夏の終わり、レイバー・デイはサラトガ競馬場の千秋楽

9月の第1月曜日は、アメリカではレイバー・デイ(労働者の日)でお休みです。競馬は3場で行われていて、特別この日に競馬祭りが開催されるペンシルヴァニアの新しい競馬場も紹介しましょう。

先ずは、このコーナー初登場のパークス・レーシング競馬場。ペンシルヴァニア州の競馬場で、1974年開場。当初はキーストン競馬場と呼ばれていました。1984年にオーナーが替ってフィラデルフィア・パーク競馬場と改称されましたが、その後も度々オーナーが替り、現在の名称になったのは去年の8月末のこと。ことの顛末はこちらをご覧あれ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Parx_Racing_and_Casino
ということで、ターフ・モンスター・ハンデキャップ Turf Monster H (芝GⅢ、3歳上、5ハロン)。今年からGⅢに格上げされたレースで、意外にもアメリカでは珍しい芝コースで行われる最短距離戦。ブリーダーズ・カップ・シリーズに指定され、勝馬には自動的にブリーダーズ・カップ・ターフ・スプリントへの出走権が与えられます。
今年の勝馬はベンズ・キャット Ben’s Cat 。11頭立て。直線入口でセントラル・シティ Central City が心臓発作を発生して死去するアクシデントがありました。勝ったベンズ・キャットは、スタート直後は後ろから二つ目。直線で大外から鋭く伸び、内から抜け出したパーフェクト・オフィサー Perfect Officer に半馬身差を付けて優勝。G戦ではありませんが、7月30日に行われたペン・ナショナル競馬場の同じ距離・ペンシルヴァニア・ガヴァナーズ・カップ・ハンデとの二冠を達成しました。これで17戦12勝、ステークスは7勝目ながらG戦は初勝利です。
調教師はキング・レザーバリー、騎手はジェレミー・ローズ。

最終日となるサラトガ競馬場のホープフル・ステークス Hopeful S (GⅠ、2歳、7ハロン)。1903年創設、2歳馬のためのシーズン最初のGⅠ戦として重要。現在ではブリーダーズ・カップの指定レースで、勝馬には自動的にブリーダーズ・カップ・ジュヴェナイルへの出走権が与えられます。レース名は「前途有望」の意味で、サラトガで行われるサンフォード・ステークス、サラトガ・スペシャル・ステークスと合わせて三冠を構成するとも言えましょう。
今年の勝馬はカレンシー・スワップ Currency Swap 。10頭立て。雨で泥田のような馬場の中、スタートして4番手に付けた1番人気のカレンシー・スワップがレース中程で一気に二番手に上がり、直線で逃げたトリンバーグ Trinnberg を4分の3馬身捉えて優勝。デビュー戦の圧勝に続いて2戦2勝となります。2番人気に支持されていたジェイ・シーズ・プライド J C’s Pride は4コーナー手前で競走中止するほどの酷い馬場でした。
調教師はテレサ・ポンペイ、騎手はラジーヴ・マラー。

サラトガ最後のステークスとなるグレンズ・フォールズ・ステークス Glens Falls S (芝GⅢ、3歳上牝、11ハロン)。1996年創設。これも地名シリーズの一戦で、芝コースで行われる牝馬のための長距離戦。ヨーロッパ馬が活躍することが多いレースです。
今年の勝馬はエメラルド・ビーチ Emerald Beech 。9頭立て。前半は6番手の内々、向正面で外に出し、3コーナーからスパート。直線入口では単独2番手に上がり、直線で逃げたダイナスルー Dynaslew を並ぶ間も無く交わし、1馬身半差を付ける快勝。これで4連勝、G戦は初勝利となります。
調教師はジョナサン・シェパード、騎手はアレックス・ソリス。

デル・マー競馬場のパロマー・ハンデキャップ Palomar H (芝GⅡ、3歳上牝、8.5ハロン)。1945年創設。芝コースのレースになったのは1970年からで、レース名は地名シリーズ。カリフォルニア州のパロマー山に由来し、世界最大級の反射望遠鏡を持つ天文台があることで有名。
今年の勝馬はシティ・トゥ・シティ City to City 。9頭立て。前半は中団の内ラチ沿いに付け、最短距離を使って直線へ。最後は逃げたメダリア・ダムールをゴール前4分の3馬身捉えて優勝。去年の4月以来、1年5か月ぶりの勝利となりました。
調教師ジェリー・ホーレンドルファーは、前日ゴールデン・ゲート・フィールズ競馬場で生涯6000勝目を記録した殿堂入り名調教師。騎手ギャレット・ゴメスは、同馬には初騎乗でした。

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