ジェフリー・フリアーとハンガーフォード

夏のニューバリー競馬場の目玉は、共に同競馬場の戦後の再開を祝して創設された二つのパターン・レースです。
ジェフリー・フリアー・ステークス(GⅢ、3歳上、1マイル5ハロン61ヤード)は、当初オックスフォードシャー・ステークスとして設立されたもの。ニューバリー競馬場産みの親とも言うべきジェフリー・フリアー氏が亡くなった1969年を機に、現在のレース名に改称されました。
パターン・システム導入当初からGⅡにランクされてきましたが、2006年からGⅢに格下げされています。
1頭取り消しがあって8頭立て。11対10の1番人気に支持されたカイト・ウッド Kite Wood が期待に応えて楽勝しました。
2着は3馬身半差でハリカーナッサス Halicarnassus 、3着には更に1馬身半の差が付いてエイジ・オブ・リーズン Age of Reason 。
勝ったカイト・ウッドは、2歳の終わりにゴドルフィンにダービー候補として移籍した3歳馬。
春は入れ込み癖があってダービーも発汗が酷く、結局は9着に終っています。
ところがここに来て肉体的にも精神的にも成長、この日は落ち着いたレース振りで見事に逃げ切りました。
ニューマーケットのGⅢ(バーレーン・トロフィー)に続いてパターン・レースに2連勝。
スロール厩舎、デットーリ騎手共にセントレジャー制覇の夢が広がりました。
もう一つのハンガーフォード・ステークス(GⅡ、3歳上、7ハロン)は、ジェフリー・フリアーとは逆にGⅢでスタートしたものが、2006年に入れ替わるようにGⅡに格上げされたもの。
当初は14頭の登録がありましたが、何と5頭が取り消して9頭立て。
こちらもスロール厩舎・デットーリ騎乗のイヴェイシヴ Evasive が10対11の1番人気を集めましたが、レース後半で失速し6着に惨敗。
勝ったのは10対1人気のバルサザールズ・ギフト Balthazaar’s Gift 。2着は3馬身離されてリーガル・パレード Regal Parade 、3着に半馬身でプラム・プディング Plum Pudding の順。
バルサザールズ・ギフトは色々な厩舎を転々としてきた6歳馬。現在のクライヴ・コックス厩舎は6箇所目に相当しますが、コックス師の下では初勝利となります。
パターン・レースは3つ目で、2歳時のクリテリウム・ド・メゾン=ラフィット、4歳時のハックウッド・ステークスに次ぐ久々の勝利。
フィリップ・ロビンソン騎手の最後方から進んで末脚を生かす作戦が奏功したようです。
今年の目標は、ロンシャン競馬場のフォレ賞(GⅠ)。
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