仏ローカル馬の活躍
一昨日の日曜日にもフランス、ロンシャン競馬場でパターン・レース2鞍が行われました。馬場は heavy 。凱旋門賞のソレミア Solemia を引き継ぐように、フランスのローカル競馬場をベースにする馬たちの活躍が続いています。
最初はコンデ賞 Prix de Conde (GⅢ、2歳、1800メートル)。7頭が出走し、5対4の1番人気に推されたモランディ Morandi はフランスのローカル競馬で新馬勝ちしたあと、前走ロンシャンの条件戦に勝った馬。ここまで4戦2勝2着2回という堅実身が買われていました。
レースは2番人気(7対2)で英国からミック・シャノン厩舎が送り込んだルハイフ Luhaif の逃げ。2番手に付けた本命モランディが抜け出すと、2着に入ったワンダルジャン Onedargent に何と12馬身もの大差を付ける圧勝でした。更に2馬身差で3着はリオン・ダンヴェール Lion D’Anvers 。ロンシャンで12馬身差というのは滅多にないことで、結果だけ見るとかなりの大物かも知れません。ルハイフは5着敗退。
勝馬を管理するジャン=クロード・ロジェ師は、このレース6年間で3勝目。グレゴリー・ブノアが騎乗していました。レース後の状態を見て、クリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)に向かうことになるでしょうが、レース内容から見て出走すれば人気を集めそうな感じですね。
父はデインヒル Danehill 系のホーリー・ロマン・エンペラー Holy Roman Emperor 。この父は、ジャン=リュック・ラガルデール賞など2歳のGⅠ2勝を含めて4戦無敗だった馬。クラシックは調整がままならず3歳は未出走でしたから、来年のクラシックで父の無念を晴らす一頭になるかどうか、次走が試金石となるでしょう。
続いてはコンセイユ・ド・パリ賞 Prix Conseil de Paris (GⅡ、3歳上、2400メートル)。8頭が出走してきました。前走シンガポール国際を制したチンチョン Chichon が100対30で1番人気。
ここも2番人気(4対1)のレミュス・ドゥ・ラ・トゥール Remus De La Tour が逃げましたが、最後方に待機した本命チンチョンは直線で追い上げるも5着まで。優勝は、中団からの差し脚が決まったティエリー・ジャルネ騎乗、5番人気(6対1)のサガ・ドリーム Saga Dream でした。短首差でセディシオサ Sediciosa が2着、3着は4馬身の大差が付いてジェントル・ストーム Gentle Storm の順。
サガ・ドリームは2週間前、凱旋門フェスティヴァルの土曜日にドラー賞でシリュス・デ・ゼーグル Cirrus Des Aigles の3着(10馬身差を付けられたものの)した馬。これがパターン・レースは初勝利となり、同馬を管理するフレディ・ルメルシェ調教師にとってもこれまでで最大級の栄冠となります。ルメルシェ師はロワール渓谷でたった4頭を管理する小厩舎で、この勝利を“我が凱旋門賞、我がワールド・カップ”と手放しで喜んでいました。
以上のレポートのように、最近のフランス競馬はパリ地区の厩舎の独占という状況は終りを告げ、様々な経歴を持ったローカル競馬の調教師、マイナーと見做されがちな馬たちの活躍が目立つようです。
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