2014ジュライ・ミーティング2日目

昨日はジュライ・ミーティング2日目を迎えたニューマーケット競馬場、馬場は更に悪化して soft となり、2鞍のG戦が行われました。

最初はダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス Duchess of Cambridge S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)。以前はチェリー・ヒントン・ステークスとして知られてきた2歳牝馬戦で、私もチェリー・ヒントンの方がピッタリ来る世代ではあります。
騎乗停止明けのジョセフが騎乗予定だったオブライエン厩舎のアイ・アム・ビューティフル I am Beautiful は取り消し、5頭立て。態々フランスからアンドレ・ファーブル師が送り込んできたハイ・セレブリティー High Celebrity が4対9の断然1番人気に支持されていました。シャンティーの新馬戦に勝ったばかりの馬ですが、ファーブル師が遠征に踏み切っただけに期待が高かったのでしょう。

そのハイ・セレブリティーはスタート・ダッシュが付かず、おまけに挟まれて前を塞がれたこともあって後方から。本命馬とは逆に好スタートから先頭に立った2番人気(4対1)のアラビアン・クイーン Arabian Queen が、後半追い上げるハイ・セレブリティーを1馬身4分の1差抑えての逃げ切り勝ち。3馬身差の3着には最も人気の無い(50対1)トング・トゥイスタ Tongue Twista が食い込みました。
デヴィッド・エルスワース厩舎、ライアン・ムーアが騎乗したアラビアン・クイーンは、前走ロイヤル・アスコットのクィーン・メアリー・ステークスでは6着でしたが、最後の末脚が最も目立っていた1頭。これまで3戦は全て5ハロンでしたから、初体験の6ハロンでより能力を発揮したのでしょう。母バーシバ Barshiba はランカシャー・オークス(GⅡ)を2連覇した馬で、母ほどではないにしても娘にもそれなりのスタミナが流れていると思われます。

続いてはこの開催に組まれているGⅠ戦2鞍の内の一つ、フォルマス・ステークス Falmouth S (GⅠ、3歳上牝、1マイル)。7頭が出走し、去年の1000ギニー馬スカイ・ランターン Sky Lantern 、今年のコロネーション・ステークスを制したリジーナ Rizeena と2頭のGⅠ馬が出走してきましたが、15対8の1番人気に支持されたのは、前走ロイヤル・アスコットでデューク・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)を快勝したインテグラール Integral でした。
復調が期待される3番人気(9対2)のスカイ・ランターン、今回は作戦を変更してスタートからハナに立つ積極的な流れ。しかしレース半ばで2番人気(4対1)のリジーナが馬体を併せてくるとそこまで、結局は5着と本調子には程遠い印象。前2頭の攻防を3番手に待機していたインテグラール、人気通りの末脚を爆発させると、リジーナを2馬身突き放して見事期待に応えました。4分の3馬身差の3着には、最低人気(7対1)ながらチーム・オブライエンのピース・バーグ Peace Burg が食い込んでいます。

サー・マイケル・スタウト師が管理するインテグラールは、去年3歳でデビューし、その年は5戦3勝(アタランタ・ステークスGⅢ)。今年はダーリア・ステークス(GⅢ)2着の後、前走に続くG戦2連勝で遂に頂点に立ちました。如何にもスタウト師好みの晩成タイプと言えましょう。騎乗したライアン・ムーアは、この日のG戦ダブルで総なめ。
スタウト師によれば、ダラカニ Dalakhani 産駒は重が苦手なタイプが多く、今回も出走を躊躇ったものの結果は上々。次はサセックス・ステークスでGⅠ連勝を目指したいとのことでした。
インテグラールの牝系は名馬がズラリ。母はメイトロン・ステークスでGⅠを制したエシェロン Echelon 、2代母イクスクルーシヴ Exclusive もコロネーション・ステークスに勝ったGⅠ馬です。更に3代母イクスクルーシヴ・オーダー Exclusive Order は当時GⅡだったモーリス・ド・ギースト賞の勝馬ですが、このレースは現在はGⅠに格上げされたレヴェルの高い短距離戦。この牝系に、また新たなチャンピオンが誕生しました。

昨日はイギリス北部のヨーク競馬場でもG戦が行われました。その名もサマー・ステークス Summer S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)。こちらは雨の予報が外れて good to firm と時計の速い馬場。これを嫌って4頭が取り消し、11頭立てで行われました。
1番人気(7対2)には2頭が並び、1頭は去年のこのレースに勝ったレディーズ・アー・フォレヴァー Ladies are Forever 、もう1頭が1000ギニー参戦(11着)から前走短距離に戻ってバリオーガン・ステークス(GⅢ)で2着したセシル厩舎のジョユーズ Joyeuse 。

レースはウイルビーム Willbeme が逃げ、5番人気(10対1)のインディグナント Indignant が2番手追走。中団を進んだレディーズ・アー・フォレヴァーが抜けると、後方から追い込むジョユーズを頭差抑えて人気通りの決着となりました。1馬身4分の3差で粘ったインディグナントが3着。

ジェフ・オールドロイド厩舎、ダニー・タドホープ騎乗のレディーズ・アー・フォレヴァーは、前走同じヨークのデューク・オブ・ヨーク・ステークス(GⅡ)は後方のまま10着と敗退していましたが、余程このレースと相性が良いのでしょうか、連覇の他に2011年にも勝っていて、何と3度目のサマー・ステークス優勝となりました。平坦コース、固い馬場の6ハロンこそ、この馬の出番でしょう。

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