又しても世界記録更新

一昨日の日曜日から昨日に掛けて小欄は京都に出張、週末からパソコンとは無縁の二日間を過ごしていました。で、土日のアメリカ競馬、すっかり賞味期限が切れてしまいましたので、簡単に結果だけを記録しておきましょう。

先ずは3月23日に行われた5鞍のG戦、最初はアケダクト競馬場のエクセルシオ・ステークス Excelsior S (GⅢ、3歳上、9ハロン)。fast の馬場に7頭立て、一昨年のベルモント・ステークス馬ルーラー・オン・アイス Ruler On Ice 登場が注目されましたが人気は2番手(5対2)。クラシック馬を抑えて1番人気(2対1)に支持されたのは、2頭出しプレッチャー厩舎の1頭で上昇著しいモーディズ・ミラクル Mordi’s Miracle 。去年12月、漸く5戦目でアケダクトで初勝利を挙げた馬ですが、2着に9馬身以上と言う勝ちっ振りがニューヨークの競馬ファンにアピールしていたのでしょう。
そのモーディズ・ミラクルが先頭から飛ばして逃げ切る勢いでしたが、前半5番手を追走した3番人気(3対1)のラスト・ガンファイター Last Gunfighter が直線で思い切り内を衝き、ラチ沿いに抜け出して本命モーディズ・ミラクルに2馬身差を付けていました。5馬身半差の3着にはイズント・ヒー・パーフェクト Isn’t He Perfect が入り、注目のルーラー・オン・アイスは精彩なく5着敗退。
チャド・ブラウン厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のラスト・ガンファイターは、5連勝でG戦初勝利というこれも上がり馬。ヘレン・ビッツ厩舎からブラウン師の元に転じてからは無敗の新星です。

次にガルフストリーム・パーク競馬場からパン・アメリカン・ステークス Pan American S (芝GⅡ、4歳上、12ハロン)。firm の芝コースに10頭が揃い、去年のこのレースを制したニュースダッド Newsdad が8対5の1番人気。これがシーズン初戦、去年10月にポリトラックのファイエット・ステークス(GⅡ)に勝って以来の休養明けながら、連覇に期待が掛かります。
レースは2番人気(9対2)ティークス・ノース Teaks North の逃げを並んだ3番人気(5対1)アイオヤ・ビッグタイム Ioya Bigtime が追走する速い流れ。アイオヤ・ビッグタイムが逃げ馬を捉えた所、4番手追走の同じく5対1のトゥワイライト・エクリプス Twilight Eclipse が内ラチ沿いに進路を取ると一気に加速、アイオヤ・ビッグタイムを4馬身突き放しての快勝です。最後方に控えたニュースダッドも良く追い上げましたが、2着に1馬身半差及ばず3着まで。
勝時計2分22秒63はコース・レコードであると同時に12ハロンの世界記録更新。実はこの距離、先週のサン・ルイス・レイ・ステークスでハットトリック Hat Trick 産駒のブライト・ソート Bright Thought が世界記録を樹立したばかりでしたが、2週連続での記録更新。ブライト・ソートのタイム(2分22秒72)は日本でも報道されていましたが、0秒09差で一週間天下だったようです。
トーマス・アルベルトラーニ師が管理、ハヴィエル・カステラノが騎乗したトゥワイライト・エクスプレスは、去年11月にカルダーでW・L・マックナイト・ハンデ(芝GⅡ)に勝った4歳馬。前走2月のマック・ダイアルミダ・ハンデ(芝GⅡ)は4着で、先着したティークス・ノース(2着)とアイオヤ・ビッグタイム(3着)の両馬に雪辱した形です。馬場が前走以上に固かったことが勝因で、世界記録更新にも繋がったのでしょう。

そしてサンタ・アニタ競馬場のトーキョー・シティー・カップ Tokyo City Cup (GⅢ、4歳上、12ハロン)。日本でもお馴染み? の一戦ですが、fast の距離にマラソン・ランナー8頭が挑戦してきました。1番人気(5対2)に2頭が並ぶ混戦で、去年のBCマラソンで穴を開けたカリドスコピオ Calidoscopio と、去年のこのレース2着馬ダーマー Dhaamer が並びます。
アルゼンチンの伏兵(25対1)バッティ・マン Batti Man が先手を取って淡々たる流れ。カリドスコピオは最後方から、一方ダーマーは3番手を追走します。しかし2番手でマークした4番人気(5対1)スカイ・キングダム Sky Kingdom が3コーナーで先頭に並び掛けると勝負あった。そのまま5番手から追うオイルイズブラックゴールド Oilisblackgold に3馬身4分の3差を付けて日本との交流戦を制しました。更に4馬身4分の1差でヴェテランのリチャーズ・キッド Richard’s Kid が3着。カリドスコピオは5着、ダーマーも6着敗退と波乱の結果でした。
ボブ・バファート厩舎、マーチン・ガルシア騎乗のスカイ・キングダムは、ほぼ1年振りの実戦となった前走のアローワンスで3着。この距離はもちろん初体験で、G戦も初勝利となります。

最後にターフウェイ・パーク競馬場からクラシック・トライアルを2鞍。夫々ケンタッキーのオークス・ダービーに向けて勝馬には50ポイントが加算されるレースです。最初に牝馬のバーボネット・オークス Bourbonette Oaks (GⅢ、3歳牝、8ハロン)。馬場は fast 、12頭立て。GⅠ(ハリウッド・スターレット)勝馬のピュア・ファン Pure Fun が順当に4対5の断然1番人気に支持されていました。
しかしここも他の3場同様に1番人気は勝てず、波乱の結果に。2番手から3番手の好位追走した3番人気(9対1)のシルスティア Silstia が、早目先頭の伏兵(31対1)マラソン・レディー Marathon Lady をハナ差捻じ伏せての逆転劇。本命ピュア・ファンは3馬身離された3着に終わりました。
終わって見ればトッド・プレッチャー師の管理馬、ジョン・ヴェラスケスが騎乗したシルスティアは、これが僅かに4戦目でのステークス・デビュー。2歳のデビュー戦に勝ったものの、その後は4着、3着と続けての2勝目。50ポイントを獲得してオークスの可能性も出てきました。

一方牡馬のホースシュー・カジノ・シンシナティ・スパイラル・ステークス Horseshoe Casino Cincinnati Spiral S (GⅢ、3歳、9ハロン)。去年はヴィネリー・レーシングが冠で、「スパイラル・ステークス」が本来のレース名です。こちらもフルゲート12頭立てで、バーボネット・オークスを上回る混戦。1番人気(3対1)は、モット厩舎の新星マイ・ネーム・イズ・マイケル My Name Is Michael と、ケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)覇者アンキャプチャード Uncaptured とが分け合っていました。
予想同様に結果も大混戦で、勝ったのは5番手追走の6番人気(15対1)ブラック・オニックス Black Onyx 。1馬身半差2着に成績上位の本命アンキャプチャードが入り、2番手追走のジャイアント・フィニッシュが3着。
勝ったブラック・オニックスは、ケリー・ブリーン厩舎、ジョー・ブラーヴォ騎乗。去年11月にアケダクトの未勝利戦を、2月にはガルフストリームのアローワンス戦にも勝っていてこれが3勝目(5戦)。オークスに続いて新たに台頭してきたクラシック候補と言えるでしょう。

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