンドキャッスル Nikki’s Sandcastle が持ったままの手応えで大外に出し、直線で末脚を爆発させると2着ウイニング・コース Winning Cause に1馬身4分の1差を付ける逆転劇。更に1馬身4分の1差でユー・ノウ・アイ・ノウ You Know I Know が3着に入り、5番手を追走していたウィルコックス・インは全く見せ場なく最下位凡走に終わりました。
勝馬を管理するデヴィッド・カッセン調教師にとっては、これがキーンランドでのステークス初勝利となります。鞍上はレアンドロ・ゴンサルヴェス。勝ったニッキズ・サンドキャッスルは、実は去年のこのレースの2着馬。前走はアーリントンの芝コースで行われたアローワンス戦での3着で、この馬も本来は芝で能力を発揮する6歳馬です。ステークスは3勝目ですが、去年一般ステークスに2勝したもので、G戦は初勝利となりました。

今週最後のG戦は、サンタ・アニタ競馬場のオータム・ミス・ステークス Autumn Miss S (芝GⅢ、3歳牝、8ハロン)。去年から使用されている新しいレース名ですね。firm の芝コース、出走枠を超える13頭が登録していましたが、結局は2頭が除外されてフルゲートの11頭立て。夏場のデル・マー・オークス(芝GⅠ)2着馬ウィッシング・ゲート Wishing Gate が7対5の1番人気に支持されています。
先手を取ったのは大外発走のジャーニー・オン Journey On 。前半は7番手の外と後方グループに位置していたウィッシング・ゲートですが、3コーナー辺りから馬なりで進出すると、直線ではムチを使われることなく鋭く伸び、逃げ粘るジャーニー・オンを1馬身4分の1差し切って期待に応えました。更に半馬身差で英国産馬チャーリー・エム Charlie Em が3着。
トーマス・プロクター厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のウィッシング・ゲートは、7月デル・マーのサン・クレメンテ・ハンデ(芝GⅡ)に続く二つ目のG戦制覇。サンタ・アニタの芝コースは、2歳時に一般ステークスで2着して以来の実戦でもありました。

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