2011ジュライ・ミーティング2日目
昨日に続いてニューマーケットからのレポートです。ジュライ・ミーティングの二日目。この日は北のヨーク競馬場でもパターン・レースが行われましたが、ニューマーケットの2鞍と共に牝馬のためのレース、女の闘いの一日でした。
先ずはニューマーケットからチェリー・ヒントン・ステークス Cherry Hinton S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)、馬場状態は初日と同じ good です。
11頭立て。5対2の1番人気は、ロイヤル・アスコットのクィーン・メアリー・ステークスで2着したシュムース Shumoos 。最近のチェリー・ヒントンはロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス出走組から勝馬が出ることが多く、同レース2着のイネトロビル Inetrobil も差の無い4番人気(13対2)を集めていました。
レースは3番人気(5対1)のマイ・プロペラー My Propeller が逃げましたが、ゴール前1ハロンで捉まり、追い込み馬の競馬。馬場の中央、中団待機のガミラーティ Gamilati がスタンド側のラチ沿いに切れ込んで抜け出し、外から脚を伸ばした2番人気(4対1)のルッセリアーナ Russelliana に1馬身半差を付けて優勝。本命シュムースは首差3着に終わりました。
優勝したガミラーティはこれまで2戦して2着2回の未勝利馬。オッズは14対1の伏兵。アル・ザローニ師が管理するゴドルフィンの馬で、騎乗停止が解けて手綱を取ったランフランコ・デットーリは、馬が若いので敢えてラチ沿いに進路を変えた由。手応えは出走馬中随一、あと2ハロン地点で最後に仕掛けた好プレーが光りました。さすが名手です。
次は同じ6ハロンのラウザー・ステークスに向かう予定。来年の1000ギニーには16対1のオッズが出されました。
2着のルッセリアーナも素質充分。こちらはスタウト厩舎、ムーア騎乗で、新馬戦にデビュー勝ちしたばかり。この日は内外が離れていたために惜敗しましたが、次の狙い目としては充分な逸材でしょう。
ニューマーケットの二つ目のパターン・レースは、GⅠのフォルマス・ステークス Falmouth S (GⅠ、3歳上牝、1マイル)。
11頭が出走し、13対8の1番人気にはフランスから遠征してきた社台のサプレーザ Sahpresa が選ばれました。ニューマーケットではサン・チャリオット・ステークスを2連覇、今期もデビュー戦のパレ=ロワイヤル賞に勝って順調です。
スタートが切られましたが、7番枠のメモリー Memory がゲートを出ません。何とか発走したものの、他馬は遥か彼方に。実はメモリー、今年の1000ギニーでも全く同じ癖を出して競馬になりませんでした。1000ギニーではヒューズが騎乗していましたが、今回はライアン・ムーア。騎手との相性という問題ではないようです。公式記録では10着の馬との着差が99馬身と記録されました。でも「99馬身」って一体・・・?
ということでスタートからサプライズになりましたが、逃げたネイル・カラン騎乗のマサーヤ Masaya のペースが超スロー。これに惑わされたのは本命馬のルメール、2番人気アンタラ Antara のデットーリ、これもフランスから遠征したリリー・オブ・ザ・ヴァレー Lily Of The Valley のスミオンなど名手揃い。
結果、2番手を追走したトム・クィーリー騎乗のタイムピース Timepiece が逃げ馬を交わし、まんまと逃げ切ってしまいました。先手必勝。後方から懸命に追い上げたサプレーザは1馬身4分の1差届かず2着、更に半馬身差でファースト・シティー First City が3着。リリー・オブ・ザ・ヴァレーは7着、アンタラは9着と夫々惨敗を喫しています。
勝ったタイムピースは16対1。去年のオークス9着馬ですが、そのあとのロイヤル・アスコットではサンドリンガム・ハンデ(1マイル)に勝っていた馬。以後はリステッドの常連で、得意の1マイルならGⅠでも充分に勝負になる能力の高さを証明した形です。
管理するヘンリー・セシル師は、このレースが2004年にGⅠに昇格してからは初勝利。フランケル Frankel と同じアブダッラー所有のチーム、フランケルとは違ってプレッシャーもなく、終始リラックス・ムードでインタヴューに答えていました。
最後にヨーク競馬場のサマー・ステークス Summer S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)。馬場は good 、所により good to firm の状態。
1頭取り消して9頭立て。4対1の1番人気に推されたディヴァー・ドリーム Dever Dream は、前走ロイヤル・アスコット(ウインザー・フォレスト・ステークス)では1マイルの距離が合わず惨敗したものの、得意の6ハロンに戻って堅実さが買われました。
レースは、2連覇を狙った去年の覇者ローズ・ブロッサム Rose Blossom が逃げ粘りましたが、並んで抜け出した本命ディヴァー・ドリームと9対2のレディーズ・アー・フォーエヴァー Ladies Are Forever の激しい叩き合い。最後はレディーズ・アー・フォーエヴァーが頭差抜け出して優勝、ローズ・ブロッサムが2馬身差で3着に粘り込みました。
レディーズ・アー・フォーエヴァーは2頭出走していた3歳馬の1頭。ジェフ・オールドロイド厩舎、シルヴェストル・デ・スーザ騎乗で、オーナーはこのレースのスポンサーでもあるという奇遇。今シーズンは初勝利で、生涯2勝目を初パターン制覇で飾ることが出来ました。
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