4月5日のアメリカ競馬(3)

休み休み書いている5日のアメリカ競馬、やっとのことで最後まで辿り着きました。カリフォルニアはサンタ・アニタ競馬場の3鞍、同州最後のクラシック・トライアルです。

最初はオークスのトライアル、サンタ・アニタ・オークス Santa Anita Oaks (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)から。馬場は fast 、1頭が取り消して7頭立て。BCジュヴェナイル・フィリーズの覇者で、ボブ・バファート厩舎に転向しての初戦を迎えるリア・アントニア Ria Antonia が6対5の1番人気。
相手と目される2番人気(2対1)ファッション・プレート Fashion Plate が1番枠スタートから先手を取ると、4番手から追い上げるリア・アントニアの追撃を1馬身4分の1差抑えて快勝、オークスへの100ポイントを獲得しました。3馬身4分の3差でベイジャン Bajan が3着。
サイモン・キャラガン厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のファッション・プレートは、前走ラス・ヴァージェネス・ステークスに続くGⅠ2連勝を含め3連勝。前走は最後で2着に詰め寄られ、距離不安を感じさせる内容でしたが、今回は更に距離が伸びても問題なしと思えるレース振り。陣営の本番への期待は更に高まったようです。

続いては芝コースの3歳牝馬戦、プロヴィデンシア・ステークス Providencia S (芝GⅢ、3歳牝、9ハロン)。firm の馬場に10頭が出走、前走チャイナ・ドール・ステークス(一般ステークス)に勝ったディヴァーシー・ハーバー Diversy Harbor がイーヴンの1番人気に支持されていました。
レースはアイルランド産の伏兵(55対1)ソレスカ Soresca が逃げ、ディヴァ―シー・ハーバーは後方2番手の待機策。3番手に付けていた3番人気(6対1)のワン・モア One More が抜け出して一旦先頭に立ちましたが、4番手追走の2番人気(5対2)ナショバズ・ゴールド Nashoba’s Gold が4頭分の外から脚を伸ばして先頭。本命ディヴァーシー・ハーバーは直線で思い切りインコースを衝いて先頭に迫る勢いでしたが、最後はナショバズ・ゴールドが本命馬を1馬身抑えて優勝。更に2馬身半差でワン・モアが3着。
カーラ・ゲインズ厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のナショバズ・ゴールドは、2月8日にデビュー勝ち。続く前走チャイナ・ドールではディヴァーシー・ハーバーの2着に敗れ、ここで雪辱を果たしました。3戦2勝、こちらは芝のクラシック路線を歩むことになるでしょう。

さて漸く辿り着いたサンタ・アニタ・ダービー Santa Anita Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)。もちろん西海岸のダービー候補決定戦でもあります。8頭が揃い、3対5の断然1番人気に支持されたのは、3連勝中のカリフォルニア・クローム California Chrome
伏兵(33対1)ダブリン・アップ Dublin Up の逃げで始まり、2番手でマークしたカリフォルニア・クロームは何時でも抜け出す構え。直線持ったままで先頭に立つと、そのまま独走、5番手から追い縋る3番人気(4対1)のホッパチュニティー Hoppertunity に馬なりのまま5馬身4分の1差を付ける圧巻の横綱相撲でした。3馬身半差で3番手を追走した2番人気(5対2)のキャンディー・ボーイ Candy Boy が3着。
アート・シャーマン厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のカリフォルニア・クロームは、これで4連勝。走るたびに前走のパフォーマンスを上回ってきた同馬、そのプロフィールは既に紹介しましたが、ダービーへのポイントでもトップに立ち、恐らくダービーの本命に推されるでしょう。カリフォルニア産馬としてダービーに勝てば、1962年のディサイデッドリー Decidedly 以来の快挙となります。因みに今年77歳を迎えたシャーマン師は、実は1955年のカリフォルニア産ダービー馬スワップス Swaps の調教騎手を務めた方。師にとっては「私のスワップス」という願ってもないチャンスの到来でもあります。

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