フェド・ビス本格化?

今週のアメリカG戦は、土・日共にガルフストリームとサン・アニタで一鞍づつ、いずれも古馬に開かれた重賞が行われます。

1月12日の土曜日、ガルフストリーム・パーク競馬場ではフォート・ローダーデール・ステークス Fort Lauderdale S (芝GⅡ、4歳上、8.5ハロン)が行われました。馬場は firm 本来なら1番人気になるはずのドミナス Dominus が取り消し、更にダートに変更された時の出走予定馬も1頭取り消して9頭立て。3戦続けて2着の後、12月に一般ステークスを連勝したニッキズ・サンドキャッスル Nikki’s Sandcastle が2対1の1番人気に推されています。
先手を取ったのは4番人気(9対2)のフィフティー・プルーフ Fifty Proof 、比較的ゆったりしたペースで流れを作ります。直線、馬場のインコースがゴチャつく中、3番手を進んだ伏兵(19対1)ティズ・サードニック・ジョー Tiz Sardonic Joe が抜け出して勝利を手にしたと思われましたが、前半は離れた最後方に待機したブービー人気(40対1)のムチョ・マス・マチョ Mucho Mas Macho が大外に持ち出して急襲、ゴール直前でティズ・サードニック・ジョーを首差捉えての大波乱でした。1馬身差3着に2番人気(4対1)のビッグ・ブルー・キッテン Big Ble Kitten が入り、本命ニッキズ・サンドキャッスルは頭差及ばず4着。
ヘンリー・コラゾ厩舎、フアン・レイヴァ騎乗のムチョ・マス・マチョは、これがG戦初勝利。前走(11月24日)カルダーのW・L・マックナイト・ハンデ(芝GⅡ)では2着だった馬で、勝星は去年9月の一般ステークス戦以来のもの。明け4歳の小柄なせん馬で、父マチョ・ウノ Macho Uno の産駒に共通する晩熟のタイプ。今期の更なる飛躍が期待される1頭です。

続いてはサンタ・アニタ競馬場からサン・フェルナンド・ステークス San Fernando S (GⅡ、4歳、8.5ハロン)。ストラブ・シリーズの第2弾に当たるGⅡ戦です。ところで牝馬のキャニャーダ・シリーズの第2弾となるエル・エンシーノ・ステークスはどうやら施行されないようで、去年に続いて2年連続で3冠が断念される様子。この時期に4歳(前年の3歳から足掛けで)馬のみの三冠というスタイルそのものが成り立ち難くなっているのでしょう。
それを反映してか、サン・フェルナンドには去年暮れのマリブー・ステークスの上位馬は全て出走を回避。この時点で三冠の意味は無くなっていました。fast の馬場、1頭取り消して9頭が出走してきましたが混戦。人気も割れて、僅かの差で今回がG戦デビューとなるマイル・ハイ・マジック Mile High Magic が4対1の1番人気。未だ2勝馬ですが、これまでの7戦全て1番人気と言う評判馬です。前走は11月のサンタ・アニタ、一般ステークスでの5着でした。やや危ない本命でしょうか。
レースは2番人気(9対2)のフェド・ビズ Fed Biz が逃げ、大外10番枠スタートのトライタップ Tritap (9対1、8番人気)が2~3番手で追走。直線に向いても2頭の行き足は衰えず、最後も終始内を通ったフェド・ビズが外のトライタップを頭差抑えて優勝。3着には後方からギルト・トリップ Guilt Trip が目の覚めるような末脚で追い込みましたが半馬身届かず。人気のマイル・ハイ・マジックはスタートに失敗、終始後方のまま最下位に終わりました。
勝馬を管理するボブ・バファート師にとってはこれがサン・フェルナンド5勝目。フェド・ビズはこれがG戦初勝利となりますが、去年の今頃はバファート厩舎のケンタッキー・ダービー候補筆頭だった馬。2月に故障して戦列を離れ、復帰後はBCダート・マイル8着、前走のマリブーでは焦れ込みのため6着に終わっていました。前走で初めて同馬に騎乗した名手マイク・スミス、前回の経験を活かして馬をリラックスさせることに専念したのが勝因のようです。このあとストラブ・ステークスは2月2日、サンタ・アニタ・ハンデは3月2日に予定されています。バファート師の期待に応えてフェド・ビズが本格化するかに注視して行きましょう。

ところで先日カムバックを果たしたゲーリー・スティーヴンス騎手、この日のサンタ・アニタの第1レスで見事に復帰後の初勝利を飾っています。3歳牝馬の未勝利戦、7頭立て4番人気のブランディング Branding で鮮やかな追込みを決める辺り流石。
前回の引退までに4889勝の実績を持つスティーヴンス、何処まで記録を伸ばせるでしょうか。武豊の3500勝と比べるのも一興か。

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