2014グローリアス・グッドウッド4日目
ここからは留守にしていた間の競馬日記を続けていきます。最初は8月1日にグッドウッド競馬場で行われた夏競馬の祭典4日目から。3日目に続いて馬場は散水を施しての good to soft 。G戦は一日の開催としては最も多い4鞍でした。
最初はグローリアス・ステークス Glorious S (GⅢ、4歳上、1マイル4ハロン)。残念ながらスタウト厩舎のヒルスター Hillstar が取り消したため7頭立て。2年前のセントレジャーでキャメロット Camelot の三冠を阻んで以来姿を見せていなかったゴドルフィンのエンカ Encke が出走して注目されましたが(6対1の3番人気)、11対10の1番人気に支持されたピサーズ・ムーン Pether’s Moon 。G戦勝鞍はありませんが、ここ2戦で着実に入着を果たしている上昇馬です。
レースは久々のエンカが先頭に立ち、そのまま渋太く粘りましたが、2番手を進んだピサーズ・ムーンが確実に脚を延ばし、エンカを1馬身4分の1差捉えて優勝。1馬身差の3着にはエンカと同じ6対1のカフェ・ソサエティー Cafe Society が入りました。
リチャード・ハノン厩舎、リチャード・ヒューズ騎乗のピサーズ・ムーンは、去年の最終戦となったケンプトンのリステッド戦に勝ち、今期はこれが5戦目となる4歳馬。前走ニューマーケットのプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス(GⅡ)が3着、その前ロイヤル・アスコットのハードウィック・ステークス(GⅡ)でも3着しており、ワンランク落としたGⅢでG戦初勝利を挙げました。
海外遠征にも意欲的なハノン厩舎、ここまでのキャリアから見てもジャパン・カップ向きで、陣営も招待を前提に挑戦の可能性を示唆しています。
次はサラブレッド・ステークス Thoroughbred S (GⅢ、3歳、1マイル)。いつももう少し気の利いた名前は無いものかと思ってしまうレース名ですが、2頭が取り消して6頭立て。2000ギニー4着、愛2000ギニー2着、ジャン・プラ賞も2着と3戦続けてGⅠで入着してきたシフティング・パワー Shifting Power が6対4の1番人気。ここまでの実績から見ても、そろそろG戦勝ちのタイトルが欲しい所でしょう。
未だキャリア1戦1勝のラプローチメント Rapprochement が逃げ、シフティング・パワーも前での競馬となりましたが、抜け出したのは3番手を進んでいた4番人気(7対1)のワンナビ―・ユアーズ Wannabe Yours 。3番人気(9対2)のオー・ド・コンバ Hors de Combat の追い込みを首差抑えての優勝、3馬身半差に2番人気(4対1)のボウ・クリーク Bow Creek が続き、シフティング・パワーは5着に敗れる波乱でした。
この所絶好調のジョン・ゴスデン厩舎、ウイリアム・ビュイックが騎乗したワンナビ―・ユアーズは、今期初戦にノッティンガムで初勝利、続く前走ドンカスターのハンデ戦と3連勝と成長を続けてきた新星。未だ5戦目でのG戦初挑戦・初勝利となります。厩舎の勢いもあるのでしょう。
この日の3鞍目は短距離のGⅡ、キング・ジョージ・ステークス King George S (GⅡ、3歳上、5ハロン)。今期のスプリント戦線はレースの度に勝馬が変わる混戦で、レース展開や馬場状態、枠順などが微妙に結果を左右してきました。そんな中、9対2の1番人気に支持されたのは、去年の勝馬ムーヴィエスタ Moviesta 。前走ジュライ・カップは8着と奮いませんでしたが、条件が合えば一発逆転もありという期待感でしょうか。
カスピアン・プリンス Caspian Prince の逃げで始まったこのレース、先行から抜け出したのが3番人気(6対1)のテイク・カヴァー Take Cover 、後方から追い込むイクストーショニスト Extortionist を首差抑えての優勝です。ムーヴィエスタも中団から前に迫りましたが、短頭差の3着惜敗で連覇ならず。
勝馬を管理するデヴィッド・グリフス調教師にとっては、これがG戦初勝利。アンドレア・アズテニが騎乗していました。テイク・カヴァーは、今期はアスコットのキングズ・スタンド・ステークス(GⅠ)8着から始動し、前走ヨークのリステッド戦に優勝、これがシーズン3戦目となる7歳馬です。今回と同じ条件が期待されるヨークのナンソープ・ステークス(GⅠ)が次の目標で、14対1のオッズが出されました。
4日目の最後はオーク・トゥリー・ステークス Oak Tree S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。1頭が取り消して9頭立て。前走ロイヤル・アスコットのサンドリンガム・ハンデを含めてここまで4戦無敗のムテーラ Muteela が7対4の1番人気。
そのムテーラがスタートから主導権を握って逃げ切りを図りましたが、スタートで出遅れ、後方に待機した4番人気(7対1)のジェイ・ワンダー J Wonder の末脚が冴え、本命馬を首差捉えて快勝。4分の3馬身差の3着には先行した4番人気(16対1)インディグナント Indignant が食い込むサプライズでした。
ブライアン・ミーハン厩舎、ジミー・フォーチュン騎乗のジェイ・ワンダーは、今期初戦にフレッド・ダーリング・ステークス(GⅢ)に優勝し、仏1000ギニー7着、コロネーション・ステークスでも7着だった馬。2戦続けてGⅠに使われた実績もありますが、1マイルより7ハロンに適していると言えそうです。
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