降格されたサンタ・バーバラ・ハンデ
４月１３日の日曜日も、キーンランドとサンタ・アニタでＧ戦が行われました。
キーンランド競馬場では３歳牝馬のボーモント・ステークス Beaumont S (ＧⅡ、３歳牝、７ハロン)。１頭が取り消して７頭立て。ポリトラック・コースは初体験ながら、前走一般ステークスに勝ったレディー・トゥー・アクト Ready to Act が９対５の１番人気。
３番人気(９対２)のリッチーズ・パーティー・ガール Richies Party Girl が逃げ、５番人気(６対１)のケイティーズ・アイズ Katie’s Eyes が追走する流れ、レディー・トゥー・アクトは最後方に待機します。３コーナー手前から徐々にポジションを挙げた本命馬、馬４頭分の外を３番手で直線に入ると、後は末脚を繰り出して２番人気(３対１)スイート・ウイスキー Sweet Whiskey に半馬身差を付けて優勝。４分の３馬身差でケイティーズ・アイズが３着。レディー・トゥー・アクトは終始横を向いて走る様な癖があるようで、レースに集中すればもっと強くなるのでは、という印象でした。
チャド・ブラウン厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のレディー・トゥー・アクトは、これで６戦３勝２着１回となる芦毛馬。前走(と言っても１月２６日)ガルフストリームの芝コースで行われたスイーテスト・チャント・ステークスに続きステークス連勝。一応このレースの勝馬にもケンタッキー・オークスへの１０ポイントが加算されましたが、オークスに向かうことはないと思われます。
そしてサンタ・アニタ競馬場、先ずは サンタ・バーバラ・ハンデキャップ Santa Barbara H (芝ＧⅢ、４歳上牝、１０ハロン)。１９７３年にグレード制が導入された当時はＧⅠ最高格にランクされていた同レースですが、１９９６年にＧⅡに降格され、更に今年からはＧⅢに降格されてしまいました。芝の長距離戦、賞金の関係(総賞金は１５万ドル、勝馬は９万ドル)でしょうが、かつての名声は望めない一戦です。firm のコースに８頭立て。前走サンタ・アナ(ＧⅡ)で初めてＧ戦勝馬となったストーミー・ルーシー Stormy Lucy が８対５の１番人気。
逃げたのは最低人気(５０対１)のフォニーブックスンレコーズ Phonybooksnrecords 。前半５番手で待機したストーミー・ルーシーは、大外を通って直線に向くと、４番手から早目に抜け出したアルゼンチン馬ミス・セレンディピティー Miss Serendipity を一歩一歩追い詰め、ゴール直前で首差捉えていました。４馬身４分の１差が付いてチェンジザチャンネル Changethechannel が３着。シャンペンアンドキャヴィア Champagneandcaviar が４着と、やたらに長い名前の馬が目立ちます。
ストーミー・ルーシーは、前走サンタ・アナに勝ったあとスティーヴ・モーガー氏が前の持ち主から購入したばかり。以前のフランク・ルカレッリ厩舎から、オーナーの弟が管理するエド・モーガー厩舎に転じての初戦。陣営としては即戦力を手にした訳ですから、そのままの勢いでＧ戦を奪取したことになりましょう。鞍上は前走からコンビを組み始めたラファエル・ベハラノ。
最後は独特のヒルサイド・コースで行われる芝の短距離戦、サン・シメオン・ステークス San Simeon S (芝ＧⅢ、４歳上、６．５ハロン)。こちらは牡馬のスプリンターが集まりました。出れば人気になるはずの去年の覇者チップス・オール・イン Chips All In が取り消して９頭立て。９対５の１番人気には、前走同じコースで行われた一般ステークス(ジョー・ヘルナンデス・ステークス)に勝ったスイート・スワップ Sweet Swap が選ばれ、同じオッズで僅かの差に前走フランク・キルロー・マイル(芝ＧⅠ)６着のレイカーヴィル Lakerville が続きました。
先手を取ったスイート・スワップ、独特のコースを無駄なく逃げると、前半７番手から猛然と追い込むレイカーヴィルを半馬身差凌いでの逃げ切り勝ち。３着は２馬身半差が付いてハンサム・マイク Handsome Mike が続きました。
ジョン・サドラー厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のスイート・スワップは、前々走同じコースのクロッカーズ・コーナー・ステークス(一般ステークス)ではレイカーヴィルの２着(１馬身４分の１)に敗れたものの、最近５戦で４勝。通算成績も１２戦６勝２着２回３着１回と堅実。サンタ・アニタ・ダービー馬シドニーズ・キャンディー Sidney’s Candy の二つ下の全弟という血統的背景もある５歳馬です。
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