2014グローリアス・グッドウッド初日

毎年7月の末から8月の頭に掛けては、恒例のグッドウッド競馬場の夏開催。今年も火曜日から土曜日までの5日間、G戦は全部で13鞍が組まれています。今年も後半は後日纏めて、というスタイルになりますが、のんびりとレポートして行くことにしましょう。

初日のG戦は2鞍、馬場は good to firm と、パナマ帽の似合う夏らしい熱戦が展開されました。最初はグッドウッドでも長い歴史を持つモールコム・ステークス Molecomb S (GⅢ、2歳牝、5ハロン)。近年では来年のクラシックというより、短距離のスペシャリストを目指す馬の舞台になっているようです。
8頭が出走。2歳馬と言えば父の代から定評あるリチャード・ハノン厩舎ということで、3頭出しのエース格ビーコン Beacon が10対11の1番人気。サンダウンのリステッド戦を含め3連勝中で、G戦初勝利を目指します。

レースは、ハナっ速いことで注目される2番人気(3対1)のコタイ・グローリー Cotai Glory が飛び出し、5番人気(10対1)のファスト・アクト Fast Act が2番手追走。ビーコンはスタートのタイミングがずれ、進路をスタンドから遠い側にとって追い上げましたが、前がスムーズに開かずフラストレーションの溜まる内容になってしまいました。
結局コタイ・グローリーが半馬身差で逃げ切り、2番手のファスト・アクトが辛うじて頭差ビーコンの追い上げを凌いでの2着。ハノン厩舎はこのレース連覇(去年は父が管理者)成らず。

チャールズ・ヒルズ厩舎、ジョージ・ベイカー騎乗のコタイ・グローリーは、典型的な短距離血統。3戦目にバースで逃げ切って初勝利を挙げましたが、その前にはロイヤル・アスコットのリステッド戦(ウインザー・キャッスル・ステークス)にも参戦した(6着)したほど。前走、11日前にはニューバリーのリステッド戦でも2着して、そのスピードをアピールしていました。これからも短距離のG戦に使ってくることでしょう。

初日のもう一鞍は、これも短距離の範疇に入るレノックス・ステークス Lennox S (GⅡ、3歳上、7ハロン)。馬場が硬いことで3頭が取り消し、7頭立て。ここでもハノン厩舎の3歳馬トールモア Toormore が5対6の断然1番人気。厩舎のクラシックで、クレイヴァン・ステークスに勝ったものの2000ギニー7着、セント・ジェームス・パレスも6着と1マイルはやや長い印象。今回は1ハロン短い距離での名誉挽回を目指します。

逃げたのは去年の3着馬ブーム・アンド・バスト Boom and Bust 。トールモアはこれを2番手で追走し、キッチリ抜け出して期待に応えたかと思われましたが、3番手を進んだ3番人気(7対1)エス・ケ・ラヴ Es Que Love の末脚が勝り、最後は本命馬を首差捉えての逆転劇。半馬身差でトールモアと同じハノン厩舎のアンジャール Anjaal が3着に食い込み、ハノン厩舎は2着3着と悔しい結果。去年の勝馬で2番人気(4対1)に推されていたガースウッド Garswood は4着に終わりました。
勝ったエス・ケ・ラヴは、今年初めにマーク・ジョンストン厩舎からクライヴ・コックス厩舎に移ってきた5歳馬。アダム・カービーの好騎乗でG戦初勝利を挙げました。今期はアバーナント2着、デューク・オブ・ヨーク3着と入着を続け、ロイヤル・アスコットではキングズ・スタンド(9着)、ダイヤモンド・ジュビリー(11着)と二つのGⅠ共に挑戦するもGⅠの壁に跳ね返され、前走ハックウッドでは3着と確実にレヴェルに合った成績を残してきました。これまで5・6ハロンを使ってきましたが、今回は今年最初の7ハロン。距離が1ハロン伸びたことで成績も一つ上がったと見るのが妥当か。
GⅡに勝った以上はペナルティーは覚悟の上、同じGⅡの7ハロン戦、更にはペナルティーの無いGⅠ戦が目標になるでしょう。

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