百万ドル牝馬、遂にGⅠ奪取

毎週土曜日はG戦が二桁行われてきたアメリカ競馬ですが、来月初めのBCへのトライアルも全て終了し、今週は静かなもの。昨日はG戦が2鞍でしたし、日曜日も一鞍しか行われません。

ということで10月11日のレポート、一つはベルモント・パーク競馬場のニッカーボッカー・ステークス Knickerbocker S (芝GⅢ、3歳上、9ハロン)。雨のために馬場は yielding と重くなり、連覇が掛かっていたザー・アプルーヴァル Za Approval を含めた3頭が取り消して6頭立て。興味も頭数も半減した印象です。去年のカナダの年度代表馬アップ・ウィズ・ザ・バーズ Up With the Birds が2対1の1番人気。
レースは3頭が並んだ3番人気(4対1)の一角プレインヴュー Plainview が逃げ、アップ・ウィズ・ザ・バーズは大きく離れた最後方からの競馬。前半3番手に付けていた同じく4対1のレジェンダリー Legendary が外から徐々に進出、直線で逃げ馬を捉えると、最後方から猛追するアップ・ウィズ・ザ・バーズに1馬身4分の1差を付けて優勝。更に1馬身半差でこれも後方2番手から追い込んだ2番人気(7対2)のミシャウィッシュ Mshawish が3着。
ナイアル・セイヴィル厩舎、シェルドン・ラッセル騎乗のレジェンダリーは、これがG戦初勝利となる英国産の5歳せん馬。前走ローレル競馬場のジャパン・レーシング・アソシエーション・ステークス(日本中央競馬会の名を冠した一般ステークス)に勝っていましたから、日本との縁も満更ではありません。セイヴィル師は、障害の騎手出身で2008年に調教師として開業。これが馬共々G戦初勝利となります。
もう一鞍がキーンランド競馬場のクィーン・エリザベスⅡ世チャレンジ・カップ Queen Elizabeth Ⅱ Challenge Cup (芝GⅠ、3歳牝、9ハロン)。こちらも馬場は雨で soft 、残念ながら2頭が取り消して7頭立てとなってしまいましたが、GⅠ馬2頭を含めてG戦勝馬がズラリ。人気も割れ、5対2の1番人気に支持されたのはフランスから転じてアメリカのデビュー戦(サンズ・ポイント・ステークス、芝GⅡ)に勝ったボール・ダンシング Ball Dancing と、今期3戦無敗のクラウン・クィーン Crown Queen が並んでいました。
最低人気(と言っても本命とは然程差の無い8対1)のシー・クィーン Sea Queen が逃げ、ベルモント・オークス(芝GⅠ)馬マイノレット Minorette が2番手追走。4番手から3番手に上がったクラウン・クィーンが直線で抜け出すと、後方2番手から追い込むボール・ダンシングに4分の3差を付ける快勝でした。2馬身差の3着は、最後方から追い込んだ5番人気(7対1)のシスタス・ストロール Sistas Stroll と、8対1ながらデル・マー・オークス(芝GⅠ)馬パーソナル・ダイアリー Personal Diary が同着で並んでいました。マイノレットは直線で交わされ5着敗退。
ウイリアム・モット厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のクラウン・クィーンは、前走サラトガのレイク・プラシッド・ステークス(芝GⅡ)を含めて3連勝と本格化してきた1頭。これでシーズン無敗記録を4に伸ばし、GⅠ馬のタイトルを獲得しました。彼女の半姉はBCディスタッフを2度制した名牝ロイヤル・デルタ Royal Delta で、キーンランドの競りで160万ドルを付けた超高馬。姉ロイヤル・デルタも祖母もモット師が管理した縁の血統でもあります。

 

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