2014ジュライ・ミーティング初日

今年もニューマーケットのジュライ・フェスティヴァルがやってきました。ギニーが行われるロウリー・マイルとは別、主に直線コース主体のジュライ・コースで行われる3日間です。
初日の昨日は good to firm 、所により good の馬場でしたが、天候は一日雨が続いたらしく、観客にとっては散々な初日だったようです。パターン・レースは第1レースから3レース連続、順に紹介して行きましょう。例年と同じレース順です。

バーレーン・トロフィー Bahrain Trophy (GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)は2頭が取り消して6頭立て。1番人気は2対1の2頭が並ぶ接戦で、方や前走ドンカスターの未勝利戦を楽勝したフォレヴァー・ナウ Forever Now と、此方ロイヤル・アスコットのハンデ戦(キング・ジョージ5世ハンデ)を重い重量で2着したウインドシーア Windshear というオッズ。
しかしレースは人気2頭に続く3番人気(9対4)ハートネル Hartnell の逃げ切り勝ち。後方から追い込んだウインドシーアが2馬身4分の3差で2着に入り、先行したフォレヴァー・ナウが3馬身差の3着と比較的順当に収まりました。

マーク・ジョンストン厩舎、ジョー・ファニング騎乗のハートネルは、前走ロイヤル・アスコットでクィーンズ・ヴァース(リステッド戦、16ハロン)に勝った馬。その前にはリングフィールド・ダービー・トライアル(これもリステッド戦)で2着でした。クィーンズ・ヴァースは今年からリステッドに格下げされたレースで、去年までの様にGⅢだったならペナルティーを背負わねばならず、あるいは出走しなかった可能性もあるでしょう。
ヴァーズの2マイルに比べて3ハロンも短いここでは距離が短過ぎるとの評価で3番人気でしたが、事実上G戦クラスを2連勝したことでセントレジャーへの意欲も沸いてきたようです。実際、陣営はレジャーが年初からの目標だったそうで、12対1のオッズが出されました。2着したハノン厩舎のウインドシーアも最後のクラシックが目標。

続いては伝統の2歳戦、ジュライ・ステークス July S (GⅡ、2歳、6ハロン)。12頭が出走し、新馬勝ちのみの馬は4頭。ロイヤル・アスコット参戦組との力比較が見どころでしょう。そんな中で3対1の1番人気に支持されたアイヴァウッド Ivawood は、アスコットには間に合わず6月13日にサンダウンの新馬戦でデビュー勝ちした1頭。近年このレースを独占しているハノン厩舎の馬という点も人気の要因でしょう。

そのアイヴァウッド、期待に違わぬ逃げ切り勝ちで期待に応えました。2馬身4分の3差で3番人気(13対2)のジャングル・キャット Jungle Cat が2着、更に半馬身差の3着には7番人気(12対1)で1戦1勝のムハーラー Muhaarar 。
2着ジャングル・キャットはロイヤル・アスコットのコヴェントリー・ステークス(GⅡ)で3着した馬で、勝馬の評価を高めるでしょう。またデビュー戦でアイヴァウッドの2着だった馬も直ぐに次のレースで勝っており、レヴェルの高い馬と見做して良さそうですね。

この勝利でジュライ・ステークス3連覇となるリチャード・ハノン陣営(去年までは父、今年からは同名の息子)は、ここ5年で4勝目、主戦のリチャード・ヒューズが騎乗していました。厩舎では同馬をエース格のトルネード Toronado と比較し、ここまでの2歳馬では最強、来年は2000ギニーを目指すことを明言。ギニーには20対1のオッズが出されています。

この日最後のG戦はプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス Princess of Wales S (GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)、2頭が取り消して6頭立て。前走ロイヤル・アスコットのハンデ戦(デューク・オブ・エディンバラ・ハンデ)を含め今期4連勝中の上がり馬アラブ・スプリング Arab Spring がイーヴンの1番人気。大器晩成タイプの調教では定評のあるスタウト厩舎とあって、G戦初挑戦でも本命に祭り上げられていました。

積極的な逃げ馬不在の中、押し出されるように先頭に立ったのは4番人気(9対1)の古豪カヴァリーマン Cavalryman 。これと並走するようにアラブ・スプリングも先行しましたが、意外に伸びず期待外れの4着に終わってしまいます。替って同じスタウト厩舎でも2番人気(7対2)のヒルスター Hillstar が追い上げましたが、結局は首差でカヴァリーマンの逃げ切り勝ち。半馬身差で3番人気(5対1)のピサーズ・ムーン Pether’s Moon が3着に入りました。

カヴァリーマンは3歳時にはパリ大賞典に勝ち、凱旋門賞でも3着(勝ったのはシー・ザ・スターズ Sea the Stars)したGⅠ馬。その後ゴドルフィンに移ってからは成績は今一、去年のこのレースでもユニヴァーサル Universal の3着に終わっていました。
8歳になる今年は、ドバイで2戦して一般戦に1勝し、GⅡでは2着。今回は鞍上シルヴェストル・ド・スーザとの折り合いも付き、復活・好走に繋がったようです。管理するサイード・ビン・スロール師によれば、同馬のベストは1マイル6ハロン。次走はより長い距離のグッドウッド・カップになる予定。

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