ストラブ三冠シリーズの終焉

昨日はアメリカ競馬第3週、ルイジアナとカリフォルニアで計3鞍のG戦が行われました。特にサンタ・アニタ競馬場では長い間ストラブ三冠として親しまれてきたシリーズが終焉を迎え、新たなローテーションで新年を迎えています。

先ずはフェア・グラウンズ競馬場の2鞍から、最初はカーネル・E・R・ブラッドリー・ハンデキャップ Col. E.R.Bradley H (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)。yielding の芝コースに4頭が取り消し、8頭立て。ここ5戦して4勝、敗れたのはチャーチル・ダウンズのリヴァー・シティー・ハンデ(芝GⅢ)での5着のみ、前走はここフェア・グラウンズでの芝一般ステークスで後方から一気の差し脚を決めていたダディー・ノーズ・ベスト Daddy Nose Best が9対5の1番人気に支持されていました。
レースは3番人気(3対1)のストリング・キング String King が逃げ、スタート直後こそ6番手だったダディー・ノーズ・ベストは、前半は最後方の内でジッと我慢。最後方のまま最後のコーナーを回ると直線では大外に回し、2番手から先頭に立った4番人気(8対1)のアディオス・ナルド Adios Nardo をゴール寸前で首差交わして鮮やかな差し切り勝ちを決めました。半馬身差3着に2番人気(5対2)のスピーキング・オブ・ウィッチ Speaking of Which が3着、逃げたストリング・キングが4着に粘っています。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、ロージー・ナプラヴニク騎乗のダディー・ノーズ・ベストは、3歳時にはエル・カミノ・レアル・ダービー(GⅢ)、サンランド・ダービー(GⅢ)に勝ってケンタッキー・ダービーは10着だった馬。G戦は3歳以来となる久し振りの勝利、芝コースのG戦は初制覇となります。
 
続くルコント・ステークス LeComte S (GⅢ、3歳、8ハロン70ヤード)は、ケンタッキー・ダービーに向けてフェア・グラウンズ競馬場(ルイジアナ州ニュー・オーリーンズ)で行われる3歳3冠の第一弾。このあと2月22日のリズン・スター・ステークス(GⅡ)、3月29日のルイジアナ・ダービー(GⅡ)へと繋がる最初のステップとなります。fast の馬場に9頭立て。前走もここフェア・グラウンズでのアローワンス戦に勝って2戦2勝のゴールド・ホーク Gold Hawk が6対5の1番人気に支持されていました。
レースは1番枠を利して6番人気(13対1)の伏兵ローマン・アンブライドルド Roman Unbridled が逃げ、ゴールド・ホークは4番手追走。しかし強かったのは2番手でマークしていた2番人気(8対5)のヴィカーズ・イン・トラブル Vicar’s in Trouble 、第3コーナーで逃げ馬に並び掛けると、直線は独走。最後は3番手から上がった5番人気(11対1)アルバーノ Albano に何と6馬身4分の3差を付ける圧勝劇でした。ゴールド・ホークも直線で伸びはしたものの、半馬身差の3着まで。
マイケル・メイカー厩舎、カーネル・ブラッドリーに続きG戦ダブル達成のロージー・ナプラヴニク騎乗のヴィカーズ・イン・トラブルは、前走2戦目でここフェア・グラウンズの未勝利戦を13馬身差で圧勝。もちろん今回がステークス・デビューで、ダービーに向けて10ポイントを獲得しました。未だ3戦の若馬、これからどこまで成長して行くかが楽しみな1頭でしょう。

さてサンタ・アニタ競馬場。冒頭で触れたように、これまで冬/春開催の目玉の一つであった明け4歳の三冠レースが、今年から廃止になりました。新年(あるいは前年末)からマリブー・ステークス→サン・フェルナンド・ステークス→ストラブ・ステークスと組まれてきた3つのG戦のうち、真ん中のサン・フェルナンドが今年は施行されません。これに伴い、最後のストラブが2週間ほど前倒しされ、昨日行われました。
ストラブ三冠が確立したのはグレード制導入の前、1952年のこと。グレード制が敷かれた1973年にはストラブのみがGⅠで、他は共にGⅡ戦でした。時代は移り、去年は最初のマリブーのみがGⅠで、他はGⅡの格付けに。1980年代はGⅠにランクされていたサン・フェルナンドは去年を以て廃止となり、その歴史を閉じました。今年からはマリブー→ストラブの2連戦となります。
そのストラブ・ステークス Strub S (GⅡ、4歳、8.5ハロン)、去年までは9ハロンでしたが、今年は約100メートル短縮されての再スタート。fast の馬場に8頭立て。去年のサン・フェリペ・ステークス(GⅡ)の勝馬で、前走ネイティヴ・ダイヴァー・ステークス(GⅢ)2着で復活の狼煙を挙げたヒア・ザ・ゴースト Hear the Ghost が7対5の1番人気。
レースは5番人気(8対1)ヘア・オブ・ストーム Heir of Storm が逃げ、ヒア・ザ・ゴーストは4番手追走。前半は先行2頭からやや離れた3番手を追走していた2番人気(3対1)のシェイキン・イット・アップ Shakin It Up が徐々に差を詰め、直線では先行2頭を外から捉えると、2番手追走から粘り込む4番人気(6対1)ガヴァナー・チャーリー Govenor Charlie に2馬身4分の1差を付ける快勝。同じく2馬身4分の1差でヒア・ザ・ゴーストが3着に追い込んでいます。1・2着は共にバファート厩舎で、師のワン・ツー・フィニッシュ。
勝馬と2着馬を管理するボブ・バファート師は、去年のギルト・トリップ Guilt Trip に続くストラブ2連覇で、同レース5度目の勝利。今回はシンガポール遠征中のデヴィッド・フローレスに乗り替わり、マイク・スミスが騎乗していました。スミス騎手は意外にもストラブ初勝利。皮肉なことにシェイキン・イット・アップは、前走9か月振りの休み明けでマリブー・ステークス(GⅠ)を7番人気(17対1)で制した馬。皮肉なことにストラブ・シリーズの二冠達成です。休養する前のサンランド・ダービー(GⅢ)では距離の壁に泣いて4着に終わっていただけに、今回も陣営は距離不安を抱えての出走、見事に不安を一掃する快走でした。

今日は時間もありますので、折角ですから三冠レースとしてのストラブ・シリーズを回顧しておきましょう。
三つのレースで最も早く創設されたのはストラブ・ステークス(当時は別の名称でしたが)の1948年。1952年になってマリブーとサン・フェルナンドが開始され、1952年から去年までは三冠の可能性がありました。グレード制導入で1973年からストラブがGⅠ、他の2レースはGⅡに格付けされています。
その後1998年にストラブはGⅡに格下げされた一方、第一弾のマリブーは1995年からGⅠに格上げ。一方サン・フェルナンドは、1981年から1989年までの9年間のみGⅠとされましたが、三つのレースが全てGⅠという期間は存在しません。

1952年から去年までの間、三冠を達成したのは全部で5頭が数えられます。グレード制以前のラウンド・テーブル Round Table (1957-1958年)とヒルスデール Hillsdale (1958-1959年)、1974年のエンシェント・タイトル Ancient Title 、1980年のスペクタキュラー・ビッド Spectacular Bid 、そして1984-1985年のプレシジョニスト precisionist です。
エンシェント・タイトルとスペクタキュラー・ビッドとはストラブのみGⅠ、プレシジョニストはマリブーのみGⅡだった時代です。今後はストラブ三冠馬も、その呼称も話題になることはないでしょう。

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