4月5日のアメリカ競馬(2)

先週土曜日のアメリカ競馬、当方の都合で小分けしながらレポートを書いていますが、2回目はアケダクト競馬場を取り上げましょうか。G戦は4鞍、ニューヨーク州では今年最初のGⅠ戦2鞍を含みます。

この日は全てダート・コースで、馬場は fast 。最初はベイ・ショア・ステークス Bay Shore S (GⅢ、3歳、7ハロン)。クラシックというよりスプリンターに適したレースで、8頭立て。サンタ・アニタのサン・ヴィセンテ・ステークス(GⅡ、7ハロン)に勝ったものの、距離が伸びた前走レベル・ステークス(GⅡ、8.5ハロン)で7着に敗退、今回7ハロンに戻ったコービーズ・バック Kobe’s Back が6対5の1番人気。
出遅れ癖が付いた本命馬、今回もゆっくりしたスタートから最後方を進む展開。2番人気(4対1)フェイヴァリット・テール Favorite Tale が逃げ、4頭が先行グループを形成します。先団からやや離れたグループの先頭にいた5番人気(7対1)のクー・ド・グラー Coup de Grace が外を回って追い上げ、先団グループから抜けた3番人気(5対1)オリヴァー・ジップ Oliver Zip との争いになったと思われた時、最後方からエンジンが掛かったコービーズ・バックが大外から迫ります。最後はクー・ド・グラーがハナ差でオリヴァー・ジップを捉え、コービーズ・バックは半馬身差で3着。
チャド・ブラウン厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のクー・ド・グラーは、11月にアケダクトの6ハロン戦で新馬勝ち、12月にもガルフストリームで連勝。1月のホーリー・ブル・ステークス(GⅡ)では10着と大敗していました。

続いてガゼル・ステークス Gazelle S (GⅡ、3歳牝、9ハロン)。以前は秋のGⅠ戦でしたが、去年から春に移動してGⅡに格下げされた一戦。一方でクラシックのトライアルと言う性格が生まれてきました。6頭立て、4対5の圧倒的1番人気に支持されたマイ・ミス・ソフィア My Miss Sophia は、3月9日に2戦目で初勝利を挙げた新星。これがステークス・デビューとなります。
スタートから先手を取ったマイ・ミス・ソフィア、初めての距離も問題にせず、持ったままで直線に向かうと、あとは後続を引き離す独走で、2着以下に7馬身4分の1差を付けてステークス戦デビューを勝ち取りました。2着には同じ厩舎の2番人気(5対2)ゴット・ラッキー Got Lucky が入り、半馬身差の3着は3番人気(3対1)のスイート・リーズン Sweet Reason 。
ワン・ツー・フィニッシュとなったトッド・プレッチャー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のマイ・ミス・ソフィアは、これで3戦2勝2着1回、2月のガルフストリームでのデビュー戦は2着でした。本番1か月前にシッカリとオークスへのチケットを入手したことになります。

そしてニューヨーク最大のダービー・トライアルたるウッド・メモリアル・ステークス Wood Memorial S (GⅠ、3歳、9ハロン)。1頭が取り消して10頭立て。8対5の1番人気に支持されたソーシャル・インクルージョン Social Inclusion は、ステークス初挑戦ながら2戦2勝の期待馬。3月12日のアローワンス戦では2着以下に10馬身の大差を付け、コース・レコードを更新する圧勝でしたが、そのときの2着馬オナー・コード Honor Code はレムゼン・ステークス(GⅡ)勝馬だっただけに、比較の上からも実力上位と見做されていました。
そのソーシャル・インクルージョン、大外11番枠からのスタートで気合を入れながら先頭、これに相手と見られる2番人気(3対1)でガッサム(GⅢ)、ウィザーズ(GⅢ)を制しているサムラート Samraat が徐々にポジジョンを挙げながら2番手に進出してきました。2頭の一騎打ちと見られましたが、前半内の6番手で待機していた5番人気(9対1)のウィックド・ストロング Wicked Strong が人気2頭を外から纏めて一気に交わすと、2馬身半差を付ける逆転劇。2着はハナ差でサムラートが僅かに競り勝ち、ソーシャル・インクルージョンは2着。
ジェームス・ジャーケンズ厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のウィックド・ストロングは、10月にベルモントで初勝利を記録して以来の久々の優勝。11月のレムゼンは3着、年が明けて1月のホーリー・ブル(GⅡ)では9着と大敗し、2月のガルフストリームで走ったアローワンスでも4着に終わっていました。これで6戦2勝、最後のチャンスでダービーへの切符を手にしています。

この日最後のアケダクトG戦は、短距離のGⅠ戦カーター・ハンデキャップ Carter H (GⅠ、3歳上、7ハロン)。7頭が出走し、休養明けとなるボールド・ルーラー・ハンデ(GⅢ)勝馬のクリアーリー・ナウ Clearly Now が5対2で1番人気、僅かの差で同じオッズ、メトロポリタン・ハンデ(GⅠ)勝馬サハラ・スカイ Sahara Sky がこれに続きます。
ダッシュ良く飛び出したのは、2番目に軽いハンデ(114)の6番人気(10対1)ダッズ・キャップス Dads Caps 。全馬が一団で進むコンパクトな流れの中、逃げたダッズ・キャップスが直線に入るや一気に後続との差を広げます。これがまんまと奏功、サハラ・スカイが懸命に追い上げましたが1馬身半差届かず。本命クリアリー・ナウも中団から追い込みましたが、更に3馬身4分の3差を付けられての3着入線に終わりました。サハラ・スカイは、去年に続きカーター連続2着。
元ジョッキーのルディー・ロドリゲス師にとっては、これが調教師としてのGⅠ初勝利。また騎乗したルイス・コントレラス騎手にとってもGⅠ初制覇となりました。ダッズ・キャップスの勝利は、去年11月アケダクトのアローワンス戦以来となり、ステークスは初勝利。いきなりのG戦勝利をGⅠで飾るという快挙でもあります。ここ3戦連続で2着、勝利は目前に迫っていました。通算成績は9戦4勝2着3回3着1回となり、アローワンス戦の勝利が2つという内容。

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