アメリカ競馬も2歳G戦がスタート

今週のアメリカはG戦も少なく、比較的落ち着いた週末になりそうです。忙しかった先週とは大違い。

さて土曜日は4場で4鞍。最初はベルモント・パーク競馬場から行きましょうか。マザー・グース・ステークス Mother Goose S (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)。馬場は good 、メインコースですから湿った馬場ということになりましょうか。出走馬は5頭でしたが、アメリカの3歳牝馬を代表する好メンバーが揃いました。エイコーン・ステークス(GⅠ)に勝ったコンテスティッド Contested が1対2の1番人気、ケンタッキー・オークス(GⅠ)の覇者ビーリーヴ・ユー・キャン Believe You Can が5対2の2番人気で続きます。
しかし結果は、クラシック2頭が共に惨敗する逆転劇。本命コンテスティッドが先頭でレースを進めましたが、馬場が合わなかったのか急激に失速、どん尻に敗退してしまいます。出遅れて内々を通ったビリーヴ・ユー・キャンもいつもの走りは影を潜め、3番手を進んだ3番人気(6対1)のゾー・インプレッシヴ Zo Impressive が最後は外に寄れながらも2着ディスポーザブルプレジャー Disposablepleasure に4分の3馬身差を付けて優勝。辛うじて3着を維持したビーリーヴ・ユー・キャンは8馬身半も離されていました。直線の進路について異議申し立てがありましたが、却下されています。
トーマス・アルベルトラーニ厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のゾー・インプレッシヴは、これがステークス初勝利。前走エイコーン・ステークスではコンテスティッドに5馬身差の2着していました。2歳時は未出走、3歳になって5戦3勝、2度ある2着はいずれもG戦でのもので、エイコーンの他にはガルフストリーム・オークス(GⅡ)での2着があります。次走は7月21日のコーチング・クラブ・アメリカン・オークス(GⅠ)を予定。
一方今回も縁が無かったビリーヴ・ユー・キャンのラリー・ジョーンズ師は憤懣やる方ない様子。何度挑戦しても勝てないマザー・グースに、“もうこのレースには出さない。次はCCAオークスに直行だ” と吠えていました。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場のデビュタント・ステークス Debutante S (GⅢ、2歳牝、6ハロン)。今シーズン最初の2歳G戦となります。fast の馬場に10頭が登録してきましたが、内8頭が前走で初勝利を飾ったという混戦のメンバー。
しかし結果はイーヴンの1番人気に支持されたブルーアイズインザレイン Blueeyesintherein が見事期待に応えました。ダンシング・エリーベル Dancing Elliebelle 、次いでマイ・ドーターズ・ソング My Daughter’s Song が入れ替わり逃げる激しい流れの4番手に待機し、直線では馬4頭分の外から抜け出し、2着クワイエット・サクセス Quiet Success に2馬身半差を付ける余裕の勝利。更に半馬身差3着にはスタートをミスした2番人気(7対2)のシーザキッティー Shesakitty が入っています。
現時点では実力が一枚上のブルーアイズインザレインは、5月31日にここチャーチル・ダウンズで牝馬限定の新馬戦(6ハロン)に勝っての2戦2勝。同馬を調教するゲーリー・シムス師は、去年のフラッシー・ラッシー Flashy Lassie に続くこのレース2連覇。112年続くこのレース史上で連覇した調教師は、スティーヴ・アスムッセン、ウェイン・ルーカス、ボブ・バファートに続く4人目なのだそうです。師はまた同馬の父マグナ・グラデュエイト Magna Graduate (祖父はダンジク Danzig というノーザン・ダンサー Northern Dancer 系)を管理した方で、父にそっくりな馬の由。勝利騎手はレアンドロ・ゴンサルヴェスでした。

モンマス・パーク競馬場からはポイリング・スプリングス・ステークス Boilling Springs S (芝GⅢ、3歳牝、8.5ハロン)。芝コースは firm 、2頭の取り消しがあって7頭が出走してきました。去年10月にキーンランドのジェサミン・ステークス(芝GⅢ)に勝ったあと3連敗中のソマリ・レモネード Somali Lemonade でしたが、出走馬中唯一のG勝馬ということで8対5の1番人気に支持されています。
レースは伏兵(20対1)ケイモン Cheimon が巧く逃げましたが、2番手でマークしていた2番人気(9対5)のダンシング・ソロ Dancing Solo が直線入口でこれを捉え、3番手追走の3番人気(7対2)ゾルタナイト Zultanite を1馬身半差抑えて優勝。ソマリ・レモネードは内から一旦は2番手に上がるも、最後は半馬身交わされての3着、逃げたケイモンが4着に粘り込みました。
トッド・プレッチャー師が調教するダンシング・ソロは、モンマス・パークでステークスに連勝、G戦は初勝利となります。今回が同馬に初騎乗となるジョー・ブラーヴォ騎手は、これがこの日4勝目と絶好調。

最後はハリウッド・パーク競馬場のハリウッド・オークス Hollywood Oaks (GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)。オールウェザー・コースは fast 、8頭が出走してきました。GⅠ(ラス・ヴィルジェネス・ステークス)馬のエデンズ・ムーン Eden’s Moon が、不利あってどん尻負けしたケンタッキー・オークス以来のレースにも拘わらずイーヴンの1番人気に支持されていました。
そのエデンズ・ムーンが逃げ、直線では2~3番手から追い上げた2番人気(7対2)ポーテスタ Potesta との激しい叩き合いに。ポーテスタが一旦は出ましたが、再びエデンズ・ムーンが差し返し、更にポーテスタが再度差を詰めたところがゴール。写真判定の結果、ハナ差でポーテスタが本命馬を捉えていました。3着は2馬身4分の1差でヴィア・ヴィラッジョ Via Villaggio 。
勝馬を調教するマイク・ミッチェル師はハリウッド・オークス初制覇、鞍上はジョセフ・タラモ。ポーテスタは前走未勝利戦を11馬身半差で圧勝し、これが未だ3戦目の新星として注目されていた存在です。ミッチェル師によれば、大柄ながら調教はし易いとのこと。2着馬からは6ポンドの斤量差に恵まれましたが、今後が楽しみな馬ですね。

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1件の返信

  1. まとめtyaiました【アメリカ競馬も2歳G戦がスタート】

    今週のアメリカはG戦も少なく、比較的落ち着いた週末になりそうです。忙しかった先週とは大違い。さて土曜日は4場で4鞍。最初はベルモント・パーク競馬場から行きましょうか。マ…

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